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神経細胞は、神経情報の入力部となる[[樹状突起]]、[[核]]を保有する細胞体、神経情報の出力部となる[[軸索]]、[[神経伝達物質]]を貯蔵し放出する[[シナプス前部|終末]]部の4つの基本的構成からなる。このうち、白質は軸索が豊富な部位で、[[有髄神経]]線維を包む[[髄鞘]]([[ミエリン]])が大量に存在している部位である。このため、白質の組織学的検出には、髄鞘に選択的な髄鞘タンパク質(例えば[[ミエリン塩基性タンパク質]])や軸索に選択的な分子(例えば[[ニューロフィラメント]])に対する[[免疫組織化学]]を行うことで、容易に同定できる。 | 神経細胞は、神経情報の入力部となる[[樹状突起]]、[[核]]を保有する細胞体、神経情報の出力部となる[[軸索]]、[[神経伝達物質]]を貯蔵し放出する[[シナプス前部|終末]]部の4つの基本的構成からなる。このうち、白質は軸索が豊富な部位で、[[有髄神経]]線維を包む[[髄鞘]]([[ミエリン]])が大量に存在している部位である。このため、白質の組織学的検出には、髄鞘に選択的な髄鞘タンパク質(例えば[[ミエリン塩基性タンパク質]])や軸索に選択的な分子(例えば[[ニューロフィラメント]])に対する[[免疫組織化学]]を行うことで、容易に同定できる。 | ||
白質を通るニューロンの軸索は、長いものでは1メートル近くに及ぶ。神経情報は、軸索上を[[活動電位]]([[インパルス]])として伝導し、高速かつ確実に標的まで到達する。それは、有髄神経線維では特定の部位([[軸索初節]]と[[ランビエ絞輪]])の軸索膜に[[電位依存性ナトリウムチャネル|電位依存性Na<sup>+</sup>チャネル]]や[[電位依存性カリウムチャネル|電位依存性K<sup>+</sup>チャネル]]が高密度に集積し、[[跳躍伝導]] | 白質を通るニューロンの軸索は、長いものでは1メートル近くに及ぶ。神経情報は、軸索上を[[活動電位]]([[インパルス]])として伝導し、高速かつ確実に標的まで到達する。それは、有髄神経線維では特定の部位([[軸索初節]]と[[ランビエ絞輪]])の軸索膜に[[電位依存性ナトリウムチャネル|電位依存性Na<sup>+</sup>チャネル]]や[[電位依存性カリウムチャネル|電位依存性K<sup>+</sup>チャネル]]が高密度に集積し、[[跳躍伝導]]が起こることや、髄鞘自体の高い絶縁性により電位変化の減衰度合いを小さく押さえることによる。しかし、[[多発性硬化症]]などにより、一度形成された髄鞘が何らかの病因により脱落(脱髄)すると、これらの[[イオンチャネル]]の集積化が失われ、無髄神経線維のように広汎な低密度分布様式となる。このような状況では伝導速度が著しく低下し、インパルスが途中で止まり伝導ブロックが発生する。このような白質病変が起こると、末梢で捉えた感覚情報は大脳皮質に伝わらなくなり、大脳皮質が司令する運動情報も[[筋]]に伝わらなくなり、麻痺が起こる。 | ||
==関連項目== | ==関連項目== |