「重症筋無力症」の版間の差分

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 2012年に行われた国内11施設による多施設共同研究では、本邦の経口ステロイドの投与方法による有効性や副作用発現の差異が明らかになった。本研究によると、経口ステロイド治療にあまり反応しない群において中等量以上の経口ステロイドを長期連用しても病状の好転が見込めないばかりか、副作用のために日常生活動作を阻害する懸念があると考えられた<ref name=Imai2015><pubmed>25155615</pubmed></ref>[42]。
 2012年に行われた国内11施設による多施設共同研究では、本邦の経口ステロイドの投与方法による有効性や副作用発現の差異が明らかになった。本研究によると、経口ステロイド治療にあまり反応しない群において中等量以上の経口ステロイドを長期連用しても病状の好転が見込めないばかりか、副作用のために日常生活動作を阻害する懸念があると考えられた<ref name=Imai2015><pubmed>25155615</pubmed></ref>[42]。


 2015年に行われた国内13施設による多施設共同研究でも、高用量の経口ステロイドを重視する治療よりも、経口ステロイドは低用量にとどめ、早期からFK506などのカルシニューリン阻害薬を併用したり、早期から速効性のある血液浄化療法、免疫グロブリン静注療法、ステロイドパルス療法を組み合わせる早期速効性治療戦略(early fast-acting treatment strategy:EFT)の方が5mgMMをより早期に達成でき、しかも2年後あるいは3年後の予後も改善することが明らかになった<ref name=Imai2015><pubmed>25155615</pubmed></ref>[43]。
 2015年に行われた国内13施設による多施設共同研究でも、高用量の経口ステロイドを重視する治療よりも、経口ステロイドは低用量にとどめ、早期からFK506などのカルシニューリン阻害薬を併用したり、早期から速効性のある血液浄化療法、免疫グロブリン静注療法、ステロイドパルス療法を組み合わせる早期速効性治療戦略(early fast-acting treatment strategy:EFT)の方が5mgMMをより早期に達成でき、しかも2年後あるいは3年後の予後も改善することが明らかになった<ref name=Imai2018><pubmed>29175893</pubmed></ref>[43]。


 新ガイドラインでも、早期速効性治療戦略によって、重症筋無力症症状の早期改善と経口ステロイド量の抑制を図ることが成人発症全身型重症筋無力症治療指針として推奨されると思われる<ref name=Imai2020><pubmed>32982912</pubmed></ref>[44]。
 新ガイドラインでも、早期速効性治療戦略によって、重症筋無力症症状の早期改善と経口ステロイド量の抑制を図ることが成人発症全身型重症筋無力症治療指針として推奨されると思われる<ref name=Imai2020><pubmed>32982912</pubmed></ref>[44]。

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