「色覚」の版間の差分

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4 バイト追加 、 2018年11月11日 (日)
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== 色弁別と色の見えの違い:多重モデル ==
== 色弁別と色の見えの違い:多重モデル ==
[File:Kuriki Fig.1.png|thumb '''図1. 色立体:色相、彩度、明度'''<br>著作権問題あり、オリジナルを作成予定]
[[File:Kuriki Fig.1.png|thumb '''図1. 色立体:色相、彩度、明度'''<br>著作権問題あり、オリジナルを作成予定]]
 


 写実的に絵画を描く場合に選択する絵の具の色彩は、色相や明るさ、鮮やかさを見た目と近づける。このように絵画的な色の知覚 (pictorial percept) のことを「[[色の見え]](color appearance)」と言う。色の見えは、色の種類を表す[[色相]](hue)、色みの鮮やかさを表す[[彩度]](saturation)、明るさを示す[[明度]](lightness/brightness)の3要素により表される('''図1''')。
 写実的に絵画を描く場合に選択する絵の具の色彩は、色相や明るさ、鮮やかさを見た目と近づける。このように絵画的な色の知覚 (pictorial percept) のことを「[[色の見え]](color appearance)」と言う。色の見えは、色の種類を表す[[色相]](hue)、色みの鮮やかさを表す[[彩度]](saturation)、明るさを示す[[明度]](lightness/brightness)の3要素により表される('''図1''')。
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[file:Kuriki Fig3.png|thumb '''図3:3錐体応答から反対色応答へ'''<br>三角形は上からL-, M-, S-錐体、円形は上から輝度、赤−緑、青−黄の反対色チャネルを表す。三角形と円の間の実線は興奮性の結合、破線は抑制性の結合を表している。]
[file:Kuriki Fig3.png|thumb '''図3:3錐体応答から反対色応答へ'''<br>三角形は上からL-, M-, S-錐体、円形は上から輝度、赤−緑、青−黄の反対色チャネルを表す。三角形と円の間の実線は興奮性の結合、破線は抑制性の結合を表している。]
[file:Kuriki Fig4.png|thumb '''図4:錐体応答空間'''横軸は図3の赤−緑チャネルの応答、縦軸は青−黄チャネルの応答に対応する。]
[file:Kuriki Fig4.png|thumb '''図4:錐体応答空間'''横軸は図3の赤−緑チャネルの応答、縦軸は青−黄チャネルの応答に対応する。]
 19世紀末から20世紀初頭にかけて対立する学説として存在した。物理学者の[[wj:トーマス・ヤング|Thomas Young]]、[[wj:ヘルマン・フォン・ヘルムホルツ|Hermann von Helmholtz]]は、3つの[[原色]](例えば赤、緑、青)の混合により任意の可視光と同じ見え方を作ることができる([[条件等色]]、metamerism)という現象観察の経験に基づく3色説を提案し、光に感受性を持つ細胞が3種類であると考えた(König, 1892)<ref>'''A. König'''<br>Die Grundempfindungen und ihre Intensitäts-Vertheilung im Spectrum<br>''Sitzungsberichte der Akademie der Wissenschaften zu Berlin'', 29 July 1886, 805–829. [http://www.iscc-archive.org/pdf/KonigTranslation.pdf 英訳版PDF]</ref>。この原理は現在のカラーディスプレイのほとんどが用いている色の表示方法と同一である。一方、生理学者・心理学者の[[w:Ewald Hering|Ewald Hering]]は、赤、緑、青、黄の4色の組み合わせにより任意の色を表現できる知覚的な経験則に基づき4色説を唱えた。赤-緑、あるいは青-黄は同時に知覚されないことから、赤-緑と青-黄を正-負の極性で表現する2軸が張る空間を考えると、任意の色相を表現できる事を提案した。
 19世紀末から20世紀初頭にかけて対立する学説として存在した。物理学者の[[wj:トーマス・ヤング|Thomas Young]]、[[wj:ヘルマン・フォン・ヘルムホルツ|Hermann von Helmholtz]]は、3つの[[原色]](例えば赤、緑、青)の混合により任意の可視光と同じ見え方を作ることができる([[条件等色]]、metamerism)という現象観察の経験に基づく3色説を提案し、光に感受性を持つ細胞が3種類であると考えた(König, 1892)<ref>'''A. König'''<br>Die Grundempfindungen und ihre Intensitäts-Vertheilung im Spectrum<br>''Sitzungsberichte der Akademie der Wissenschaften zu Berlin'', 29 July 1886, 805–829. [http://www.iscc-archive.org/pdf/KonigTranslation.pdf 英訳版PDF]</ref>。この原理は現在のカラーディスプレイのほとんどが用いている色の表示方法と同一である。一方、生理学者・心理学者の[[w:Ewald Hering|Ewald Hering]]は、赤、緑、青、黄の4色の組み合わせにより任意の色を表現できる知覚的な経験則に基づき4色説を唱えた。赤-緑、あるいは青-黄は同時に知覚されないことから、赤-緑と青-黄を正-負の極性で表現する2軸が張る空間を考えると、任意の色相を表現できる事を提案した。


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