「Adenomatous polyposis coli」の版間の差分

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 Apcはヒトの第5染色体長腕(5q21-22)に位置する<ref name=Goss2000><pubmed>10784639</pubmed></ref><ref name=vanEs2001><pubmed>11237529</pubmed></ref><ref name=Fearnhead2001><pubmed>11257105</pubmed></ref>。遺伝子の全長は100kb以上と推定され、8.5kbの[[mRNA]]を経てAPCタンパク質をコードする。Apc遺伝子の[[エキソン]]数は15('''図1'''、上)。最後のエキソン15は非常に長く、C末端領域をほぼすべてコードしている。そのエキソン15の中央付近に変異の多くが集中している(Mutation Cluster Region: MCR)。
 Apcはヒトの第5染色体長腕(5q21-22)に位置する<ref name=Goss2000><pubmed>10784639</pubmed></ref><ref name=vanEs2001><pubmed>11237529</pubmed></ref><ref name=Fearnhead2001><pubmed>11257105</pubmed></ref>。遺伝子の全長は100kb以上と推定され、8.5kbの[[mRNA]]を経てAPCタンパク質をコードする。Apc遺伝子の[[エキソン]]数は15('''図1'''、上)。最後のエキソン15は非常に長く、C末端領域をほぼすべてコードしている。そのエキソン15の中央付近に変異の多くが集中している(Mutation Cluster Region: MCR)。


 APCはアミノ酸2,843個、分子量310kDaの巨大タンパク質である<ref name=Goss2000><pubmed>10784639</pubmed></ref><ref name=Hanson2005><pubmed>16185824</pubmed></ref><ref name=vanEs2001><pubmed>11237529</pubmed></ref><ref name=Fearnhead2001><pubmed>11257105</pubmed></ref>('''図1'''、下)。N末端のヘプタッドリピート構造は、APC分子をオリゴマー化するのに必要である。分子中央部には、Wnt系の中心となるタンパク質である[[βカテニン]]との結合部位がある。APC分子のC末端側には[[微小管]]や[[微小管調節タンパク質]]である[[EB-1]]との結合部位があり、さらに、神経系で高発現する[[PSD-95]]や細胞接着に関係する[[SAP97]]<ref name=Matsumine1996><pubmed>8638125</pubmed></ref>。
 APCはアミノ酸2,843個、分子量310kDaの巨大タンパク質である<ref name=Goss2000><pubmed>10784639</pubmed></ref><ref name=Hanson2005><pubmed>16185824</pubmed></ref><ref name=vanEs2001><pubmed>11237529</pubmed></ref><ref name=Fearnhead2001><pubmed>11257105</pubmed></ref>('''図1'''、下)。N末端のヘプタッドリピート構造は、APC分子をオリゴマー化するのに必要である。分子中央部には、Wnt系の中心となるタンパク質である[[βカテニン]]との結合部位がある。APC分子のC末端側には[[微小管]]や[[微小管調節タンパク質]]である[[EB-1]]との結合部位があり、さらに、神経系で高発現する[[PSD-95]]や細胞接着に関係する[[SAP97]]との結合部位がある<ref name=Matsumine1996><pubmed>8638125</pubmed></ref>。


== 類似タンパク質 ==
== 類似タンパク質 ==