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Hiroyukinakahara (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
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たとえば、パブロフ型条件づけのパラダイムを用いた実験では、動物の学習に伴ってドーパミンニューロンの反応が変化することが報告されている(Waelti et al, 2001; Day et al, 2007; D’ardenne et al., 2008)。ドーパミンニューロンは、学習の初期には報酬の提示直後に活動を増大させる。この反応は、学習が進むにつれ消失し、報酬を予測する刺激(CS)の呈示直後に増大するようになる。また、予想された報酬が呈示されなかった場合には、報酬が予測された時刻の活動が低下する。これは、ドーパミンニューロンが正負の報酬予測誤差を両方向的に符号化していることを示唆している。さらに、阻止効果の実験などでも、ドーパミンニューロンが強化学習の理論から予見される学習信号に対応するような活動の変化をみせることが報告されおり<ref><pubmed> 11452299 </pubmed></ref><ref><pubmed> 14741107 </pubmed></ref>、また近年では[[オプトジェネティクス]]やマイクロスティミュレーション(micro-stimulation)法を用いてドーパミンニューロンの活動を人為的に操作すると学習が阻害されることが報告されている<ref><pubmed> 28390863 </pubmed></ref> 。これらのこともまたドーパミン報酬予測誤差仮説を支持している。 | たとえば、パブロフ型条件づけのパラダイムを用いた実験では、動物の学習に伴ってドーパミンニューロンの反応が変化することが報告されている(Waelti et al, 2001; Day et al, 2007; D’ardenne et al., 2008)。ドーパミンニューロンは、学習の初期には報酬の提示直後に活動を増大させる。この反応は、学習が進むにつれ消失し、報酬を予測する刺激(CS)の呈示直後に増大するようになる。また、予想された報酬が呈示されなかった場合には、報酬が予測された時刻の活動が低下する。これは、ドーパミンニューロンが正負の報酬予測誤差を両方向的に符号化していることを示唆している。さらに、阻止効果の実験などでも、ドーパミンニューロンが強化学習の理論から予見される学習信号に対応するような活動の変化をみせることが報告されおり<ref><pubmed> 11452299 </pubmed></ref><ref><pubmed> 14741107 </pubmed></ref>、また近年では[[オプトジェネティクス]]やマイクロスティミュレーション(micro-stimulation)法を用いてドーパミンニューロンの活動を人為的に操作すると学習が阻害されることが報告されている<ref><pubmed> 28390863 </pubmed></ref> 。これらのこともまたドーパミン報酬予測誤差仮説を支持している。 | ||
ドーパミンニューロンが活動するとことで起こるドーパミンの放出は、投射先の神経細胞のシナプス強度を調節する<ref><pubmed> 12371508 </pubmed></ref><ref><pubmed> 17367873 </pubmed></ref | ドーパミンニューロンが活動するとことで起こるドーパミンの放出は、投射先の神経細胞のシナプス強度を調節する<ref><pubmed> 12371508 </pubmed></ref><ref><pubmed> 17367873 </pubmed></ref><ref><pubmed> 25258080</pubmed></ref>。実際、ドーパミンニューロンは、前述の報酬予期にかかわる活動が報告されている脳領域の多くに投射しており<ref name=hikosaka2006 /><ref name=schultz2006 />、このため報酬予測誤差を反映したドーパミンニューロンの活動が学習信号となって、報酬予期の神経活動が調節されていると考えらえている。 | ||
近年では、前述の報酬予測に関連した活動が見られる線条体でも、報酬予測誤差を反映する神経活動が報告されている<ref name=oyama2010 />。また、手綱外側核では、ドーパミンニューロンとは逆に報酬の欠知や嫌悪刺激など負の報酬予測誤差に関連する活動が報告されている<ref><pubmed> 17522629 </pubmed></ref> 。これらの神経活動もなんらかの形で報酬予測に関連する活動の調整に関与しているとみられるが、その詳細はまだわかっていない。さらに、報酬予測誤差が脳でどのように計算されるかという問題も今後の研究が待たれている<ref name=tsutsui />。 | 近年では、前述の報酬予測に関連した活動が見られる線条体でも、報酬予測誤差を反映する神経活動が報告されている<ref name=oyama2010 />。また、手綱外側核では、ドーパミンニューロンとは逆に報酬の欠知や嫌悪刺激など負の報酬予測誤差に関連する活動が報告されている<ref><pubmed> 17522629 </pubmed></ref> 。これらの神経活動もなんらかの形で報酬予測に関連する活動の調整に関与しているとみられるが、その詳細はまだわかっていない。さらに、報酬予測誤差が脳でどのように計算されるかという問題も今後の研究が待たれている<ref name=tsutsui />。 |
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