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==分解基質の輸送経路== | ==分解基質の輸送経路== | ||
リソソームで分解される基質は、主にエンドサイトーシス、オートファジーの2つの経路でリソソームに運ばれる(図)。 | |||
===エンドサイトーシス=== | |||
細胞外成分や細胞膜成分などは、エンドサイトーシスの飲作用(ピノサイト―シス)によって取り込まれ、初期エンドソーム、後期エンドソームを経て、リソソームで分解される。細胞外病原体、異物、アポトーシス細胞などは、エンドサイトーシスの食作用(ファゴサイトーシス)によってファゴソームに取り込まれ、リソソームと融合し、ファゴリソソーム内で分解される。 | |||
===オートファジー=== | |||
サイトゾル成分、細胞小器官(ミトコンドリア、ペルオキシソームなど)、細胞内病原体などは、マクロオートファジーによってオートファゴソームに取り込まれ、リソソームと融合し、オートファゴリソソーム内で分解される。 | |||
シャペロン介在性オートファジーは、可溶性サイトゾルタンパク質がリソソーム膜を直接透過して内腔へ輸送される経路であり、哺乳類細胞で報告されている。この経路では、KFEQRモチーフを持つ基質タンパク質(GAPDHなど)が細胞質に局在するシャペロン(Hsc70など)によって特異的に認識され、LAMP-2A(LAMP-2のスプライシングバリアントの一つ)を介してリソソーム内腔へ輸送される。 | シャペロン介在性オートファジーは、可溶性サイトゾルタンパク質がリソソーム膜を直接透過して内腔へ輸送される経路であり、哺乳類細胞で報告されている。この経路では、KFEQRモチーフを持つ基質タンパク質(GAPDHなど)が細胞質に局在するシャペロン(Hsc70など)によって特異的に認識され、LAMP-2A(LAMP-2のスプライシングバリアントの一つ)を介してリソソーム内腔へ輸送される。 | ||
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==リソソーム病== | ==リソソーム病== | ||
リソソーム病(ライソゾーム病、リソゾーム病、リソソーム蓄積症、lysosomal disease、lysosomal storage disease)は、リソソーム酵素の欠損や輸送障害によって発症する遺伝性疾患である。1963年にden Hersによってリソソーム病の概念が確立された[11]。リソソーム酵素が欠損すると、リソソーム内に未分解の基質(脂質やムコ多糖など)が大量に蓄積する。現在までに約60種類のリソソーム病が知られており、多くは劣性遺伝形式である。罹病率は出生5000-8000人あたり1人である[12] | リソソーム病(ライソゾーム病、リソゾーム病、リソソーム蓄積症、lysosomal disease、lysosomal storage disease)は、リソソーム酵素の欠損や輸送障害によって発症する遺伝性疾患である。1963年にden Hersによってリソソーム病の概念が確立された[11]。リソソーム酵素が欠損すると、リソソーム内に未分解の基質(脂質やムコ多糖など)が大量に蓄積する。現在までに約60種類のリソソーム病が知られており、多くは劣性遺伝形式である。罹病率は出生5000-8000人あたり1人である[12]。我が国では「ライソゾーム病」という名称で国の特定疾患(難病)に指定されている。リソソーム病は欠損酵素の種類、蓄積物質の種類、リソソームタンパク質の種類など様々なカテゴリーで分類されている。リソソームタンパク質の種類に基づいた分類[13]を表に示す。リソソーム病の症状は欠損酵素の種類によって異なるが、肝脾腫、骨変形、中枢神経障害(精神運動発達遅滞、痙攣など)、眼障害、腎障害、心不全などの様々な症状を呈する。治療法として一部の疾患で酵素補充療法、造血幹細胞移植などが行われている。 | ||
表 リソソーム病と原因遺伝子 | 表 リソソーム病と原因遺伝子 |
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