「脳磁法」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
21行目: 21行目:
'''脳磁法を用いた研究'''
'''脳磁法を用いた研究'''


脳磁法は高い時間分解能で完全に非侵襲的に神経活動を計測することが出来るため、ヒトの基礎研究・臨床研究に利用されている。特に、一次聴覚野、一次体性感覚野、一次運動野など刺激に同期して活動し限局している信号源に対しては、刺激を繰り返し与え得られた波形を加算平均し、等価電流双極子モデル等を使うことによってかなり正確に特定することが可能である。しかしながら、複雑な認知行動課題などの場合は惹起された神経活動が分散しており刺激に正確に同期していない事が多いため信号源推定には注意を要する。
脳磁法は高い時間分解能で完全に非侵襲的に神経活動を計測することが出来るため、ヒトの基礎研究・臨床研究に利用されている。特に、一次聴覚野、一次体性感覚野、一次運動野など刺激に同期して活動し限局している信号源に対しては、刺激を繰り返し与え得られた波形を加算平均し、等価電流双極子モデル等を使うことによってかなり正確に特定することが可能である。しかしながら、複雑な認知行動課題などの場合は惹起された神経活動が分散しており外部刺激に正確に同期していない事が多いため信号源推定には注意を要する。
現在、脳磁図の臨床利用として主となるのは、てんかん患者におけるてんかん原性焦点や言語中枢等の重要な機能を担っている脳部位の同定である。脳磁法は脳波よりも空間分解能に優れており、脳磁法を使用することで脳波では捉えられなかったてんかん性脳活動を測定できることも報告されている[5]。できるだけ重要な機能を担う脳部位を温存して術後の後遺症を減らし、正確にてんかん源性脳部位を切除するために手術前に脳磁法により脳機能計測を行うことは有効だと考えられている[6]。
現在、脳磁図の臨床利用として主となるのは、てんかん患者におけるてんかん原性焦点や言語中枢等の重要な機能を担っている脳部位の同定である。脳磁法は脳波よりも空間分解能に優れており、脳磁法を使用することで脳波では捉えられなかったてんかん性脳活動を測定できることも報告されている[5]。できるだけ重要な機能を担う脳部位を温存して術後の後遺症を減らし、正確にてんかん源性脳部位を切除するために手術前に脳磁法により脳機能計測を行うことは有効だと考えられている[6]。
神経科学分野における脳磁法の利用としては、その高い時間・空間分解能を活かして視覚・聴覚・体性感覚・痛覚などにより惹起された誘発脳磁場反応による脳機能マッピング[7-10]や、顔認知や言語処理といったヒト脳における認知機能の解明[11-13]、安静時における脳部位間の機能的結合に関する研究[14]などが行われている。
神経科学分野における脳磁法の利用としては、その高い時間・空間分解能を活かして視覚・聴覚・体性感覚・痛覚などにより惹起された誘発脳磁場反応による脳機能マッピング[7-10]や、顔認知や言語処理といったヒト脳における認知機能の解明[11-13]、安静時における脳部位間の機能的結合に関する研究[14]などが行われている。
50

回編集

案内メニュー