「抗精神病薬」の版間の差分

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<font size="+1">宮本 聖也</font><br>
<font size="+1">宮本 聖也</font><br>
''聖マリアンナ医科大学 神経精神科学教室''<br>
''社会福祉法人 桜ヶ丘社会事業協会 桜ヶ丘記念病院''<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2012年4月11日 原稿完成日:2012年5月19日<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2012年4月11日 原稿完成日:2012年5月19日 一部改訂:2021年6月7日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/tadafumikato 加藤 忠史](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/tadafumikato 加藤 忠史](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br>
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 本邦では2006年にD<sub>2</sub>受容体[[部分作動薬]]の[[アリピプラゾール]]([[aripiprazole]])が、2008年に[[ブロナンセリン]](blonanserin)、2009年にクロザピン、2011年にリスペリドンの主要活性代謝産物である[[パリペリドン]]([[paliperidone]])、2016年に[[アセナピン]](asenapine)、2018年に2番目のD<sub>2</sub>受容体部分作動薬の[[ブレクスピプラゾール]]([[brexpiprazole]])、2020年に[[ルラシドン]]([[lurasidone]])が上市され、2021年7月現在11種類の第2世代抗精神病薬が統合失調症の薬物治療の中心となっている。特に、アリピプラゾールやブレクスピプラゾールといったD<sub>2</sub>受容体部分作動薬は、第1世代抗精神病薬や第2世代抗精神病薬とは異なる機序でドーパミン伝達の安定化作用を有しているため、第3世代抗精神病薬 (Third-Generation Antipsychotics)と位置付ける研究者もいる。
 本邦では2006年にD<sub>2</sub>受容体[[部分作動薬]]の[[アリピプラゾール]]([[aripiprazole]])が、2008年に[[ブロナンセリン]](blonanserin)、2009年にクロザピン、2011年にリスペリドンの主要活性代謝産物である[[パリペリドン]]([[paliperidone]])、2016年に[[アセナピン]](asenapine)、2018年に2番目のD<sub>2</sub>受容体部分作動薬の[[ブレクスピプラゾール]]([[brexpiprazole]])、2020年に[[ルラシドン]]([[lurasidone]])が上市され、2021年7月現在11種類の第2世代抗精神病薬が統合失調症の薬物治療の中心となっている。特に、アリピプラゾールやブレクスピプラゾールといったD<sub>2</sub>受容体部分作動薬は、第1世代抗精神病薬や第2世代抗精神病薬とは異なる機序でドーパミン伝達の安定化作用を有しているため、第3世代抗精神病薬 (Third-Generation Antipsychotics)と位置付ける研究者もいる。


 なお欧州神経精神薬理学会が中心となり、現在までの神経科学の知見に基づいた向精神薬の新しい国際的分類法である多軸命名法(Neuroscienc-based Nonmenclature: NbN)が提唱されており、抗精神病薬の分類もNbNに準拠すべきであるという最近の流れがある<ref name=ref2>European College of Neuropsychopharmacology (ECNP): Neuroscience-based Nomenclature (https://nbnomenclature.org/)</ref>。
 なお欧州神経精神薬理学会が中心となり、現在までの神経科学の知見に基づいた向精神薬の新しい国際的分類法である多軸命名法(Neuroscienc-based Nonmenclature: NbN)が提唱されており、抗精神病薬の分類もNbNに準拠すべきであるという最近の流れがある<ref name=ECNP'''>European College of Neuropsychopharmacology (ECNP)''': Neuroscience-based Nomenclature (https://nbnomenclature.org/)</ref>。


== 対象疾患  ==
== 対象疾患  ==

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