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{{box|text= Parkin遺伝子は、常染色体性潜性(劣性)若年性パーキンソニズム(autosomal recessive-juvenile parkinsonism: AR-JP) の原因遺伝子である。Parkin遺伝子の正式名称はPRKNであり、PARK2とも表記される。遺伝子産物Parkinはユビキチン転移酵素(ユビキチンリガーゼ)であり、損傷したミトコンドリアを排除するミトコンドリアの品質管理に関与すると考えられている。一方、がん抑制遺伝子、らい菌の感受性遺伝子としても報告され、未解明の生理的機能も示唆される。}}
<div align="right"> 
<font size="+1">[https://researchmap.jp/yzimai 今居 譲]</font><br>
''順天堂大学医学研究科 パーキンソン病病態解明研究講座''<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2020年9月28日 原稿完成日:2020年X月X日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/kojiyamanaka 山中 宏二](名古屋大学 環境医学研究所 病態神経科学)<br>
</div>
 
英語名:parkin
{{box|text= Parkin(パーキン)遺伝子は、常染色体性潜性(劣性)若年性パーキンソニズム(autosomal recessive-juvenile parkinsonism: AR-JP) の原因遺伝子である。Parkin遺伝子の正式名称はPRKNであり、PARK2とも表記される。遺伝子産物Parkinはユビキチン転移酵素(ユビキチンリガーゼ)であり、損傷したミトコンドリアを排除するミトコンドリアの品質管理に関与すると考えられている。一方、がん抑制遺伝子、らい菌の感受性遺伝子としても報告され、未解明の生理的機能も示唆される。}}


==背景、歴史的推移==
==背景、歴史的推移==
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 Parkinタンパク質は基質タンパク質にユビキチンを転移するユビキチンリガーゼで、多くの病因変異でその活性が損なわれている<ref name=Shimura2000><pubmed>10888878</pubmed></ref><ref name=Imai2000><pubmed>10973942</pubmed></ref><ref name=Zhang2000><pubmed>11078524</pubmed></ref> 。これまでにユビキチン化基質候補として数多くのタンパク質が報告されている<ref name=Zhang2015><pubmed>26793099</pubmed></ref> 。
 Parkinタンパク質は基質タンパク質にユビキチンを転移するユビキチンリガーゼで、多くの病因変異でその活性が損なわれている<ref name=Shimura2000><pubmed>10888878</pubmed></ref><ref name=Imai2000><pubmed>10973942</pubmed></ref><ref name=Zhang2000><pubmed>11078524</pubmed></ref> 。これまでにユビキチン化基質候補として数多くのタンパク質が報告されている<ref name=Zhang2015><pubmed>26793099</pubmed></ref> 。


 2004年、PINK1(PTEN induced kinase 1; PARK6)が、常染色体性潜性若年性パーキンソン病原因遺伝子として同定された<ref name=Valente2004><pubmed>15087508</pubmed></ref> 。遺伝性若年性パーキンソン病のうち、PINK1変異はParkinに次いで頻度が高く、Parkinと臨床像は類似している<ref name=Kumazawa2008><pubmed>18541801</pubmed></ref> 。ショウジョウバエを用いた遺伝学的研究から、常染色体性潜性(劣性)若年性パーキンソン病原因遺伝子PINK1がParkinの上流因子であり、PINK1とParkinがミトコンドリアの機能維持に関与することが明らかとなった<ref name=Clark2006><pubmed>16672981</pubmed></ref><ref name=Park2006><pubmed>16672980</pubmed></ref><ref name=Yang2006><pubmed>16818890</pubmed></ref> 。その後、ヒト培養細胞を用いた研究から、PINK1がParkinをリン酸化し<ref name=Kondapalli2012><pubmed>22724072</pubmed></ref><ref name=Shiba-Fukushima2012><pubmed>23256036</pubmed></ref><ref name=Shiba-Fukushima2014a><pubmed>24901221</pubmed></ref>、協働して膜電位の低下したミトコンドリアを除去するマイトファジー(ミトコンドリアを対象とするオートファジー)に関与することが明らかになった(図1)<ref name=Narendra2008><pubmed>19029340</pubmed></ref><ref name=Narendra2010><pubmed>20126261</pubmed></ref><ref name=Matsuda2010><pubmed>20404107</pubmed></ref><ref name=Geisler2010><pubmed>20098416</pubmed></ref> 。
 2004年、PINK1(PTEN induced kinase 1; PARK6)が、常染色体性潜性若年性パーキンソン病原因遺伝子として同定された<ref name=Valente2004><pubmed>15087508</pubmed></ref> 。遺伝性若年性パーキンソン病のうち、PINK1変異はParkinに次いで頻度が高く、Parkinと臨床像は類似している<ref name=Kumazawa2008><pubmed>18541801</pubmed></ref> 。ショウジョウバエを用いた遺伝学的研究から、常染色体性潜性(劣性)若年性パーキンソン病原因遺伝子PINK1がParkinの上流因子であり、PINK1とParkinがミトコンドリアの機能維持に関与することが明らかとなった<ref name=Clark2006><pubmed>16672981</pubmed></ref><ref name=Park2006><pubmed>16672980</pubmed></ref><ref name=Yang2006><pubmed>16818890</pubmed></ref> 。その後、ヒト培養細胞を用いた研究から、PINK1がParkinをリン酸化し<ref name=Kondapalli2012><pubmed>22724072</pubmed></ref><ref name=Shiba-Fukushima2012><pubmed>23256036</pubmed></ref><ref name=Shiba-Fukushima2014a><pubmed>24901221</pubmed></ref>、協働して膜電位の低下したミトコンドリアを除去するマイトファジー(ミトコンドリアを対象とするオートファジー)に関与することが明らかになった('''図1''')<ref name=Narendra2008><pubmed>19029340</pubmed></ref><ref name=Narendra2010><pubmed>20126261</pubmed></ref><ref name=Matsuda2010><pubmed>20404107</pubmed></ref><ref name=Geisler2010><pubmed>20098416</pubmed></ref> 。
 
[[ファイル:Imai Parkin Fig2.jpg|サムネイル|'''図2. パーキンの構造''']]
[[ファイル:Imai Parkin Fig3.jpg|サムネイル|'''図3. パーキンの活性化に伴う立体構造の変化'''<br>]]
==構造==
==構造==
 ヒトParkinタンパク質は465 アミノ酸残基からなり、N末端のユビキチン様ドメイン(Ubl)、C末端に2つのRING fingerモチーフ(RING1, RING2)とIn-Between-RINGs (IBR)という構造をもつ(図2)。その後、UblとRNIG1-IBR-RING2の間に、RING様構造が見つかり、RING0(またはUPD; unique parkin domain)と呼ばれる<ref name=Hristova2009><pubmed>19339245</pubmed></ref> (図2)。Parkinは、RING-IBR-RINGドメインを有するRBR型ユビキチンリガーゼに分類され、同様の構造をもヒトユビキチンリガーゼに、HOIL-1, HHARI, DORFINがある。タンパク質の全体構造は2013-2015年に解かれ、コンパクトに折り畳まれた状態であることが明らかとなった<ref name=Trempe2013><pubmed>23661642</pubmed></ref><ref name=Wauer2015><pubmed>26161729</pubmed></ref> (図3)。
 ヒトParkinタンパク質は465 アミノ酸残基からなり、N末端のユビキチン様ドメイン(Ubl)、C末端に2つのRING fingerモチーフ(RING1, RING2)とIn-Between-RINGs (IBR)という構造をもつ('''図2''')。その後、UblとRNIG1-IBR-RING2の間に、RING様構造が見つかり、RING0(またはUPD; unique parkin domain)と呼ばれる<ref name=Hristova2009><pubmed>19339245</pubmed></ref> ('''図2''')。Parkinは、RING-IBR-RINGドメインを有するRBR型ユビキチンリガーゼに分類され、同様の構造をもヒトユビキチンリガーゼに、HOIL-1, HHARI, DORFINがある。タンパク質の全体構造は2013-2015年に解かれ、コンパクトに折り畳まれた状態であることが明らかとなった<ref name=Trempe2013><pubmed>23661642</pubmed></ref><ref name=Wauer2015><pubmed>26161729</pubmed></ref>('''図3''')。


==活性化機構==
==活性化機構==
 コンパクトに折り畳まれたParkinは、活性中心がマスクされ不活性型である。Parkinの活性化は2つのステップで起こる。1段階目として、PINK1によってSer65がリン酸化されたユビキチン<ref name=Kane2014><pubmed>24751536</pubmed></ref><ref name=Kazlauskaite2014><pubmed>24660806</pubmed></ref><ref name=Koyano2014><pubmed>24784582</pubmed></ref> がParkinのリン酸基結合ポケットに結合し、Ublのリン酸化サイト(Ser65)が露出する。2段階目に、露出したUblのSer65がPINK1によりリン酸化され、リン酸化UblがRING0/UPDに結合することで、RING2にある活性中心とRING1にあるユビキチン結合酵素(E2)結合部位が安定的に露出する<ref name=Wauer2015><pubmed>26161729</pubmed></ref> (図3)。
 コンパクトに折り畳まれたParkinは、活性中心がマスクされ不活性型である。Parkinの活性化は2つのステップで起こる。1段階目として、PINK1によってSer65がリン酸化されたユビキチン<ref name=Kane2014><pubmed>24751536</pubmed></ref><ref name=Kazlauskaite2014><pubmed>24660806</pubmed></ref><ref name=Koyano2014><pubmed>24784582</pubmed></ref> がParkinのリン酸基結合ポケットに結合し、Ublのリン酸化サイト(Ser65)が露出する。2段階目に、露出したUblのSer65がPINK1によりリン酸化され、リン酸化UblがRING0/UPDに結合することで、RING2にある活性中心とRING1にあるユビキチン結合酵素(E2)結合部位が安定的に露出する<ref name=Wauer2015><pubmed>26161729</pubmed></ref>('''図3''')。
 
[[ファイル:Imai Parkin Fig4.jpg|サムネイル|'''図4. Pink1によるパーキンのリン酸化'''<br>]]
==発現==
==発現==
 ヒトParkin mRNAはユビキタスに発現しているが、筋組織、腎臓、脳で比較的高発現をしている<ref name=Kitada1998><pubmed>9560156</pubmed></ref><ref name=Uhlen2015><pubmed>25613900</pubmed></ref> 。哺乳類ゲノムにおいて、PRKNはPACRG (Parkin co-regulated gene)と双方向プロモーターを共有する<ref name=West2003><pubmed>12547187</pubmed></ref> 。Parkinの発現を制御する転写因子として、N-myc <ref name=West2004><pubmed>15078880</pubmed></ref> , p53 <ref name=Zhang2011><pubmed>21930938</pubmed></ref> , ATF4 <ref name=Bouman2011><pubmed>21113145</pubmed></ref> が報告されている。小胞体ストレス・ミトコンドリアストレス <ref name=Imai2000><pubmed>10973942</pubmed></ref><ref name=Bouman2011><pubmed>21113145</pubmed></ref><ref name=Wang2007><pubmed>17465879</pubmed></ref> 、成長因子・栄養制限 <ref name=Klinkenberg2012><pubmed>22028146</pubmed></ref> などの環境要因でも発現上昇が見られる。
 ヒトParkin mRNAはユビキタスに発現しているが、筋組織、腎臓、脳で比較的高発現をしている<ref name=Kitada1998><pubmed>9560156</pubmed></ref><ref name=Uhlen2015><pubmed>25613900</pubmed></ref> 。哺乳類ゲノムにおいて、PRKNはPACRG (Parkin co-regulated gene)と双方向プロモーターを共有する<ref name=West2003><pubmed>12547187</pubmed></ref> 。Parkinの発現を制御する転写因子として、N-myc <ref name=West2004><pubmed>15078880</pubmed></ref> , p53 <ref name=Zhang2011><pubmed>21930938</pubmed></ref> , ATF4 <ref name=Bouman2011><pubmed>21113145</pubmed></ref> が報告されている。小胞体ストレス・ミトコンドリアストレス <ref name=Imai2000><pubmed>10973942</pubmed></ref><ref name=Bouman2011><pubmed>21113145</pubmed></ref><ref name=Wang2007><pubmed>17465879</pubmed></ref> 、成長因子・栄養制限 <ref name=Klinkenberg2012><pubmed>22028146</pubmed></ref> などの環境要因でも発現上昇が見られる。


 哺乳類細胞内では主に細胞質に局在するが、PINK1の活性化に伴って、ミトコンドリアへの集積が見られる<ref name=Narendra2010><pubmed>20126261</pubmed></ref><ref name=Matsuda2010><pubmed>20404107</pubmed></ref> 。PINK1によるParkinのミトコンドリアへの集積の分子メカニズムは、2014-2015年に明らかされた(図4)<ref name=Ordureau2014><pubmed>25284222</pubmed></ref><ref name=Shiba-Fukushima2014b><pubmed>25474007</pubmed></ref><ref name=Okatsu2015><pubmed>25609704</pubmed></ref> 。
 哺乳類細胞内では主に細胞質に局在するが、PINK1の活性化に伴って、ミトコンドリアへの集積が見られる<ref name=Narendra2010><pubmed>20126261</pubmed></ref><ref name=Matsuda2010><pubmed>20404107</pubmed></ref> 。PINK1によるParkinのミトコンドリアへの集積の分子メカニズムは、2014-2015年に明らかされた('''図4''')<ref name=Ordureau2014><pubmed>25284222</pubmed></ref><ref name=Shiba-Fukushima2014b><pubmed>25474007</pubmed></ref><ref name=Okatsu2015><pubmed>25609704</pubmed></ref> 。


==機能==
==機能==
[[ファイル:Imai Parkin Fig5.jpg|サムネイル|'''図5. Pink1XXXXXX'''<br>XXXXXX。]]


===不良(不要)ミトコンドリアのマイトファジー===
===不良(不要)ミトコンドリアのマイトファジー===
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 生理的なミトコンドリア排除へのParkinの関与も報告されている。寒冷暴露に応じて発達するベージュ脂肪細胞は、熱産生のためにミトコンドリアが豊富である。しかし寒冷ストレスがなくなると、脂肪滴貯蔵のためミトコンドリアが少ない白色脂肪細胞へと変化する。ベージュ脂肪細胞の白色脂肪細胞化の際に不要となったミトコンドリアがParkinによって除去される<ref name=Lu2018><pubmed>29692364</pubmed></ref> 。
 生理的なミトコンドリア排除へのParkinの関与も報告されている。寒冷暴露に応じて発達するベージュ脂肪細胞は、熱産生のためにミトコンドリアが豊富である。しかし寒冷ストレスがなくなると、脂肪滴貯蔵のためミトコンドリアが少ない白色脂肪細胞へと変化する。ベージュ脂肪細胞の白色脂肪細胞化の際に不要となったミトコンドリアがParkinによって除去される<ref name=Lu2018><pubmed>29692364</pubmed></ref> 。
 
[[ファイル:Imai Parkin Fig6.jpg|サムネイル|'''図6. Pink1XXXXXX'''<br>XXXXXX。]]
===ミトコンドリア輸送制御===
===ミトコンドリア輸送制御===
 ミトコンドリア外膜Rho-GTPase, Miro (哺乳類ではMiro 1とMiro 2がある)は、キネシンタンパク質KIF5と協働して、微小管を介したミトコンドリアの順行輸送に関与する<ref name=Wang2011><pubmed>22078885</pubmed></ref><ref name=Liu2012><pubmed>22396657</pubmed></ref> 。神経細胞においては、神経軸索、前シナプスへのミトコンドリア供給機構として重要である。MiroがPINK1-Parkinによりユビキチン化、プロテアソーム経路での分解を受けることにより、ミトコンドリア輸送が停止する<ref name=Wang2011><pubmed>22078885</pubmed></ref><ref name=Liu2012><pubmed>22396657</pubmed></ref> 。その生理的意義として、不良ミトコンドリアを神経終末へ輸送しないミトコンドリア品質管理と考えられる(図6)。
 ミトコンドリア外膜Rho-GTPase, Miro (哺乳類ではMiro 1とMiro 2がある)は、キネシンタンパク質KIF5と協働して、微小管を介したミトコンドリアの順行輸送に関与する<ref name=Wang2011><pubmed>22078885</pubmed></ref><ref name=Liu2012><pubmed>22396657</pubmed></ref> 。神経細胞においては、神経軸索、前シナプスへのミトコンドリア供給機構として重要である。MiroがPINK1-Parkinによりユビキチン化、プロテアソーム経路での分解を受けることにより、ミトコンドリア輸送が停止する<ref name=Wang2011><pubmed>22078885</pubmed></ref><ref name=Liu2012><pubmed>22396657</pubmed></ref> 。その生理的意義として、不良ミトコンドリアを神経終末へ輸送しないミトコンドリア品質管理と考えられる('''図6''')。


===ゼノファジーへの関与===
===ゼノファジーへの関与===
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 PRKNのホモ接合性変異、複合ヘテロ接合性変異で、若年発症のパーキンソン病を発症する。ヘテロ接合性変異により、パーキンソン病を晩発で発症する例も見られる<ref name=Klein2007><pubmed>17582365</pubmed></ref> 。PRKNの病因変異やレアバリアントの報告は、世界中で多数あり、以下のデータベースで検索できる。
 PRKNのホモ接合性変異、複合ヘテロ接合性変異で、若年発症のパーキンソン病を発症する。ヘテロ接合性変異により、パーキンソン病を晩発で発症する例も見られる<ref name=Klein2007><pubmed>17582365</pubmed></ref> 。PRKNの病因変異やレアバリアントの報告は、世界中で多数あり、以下のデータベースで検索できる。


[https://www.mdsgene.org/d/1/g/4 MDS gene の Parkin]
* [https://www.mdsgene.org/d/1/g/4 MDS gene の Parkin]
 
* [https://databases.lovd.nl/shared/variants/PARK2/unique LOVD の  PARK2]
[https://databases.lovd.nl/shared/variants/PARK2/unique LOVD の  PARK2]


バリアントデータベースとして以下も利用できる。
バリアントデータベースとして以下も利用できる。


[https://www.ncbi.nlm.nih.gov/clinvar/ ClinVar]
* [https://www.ncbi.nlm.nih.gov/clinvar/ ClinVar]
 
* [http://www.hgmd.cf.ac.uk/ac/index.php HGMD(有料)]
[http://www.hgmd.cf.ac.uk/ac/index.php HGMD(有料)]
* [https://decipher.sanger.ac.uk/browser DECIPHER Genome Browser]
 
[https://decipher.sanger.ac.uk/browser DECIPHER Genome Browser]


 PRKNミスセンス病因変異・レアバリアントとタンパク質の安定性・マイトファジーとの相関を培養細胞で調べた研究がある<ref name=Yi2019><pubmed>30994895</pubmed></ref> 。病態が比較的重篤なミスセンス病因変異は、すべてマイトファジー活性が50%以下に低下していた。しかし、病態が軽度・病態への意義が不明なミスセンス病因変異・レアバリアントでは、マイトファジーへの影響がほとんどなく、まれに亢進しているものも観察された。ユビキチンリガーゼ活性やタンパク質の安定性に影響しない病因変異については、不活性状態を解くアミノ酸への置換(REPを不安定化させるF146AやW403A、図3参照)の導入により、マイトファジー活性が戻ることが示された。この観察は、Parkinの不活性状態を解く化合物がパーキンソン病の疾患修飾薬となる可能性を示唆している。
 PRKNミスセンス病因変異・レアバリアントとタンパク質の安定性・マイトファジーとの相関を培養細胞で調べた研究がある<ref name=Yi2019><pubmed>30994895</pubmed></ref> 。病態が比較的重篤なミスセンス病因変異は、すべてマイトファジー活性が50%以下に低下していた。しかし、病態が軽度・病態への意義が不明なミスセンス病因変異・レアバリアントでは、マイトファジーへの影響がほとんどなく、まれに亢進しているものも観察された。ユビキチンリガーゼ活性やタンパク質の安定性に影響しない病因変異については、不活性状態を解くアミノ酸への置換(REPを不安定化させるF146AやW403A、図3参照)の導入により、マイトファジー活性が戻ることが示された。この観察は、Parkinの不活性状態を解く化合物がパーキンソン病の疾患修飾薬となる可能性を示唆している。

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