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Takeshiinoue (トーク | 投稿記録) 細 (ページの作成:「モノアミン系 英語名 monoamine system モノアミンとはドパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン、ヒスタミン...」) |
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ノルアドレナリンを神経伝達物質とする神経(ノルアドレナリン作動性神経)の細胞体は中枢神経系では主として橋中心灰白質内の青班核にあり、そこから脳全体に投射する。 | ノルアドレナリンを神経伝達物質とする神経(ノルアドレナリン作動性神経)の細胞体は中枢神経系では主として橋中心灰白質内の青班核にあり、そこから脳全体に投射する。 | ||
ノルアドレナリンはチロシンからドパミンを経由して合成される。チロシン水酸化酵素が律速段階で、ノルアドレナリン合成はノルアドレナリン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ノルアドレナリン受容体(自己受容体、α2アドレナリン受容体)刺激によって抑制される。ノルアドレナリンは[[モノアミン酸化酵素]](MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物である3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol (MHPG)まで代謝される。 | |||
ストレスなどのノルアドレナリン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのノルアドレナリン放出が促進され、細胞外ノルアドレナリン濃度は増加する。いったん放出されたノルアドレナリンはノルアドレナリン作動性神経の神経終末にあるノルアドレナリン・[[トランスポーター]](以前はノルアドレナリン取り込み部位と呼ばれていた)というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のノルアドレナリン濃度は調節されている。ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(ほとんどの三環系[[抗うつ薬]]、四環系抗うつ薬、SNRIのほか、2009年4月に注意欠陥/多動性障害ADHDの治療薬として承認されたatomoxetine)投与はほぼ全脳で細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。自己受容体であるα2アドレナリン受容体遮断は細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。 | |||
ノルアドレナリンとアドレナリンが作用する受容体はアドレナリン受容体と呼ばれる(なお、中枢神経系ではアドレナリン作動性神経はノルアドレナリン作動性神経に比べてはるかに数は少ない)。アドレナリン受容体のサブタイプはα1がA,B, Dの3種類、α2がA, B, Cの3種類、βが1,2,3の3種類あり、計9種類ある。そのうち、脳に多いのはα1A、α1B、α1D、α2A、α2C、β1といわれている。抗うつ薬服用によって増えた細胞外ノルアドレナリンがどの受容体サブタイプを介して抗うつ効果を惹起しているのかについてはまだわかっていない。 | ノルアドレナリンとアドレナリンが作用する受容体はアドレナリン受容体と呼ばれる(なお、中枢神経系ではアドレナリン作動性神経はノルアドレナリン作動性神経に比べてはるかに数は少ない)。アドレナリン受容体のサブタイプはα1がA,B, Dの3種類、α2がA, B, Cの3種類、βが1,2,3の3種類あり、計9種類ある。そのうち、脳に多いのはα1A、α1B、α1D、α2A、α2C、β1といわれている。抗うつ薬服用によって増えた細胞外ノルアドレナリンがどの受容体サブタイプを介して抗うつ効果を惹起しているのかについてはまだわかっていない。 | ||
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5-HT1A受容体の自己受容体を介したネガティブ・フィードバックのみならず、セロトニン作動性神経が投射する神経細胞にある5-HT1A受容体を介したlong-loopネガティブ・フィードバックによってもセロトニン作動性神経は調節されている。 | 5-HT1A受容体の自己受容体を介したネガティブ・フィードバックのみならず、セロトニン作動性神経が投射する神経細胞にある5-HT1A受容体を介したlong-loopネガティブ・フィードバックによってもセロトニン作動性神経は調節されている。 | ||
細胞外セロトニン濃度は異種受容体であるα2アドレナリン受容体による制御もうけており、α2アドレナリン受容体遮断薬のSSRIとの併用はセロトニン再取り込み阻害作用による細胞外セロトニン濃度増加作用を増強する。 | 細胞外セロトニン濃度は異種受容体であるα2アドレナリン受容体による制御もうけており、α2アドレナリン受容体遮断薬のSSRIとの併用はセロトニン再取り込み阻害作用による細胞外セロトニン濃度増加作用を増強する。 | ||
セロトニン受容体サブタイプはドパミン、アドレナリン受容体と比べてより多彩であり、1A、1B、1D、1E、1F、2A、2B、2C、3、4、5A、5B、6、7の14種類ある。 | |||
参考文献 | 参考文献 | ||
井上 猛、中川 伸、小山 司 (2009) 大うつ病性障害の薬理/抗うつ薬 .樋口輝彦,小山 司,神庭重信編,臨床精神薬理ハンドブック(第二版)、医学書院,pp158-178. | 井上 猛、中川 伸、小山 司 (2009) 大うつ病性障害の薬理/抗うつ薬 .樋口輝彦,小山 司,神庭重信編,臨床精神薬理ハンドブック(第二版)、医学書院,pp158-178. | ||
Cooper JR, Bloom FE, Roth RH (2003) The Biochemical Basis of Neuropharmacology, 8th ed. Oxford University Press, New York.(邦訳 神経薬理学、樋口宗史監訳、メディカル・サイエンス・インターナショナル、東京、2005) | Cooper JR, Bloom FE, Roth RH (2003) The Biochemical Basis of Neuropharmacology, 8th ed. Oxford University Press, New York.(邦訳 神経薬理学、樋口宗史監訳、メディカル・サイエンス・インターナショナル、東京、2005) | ||
(執筆者:井上 猛 担当編集委員:加藤忠史) | (執筆者:井上 猛 担当編集委員:加藤忠史) |
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