「注意欠如・多動性障害」の版間の差分

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 症状の組み合わせから、不注意、多動性―衝動性の両方とも基準を満たす場合(混合して存在)、不注意のみ基準を満たす場合(不注意優勢に存在)、多動性―衝動性のみ基準を満たす場合(多動・衝動優勢に存在)がある。経過中で、異なる存在に変わることもある。
 症状の組み合わせから、不注意、多動性―衝動性の両方とも基準を満たす場合(混合して存在)、不注意のみ基準を満たす場合(不注意優勢に存在)、多動性―衝動性のみ基準を満たす場合(多動・衝動優勢に存在)がある。経過中で、異なる存在に変わることもある。


==併発症==
==併存症==
 ADHDには様々な精神疾患が併発することがよく知られている。併発症を、行動障害群、情緒的障害群、神経性習癖群、発達障害群と4群に分けることが、日本の診断・治療ガイドラインで提案されている<ref name=ref8>'''齊藤万比古、渡部京太(編集)'''<br>第3版 注意欠如・多動性障害―ADHD―の診断・治療ガイドライン<br>''じほう'' 2008.</ref>。
 ADHDには様々な精神疾患が併存することがよく知られている。併存症を、[[行動障害]]群、[[情緒的障害]]群、[[神経性習癖]]群、[[神経発達症]]群、[[反応性アタッチメント障害]]と[[脱抑制型対人交流障害]]、[[睡眠-覚醒障害]]群、[[パーソナリティ障害]]群と7疾患群に分けることが、日本の診断・治療ガイドラインで提案されている<ref name=ref8>'''齊藤万比古、渡部京太(編集)'''<br>注意欠如・多動性症―ADHD―の診断・治療ガイドライン 第4版<br>''じほう'' 2016.</ref>。


*行動障害群とは、攻撃行動で代表されるように、行動として外側から見える問題を示すものである。[[反抗挑戦症]]や[[素行症]]などが該当する。
*行動障害群とは、攻撃行動で代表されるように、行動として外側から見える問題を示すものである。[[反抗挑発症]]や[[素行症]]などが該当する。
*情緒的障害群とは、[[不安]]や[[うつ]]で代表されるように、こころの内側の問題を示すものである。[[不安症]][[気分障害]][[適応障害]]などが該当する。
*情緒的障害群とは、[[不安]]や[[うつ]]で代表されるように、こころの内側の問題を示すものである。[[不安症]]群、[[強迫症]]および関連症群、[[抑うつ障害]]群などが該当する。
*神経習癖群は、繰り返されることで身について固定された行動である習癖で特徴づけられる。[[夜尿症]]を中心とする[[排泄障害]]、[[睡眠障害]]、[[チック症]]などが含まれる。なお、チック症はDSM-5ではADHDと同様に神経発達症群に含まれるようになったので、発達障害群に含めてもよいかもしれない。
*神経性習癖群は、繰り返されることで身について固定された行動である習癖で特徴づけられる。[[夜尿症]]を中心とする[[排泄障害]]、[[睡眠障害]]、[[チック症]]などが含まれる。なお、チック症はDSM-5ではADHDと同様に神経発達症群に含まれるようになったので、発達障害群に含めてもよいかもしれない。
*発達障害群には、[[限局的学習症]]、[[発達性協調運動症]]に加えて、ASDも含まれる。
*神経発達症群には、[[ASD]]、[[知的能力障害]]、[[限局性学習症]]、[[発達性協調運動症]]に加えて、[[チック症]]群も含まれる。
* 反応性アタッチメント障害と脱抑制型対人交流障害には、疾患の水準に達していない[[アタッチメント]]の問題も含めて考えることが有意義とされる。
* 睡眠-覚醒障害群には、[[睡眠時無呼吸症候群]]、[[むずむず脚症候群]]、[[ナルコレプシー]]などが含まれる。
* パーソナリティ障害群には、[[境界性パーソナリティ障害]]、[[反社会性パーソナリティ障害]]などが含まれる。


 複数の併発症を有する場合も稀ではない。
 複数の併存症を有する場合も稀ではない。


==経過・予後==
==経過・予後==

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