16,040
回編集
細 (→構造) |
|||
12行目: | 12行目: | ||
== 構造 == | == 構造 == | ||
[[ファイル:Tsumoto LGN Fig1.gif|サムネイル|'''図1. ヒト外側膝状体(赤)'''<br>BodyParts3D/Anatomographyによる。CC表示 継承2.1 日本。]] | |||
===肉眼解剖=== | ===肉眼解剖=== | ||
哺乳類脳の視床の後部(尾側)外側(耳側)に張り出している神経細胞の集まり(核)で、名称はこの細胞集団の形状が膝状に折れ曲がっていることに由来する('''図1''')。背側に大きく張り出している背側核 (lateral geniculate nucleus dorsal nucleus, 以下LGNdと略)と腹側に位置する比較的小さな腹側核 (lateral geniculate nucleus ventral nucleus, 以下LGNvと略)に別れる。 | |||
===入出力=== | ===入出力=== | ||
LGNdは哺乳類では層状構造を示すことが知られているが層の数や細胞構成は動物種によって大きく異なる<ref name=Jones2007>'''E.G. Jones, Ed (2007).'''<br>The Thalamus. Second Edition, Vol. II Part IV. Individual Thalamic Nuclei, 9. The lateral geniculate nucleus. Cambridge University Press, New York.</ref>[1]。研究が進んでいる多くの霊長類では6層構造を示し第1、4、6層は反対側の網膜から、第2、3、5層は同側の網膜から入力を受ける(''' | LGNdは哺乳類では層状構造を示すことが知られているが層の数や細胞構成は動物種によって大きく異なる<ref name=Jones2007>'''E.G. Jones, Ed (2007).'''<br>The Thalamus. Second Edition, Vol. II Part IV. Individual Thalamic Nuclei, 9. The lateral geniculate nucleus. Cambridge University Press, New York.</ref>[1]。研究が進んでいる多くの霊長類では6層構造を示し第1、4、6層は反対側の網膜から、第2、3、5層は同側の網膜から入力を受ける('''図2''')。 | ||
[[ファイル:Lateral geniculate nucleus.png|サムネイル|''' | [[ファイル:Lateral geniculate nucleus.png|サムネイル|'''図2. 霊長類LGNdの層構造<br>'''右下の弧状、影付き部分は単眼視領域 (monocular region) を示す。Wikipediaより。]] | ||
同様に多くの研究が行われているネコでは3層構造で第1層と第3層が反対側網膜から、第2層が同側網膜から入力を受ける。第1層はA層、第2層はA1層、第3層はC層と呼ばれる。その腹側部にはさらにC1, C2層と呼ばれる亜層が存在する。一方、ラットやマウスなど夜行性齧歯目動物では視床の背外側部に顕著な張り出し無しに帯状に存在し、層構造は明瞭ではない。ただ、トレーサーなどを使った研究によると外側部分は対側眼から入力を受けるが、中間層の一部には同側眼から入力を受ける部分があるという隠れた層構造がみられる。リスなど、齧歯目でも昼行性の比較的視覚の発達した動物ではより明瞭な層構造が見られる。 | 同様に多くの研究が行われているネコでは3層構造で第1層と第3層が反対側網膜から、第2層が同側網膜から入力を受ける。第1層はA層、第2層はA1層、第3層はC層と呼ばれる。その腹側部にはさらにC1, C2層と呼ばれる亜層が存在する。一方、ラットやマウスなど夜行性齧歯目動物では視床の背外側部に顕著な張り出し無しに帯状に存在し、層構造は明瞭ではない。ただ、トレーサーなどを使った研究によると外側部分は対側眼から入力を受けるが、中間層の一部には同側眼から入力を受ける部分があるという隠れた層構造がみられる。リスなど、齧歯目でも昼行性の比較的視覚の発達した動物ではより明瞭な層構造が見られる。 |