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===電位依存性カリウムチャネルの異常=== | ===電位依存性カリウムチャネルの異常=== | ||
前述のとおり、心臓では複数種類のカリウムチャネルが心臓の興奮性制御に寄与しており、QT延長症候群にも複数種類のカリウムチャネルが原因遺伝子として報告されている。先天性QT延長症候群の中でもっとも高い頻度で報告されているのは、[[KCNQ1]]チャネルが原因のLQT1と、[[hERG]]チャネルが原因のLQT2である<ref><pubmed>7736582</pubmed></ref><ref><pubmed>7889573</pubmed></ref><ref><pubmed>8528244</pubmed></ref><ref><pubmed>8900282</pubmed></ref><ref><pubmed>8900283</pubmed></ref>。どちらも[[電位依存性カリウムチャネル|電位依存性カリウムチャネルαサブユニット]]をコードしており、両者でLQTとして遺伝子診断される患者全体の80%程度を占めている。それぞれのイオンチャネルからはこれまでに数十を超える変異部位が見つかっており、ほとんどどの部位に問題が生じても、疾患を生じうることがわかる(図2)。 | 前述のとおり、心臓では複数種類のカリウムチャネルが心臓の興奮性制御に寄与しており、QT延長症候群にも複数種類のカリウムチャネルが原因遺伝子として報告されている。先天性QT延長症候群の中でもっとも高い頻度で報告されているのは、[[KCNQ1]]チャネルが原因のLQT1と、[[KCNH2]] ([[hERG]])チャネルが原因のLQT2である<ref><pubmed>7736582</pubmed></ref><ref><pubmed>7889573</pubmed></ref><ref><pubmed>8528244</pubmed></ref><ref><pubmed>8900282</pubmed></ref><ref><pubmed>8900283</pubmed></ref>。どちらも[[電位依存性カリウムチャネル|電位依存性カリウムチャネルαサブユニット]]をコードしており、両者でLQTとして遺伝子診断される患者全体の80%程度を占めている。それぞれのイオンチャネルからはこれまでに数十を超える変異部位が見つかっており、ほとんどどの部位に問題が生じても、疾患を生じうることがわかる(図2)。 | ||
これらカリウムチャネルのβサブユニットである[[KCNE1]] (LQT5の原因遺伝子)、[[KCNE2]] (LQT6の原因遺伝子)、KCNQ1結合タンパク質である[[AKAP-9]] (LQT11の原因遺伝子)もQT延長症候群原因遺伝子である。これらLQTは[[常染色体優性遺伝]]であり、[[Romano-Ward症候群]]とも分類される。 | これらカリウムチャネルのβサブユニットである[[KCNE1]] (LQT5の原因遺伝子)、[[KCNE2]] (LQT6の原因遺伝子)、KCNQ1結合タンパク質である[[AKAP-9]] (LQT11の原因遺伝子)もQT延長症候群原因遺伝子である。これらLQTは[[常染色体優性遺伝]]であり、[[Romano-Ward症候群]]とも分類される。 |