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特に、このコネクトームという概念が普及され始めたのは、2008年、[[wj:ハーバード大学|Harvard大学]]の[[w:Jeffrey W. Lichtman|Jeffrey W. Lichtman]]と[[w:Joshua R. Sanes|Joshua R. Sanes]]による共著総説論文の発表後である<ref><pubmed>18801435</pubmed></ref>。また、用語の定着には、[[w:Sebastian Seung|Sebastian Seung]](当時[[wj:MIT|MIT]]、現[[wj:プリンストン大学|Princeton大学]])らのアウトリーチによる努力もあった<ref>'''Sebastian Seung'''<br>Connectome: How the Brain's Wiring Makes Us Who We Are<br>Mariner Books, 2013 ISBN 9780547678597<br>邦訳 セバスチャン・スン (著), 青木 薫 (翻訳)<br>コネクトーム:脳の配線はどのように「わたし」をつくり出すのか<br>草思社</ref>。 | 特に、このコネクトームという概念が普及され始めたのは、2008年、[[wj:ハーバード大学|Harvard大学]]の[[w:Jeffrey W. Lichtman|Jeffrey W. Lichtman]]と[[w:Joshua R. Sanes|Joshua R. Sanes]]による共著総説論文の発表後である<ref><pubmed>18801435</pubmed></ref>。また、用語の定着には、[[w:Sebastian Seung|Sebastian Seung]](当時[[wj:MIT|MIT]]、現[[wj:プリンストン大学|Princeton大学]])らのアウトリーチによる努力もあった<ref>'''Sebastian Seung'''<br>Connectome: How the Brain's Wiring Makes Us Who We Are<br>Mariner Books, 2013 ISBN 9780547678597<br>邦訳 セバスチャン・スン (著), 青木 薫 (翻訳)<br>コネクトーム:脳の配線はどのように「わたし」をつくり出すのか<br>草思社</ref>。 | ||
しかし、これらの研究者の貢献は、あくまでコネクトームという用語を提案、普及、定着させたということで認知されるべきもので、コネクトームとは呼んでいないものの、それに相当する概念はこれらの研究者が提案する以前から存在していたと考えるべきである<ref><pubmed>23866325</pubmed></ref>。その典型例は、1986年に発表されたJohn Whiteらによる[[線虫]](''[[ | しかし、これらの研究者の貢献は、あくまでコネクトームという用語を提案、普及、定着させたということで認知されるべきもので、コネクトームとは呼んでいないものの、それに相当する概念はこれらの研究者が提案する以前から存在していたと考えるべきである<ref><pubmed>23866325</pubmed></ref>。その典型例は、1986年に発表されたJohn Whiteらによる[[線虫]](''[[Caenorhabditis elegans]]'')という一つの生物の神経細胞の結合性を網羅的に記述した研究である(後述)<ref><pubmed>22462104</pubmed></ref><ref><pubmed>25750233</pubmed></ref>。 | ||
==コネクトームの研究史と階層== | ==コネクトームの研究史と階層== |