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Ykishimoto (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
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=== CS経路 === | === CS経路 === | ||
CSとしての聴覚や視覚情報は、[[橋核]](pontine nuclei)を経由する。もっとも一般的なCSが音の場合、聴覚情報は[[蝸牛神経核]]を経て、橋核から[[苔状線維]](mossy | CSとしての聴覚や視覚情報は、[[橋核]](pontine nuclei)を経由する。もっとも一般的なCSが音の場合、聴覚情報は[[蝸牛神経核]]を経て、橋核から[[苔状線維]](mossy fiber)を伝わり、小脳皮質に入る。小脳皮質では、この情報は[[顆粒細胞]](granule cells)に受け継がれ、その[[軸索]]である[[平行線維]](parallel fiber)を辿ってプルキンエ細胞(Purkinje cell, PC)へ入力する。また、苔状線維は小脳核にも投射しシナプスを形成しており、CS情報は直接小脳核に入力されることにも注意されたい。 | ||
=== US経路 === | === US経路 === | ||
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== 展望・課題 == | == 展望・課題 == | ||
この100年ほどのあいだに,様々な領域の技術の発展を取り込みながら、瞬目反射条件づけの分子・神経機構が解析されてきた。特に小脳の神経回路において詳らかにされた遅延課題の学習機構は、記憶学習の生物学的研究における最大の事績の一つと言える。しかし一方で、未だに記憶の獲得や保持に関わる新しい分子やシナプス回路が発見され続けていることから窺い知れるよう、瞬目反射条件づけの研究には、まだ実のところ「正解」がわからない現在進行形の課題も多分に残されている。将来的にはより直接的な方法論(たとえばオプトジェネティクス<ref><pubmed> 24501371 </pubmed></ref>)によって、特に小脳皮質の本質的な役割が解き明かされることを期待したい。また、特性の異なる遅延課題と痕跡課題の両パラダイムを活用することで、瞬目反射条件づけは、疾患モデル動物の[[認知機能]]の単なる測定法に留まらず、治療法の探索への応用など,今後は前臨床研究や創薬のツールとしても有望であると考えられる。 | |||
==参考文献== | ==参考文献== | ||
<references/> | <references/> |
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