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Junko kurahashi (トーク | 投稿記録) 細 (→発生、可塑性) |
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視床軸索側からバレルを形成する要素として、視軸軸索のAC1 ([[CA2|Ca2]]+/calmodulin-activated type-I adenylyl cyclase)が[[AMPA]]受容体のトラフィッキングをコントロールすることによって、視床—大脳皮質細胞のシナプス結合の強化に必要であることが報告されている<ref><pubmed> 12897788</pubmed></ref> <ref><pubmed>25644422</pubmed></ref>。 | 視床軸索側からバレルを形成する要素として、視軸軸索のAC1 ([[CA2|Ca2]]+/calmodulin-activated type-I adenylyl cyclase)が[[AMPA]]受容体のトラフィッキングをコントロールすることによって、視床—大脳皮質細胞のシナプス結合の強化に必要であることが報告されている<ref><pubmed> 12897788</pubmed></ref> <ref><pubmed>25644422</pubmed></ref>。 | ||
バレルの形成に関わっている他の因子としては神経伝達物質である[[セロトニン]]も重要であることが報告されている。まずセロトニン分解酵素である[[モノアミン酸化酵素]]Aのノックアウトマウスでバレルの形成不全になる | バレルの形成に関わっている他の因子としては神経伝達物質である[[セロトニン]]も重要であることが報告されている。まずセロトニン分解酵素である[[モノアミン酸化酵素]]Aのノックアウトマウスでバレルの形成不全になる <ref><pubmed>8789945</pubmed></ref>。さらに、セロトニンを細胞に取り込むセロトニン輸送体のノックアウトマウスにおいてもバレルの形成が阻害されていたことから、大脳皮質でセロトニンの濃度が上昇するとバレルの形成が阻害されることが推測された <ref><pubmed> 9712661</pubmed></ref>。<br /> | ||
このことを裏付けるように、[[モノアミン]]酸化酵素Aのノックアウトマウスとセロトニン1B受容体のノックアウトマウスとを掛け合わせることにより,バレルの形成の異常は軽減されることも報告されている | このことを裏付けるように、[[モノアミン]]酸化酵素Aのノックアウトマウスとセロトニン1B受容体のノックアウトマウスとを掛け合わせることにより,バレルの形成の異常は軽減されることも報告されている <ref><pubmed>12351728</pubmed></ref>。以上のように、Nisslなどの染色で可視化できる細胞密度の違いによる“バレル構造“は視床軸索からの入力と大脳皮質細胞の神経活動の[[バランス]]、さらには細胞外セロトニン濃度の調節が必要である<ref><pubmed>11576673</pubmed></ref>。 | ||
バレル構造の形成には細胞が有棘星状細胞hollowを取り囲むように集まることとともに、有棘星状細胞の樹状突起がhollowに向けて伸長する必要がある。この樹状突起の形態変化に特異的に関わる因子が有棘星状細胞に発現しておりBtbd3、Sema7Aなどが報告されている | バレル構造の形成には細胞が有棘星状細胞hollowを取り囲むように集まることとともに、有棘星状細胞の樹状突起がhollowに向けて伸長する必要がある。この樹状突起の形態変化に特異的に関わる因子が有棘星状細胞に発現しておりBtbd3、Sema7Aなどが報告されている<ref><pubmed>25201975</pubmed></ref> <ref><pubmed>24179155</pubmed></ref>。 | ||
==参考文献== | ==参考文献== |