3
回編集
Yukotanibuchi (トーク | 投稿記録) 細 (→報酬系回路) |
Yukotanibuchi (トーク | 投稿記録) 細 (→行動嗜癖とは) |
||
27行目: | 27行目: | ||
こうした経緯から、行動嗜癖を物質依存症と同じカテゴリーに含めることについては、いまだ専門家のあいだでも議論がある<ref name=ref1><pubmed>11691967</pubmed></ref>。実際、行動嗜癖を物質依存症と同じカテゴリーに含めるかどうかについては、1980年代前半から検討され続けられながらも、実際には、[[Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders 4th edition]] ([[DSM-IV]])においては「[[衝動制御の障害]]」という疾患分類に、また、[[International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems]] ([[ICD-10]])においては「[[習慣及び衝動の障害]]」の項目に入れられていた。 | こうした経緯から、行動嗜癖を物質依存症と同じカテゴリーに含めることについては、いまだ専門家のあいだでも議論がある<ref name=ref1><pubmed>11691967</pubmed></ref>。実際、行動嗜癖を物質依存症と同じカテゴリーに含めるかどうかについては、1980年代前半から検討され続けられながらも、実際には、[[Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders 4th edition]] ([[DSM-IV]])においては「[[衝動制御の障害]]」という疾患分類に、また、[[International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems]] ([[ICD-10]])においては「[[習慣及び衝動の障害]]」の項目に入れられていた。 | ||
しかしその一方で、行動嗜癖には、その行動が存在することで本人の生活機能や社会的機能、さらには本人及び周囲に深刻な主観的苦痛をもたらすのは事実である。そしてその行動には、依存性物質に対する渇望に似た強い衝動や強迫が認められ、しばしば自己制御が困難である。また、その行動におよんだ直後には、精神的緊張からの解放感や安堵感をもたらす。これらは、まさに物質依存症と共通する特徴である。実際、物質依存症で確立された心理社会的治療や支援を援用することで、一定の治療成果を上げているという現実もある。近年では、後述するように、動物実験研究や[[神経画像的研究]]における物質依存症と共通した生物学的根拠の存在を指摘する報告が増え、特に病的ギャンブリングは生物学的知見に関する報告も多い。 | |||
こうした状況のなかで、病的ギャンブリングについては、2013年5月に発表された[[DSM-5]]において、物質依存症と同じ診断カテゴリーである、「[[物質関連と嗜癖の障害]](substance-related and addictive disorders)」に分類されることになった。また、将来、正式な精神障害の診断カテゴリーとして採用される候補として、インターネット・ゲーム障害が示唆されている。 | こうした状況のなかで、病的ギャンブリングについては、2013年5月に発表された[[DSM-5]]において、物質依存症と同じ診断カテゴリーである、「[[物質関連と嗜癖の障害]](substance-related and addictive disorders)」に分類されることになった。また、将来、正式な精神障害の診断カテゴリーとして採用される候補として、インターネット・ゲーム障害が示唆されている。 | ||
39行目: | 39行目: | ||
#その行動のために、それに代わる(適応的、建設的な)楽しみを無視するようになり、当該行動に関わる時間や、当該行動からの回復(行動をやめること)に時間がかかる | #その行動のために、それに代わる(適応的、建設的な)楽しみを無視するようになり、当該行動に関わる時間や、当該行動からの回復(行動をやめること)に時間がかかる | ||
#明らかに有害な結果が生じているにもかかわらず、その行動を続ける | #明らかに有害な結果が生じているにもかかわらず、その行動を続ける | ||
== 行動嗜癖の脳内メカニズム == | == 行動嗜癖の脳内メカニズム == |
回編集