「符号化」の版間の差分

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== 符号化の心理学的概要  ==
== 符号化の心理学的概要  ==


 符号化(または記銘)は記憶の心理過程のひとつである.記憶は大きく分けて記銘・保持・想起の3つの過程から構成されていると考えられており,記銘は情報を取り込んで記憶情報として保持されるまでの「憶える」過程を指している.記銘は顕在的(記銘する意図がある:意図的記銘)にも潜在的(記銘する意図がない:偶発的記銘)にも起こるが,日常場面での記銘は,テスト勉強などの特殊な場合を除き,偶発的記銘が多い. 
 符号化(または記銘)は記憶の心理過程のひとつである.記憶は大きく分けて記銘・保持・想起の3つの過程から構成されていると考えられており,記銘は情報を取り込んで記憶情報として保持されるまでの「憶える」過程を指している.記銘は顕在的(記銘する意図がある:意図的記銘)にも潜在的(記銘する意図がない:偶発的記銘)にも起こるが,日常場面での記銘は,テスト勉強などの特殊な場合を除き,偶発的記銘が多い.   


 これまでの実験心理学的研究では,意図的な記銘と偶発的な記銘とで異なった記憶成績が現れることが報告されている.たとえばEstesとPolitoの研究<ref><pubmed>6065833</pubmed></ref>では,意図的に記銘された場合と偶発的に記銘された場合とで記憶成績を比較し,再生で記憶が評価された場合には意図的に記銘された記憶の方が偶発的に記銘された記憶よりも成績が良かったが,再認で評価された場合には意図的な記銘と偶発的な記銘との間に成績の差はなかったことが示された.詳細な記憶をより正確に記憶するためには,意図的な記銘の方が重要なのかもしれない.   
 これまでの実験心理学的研究では,意図的な記銘と偶発的な記銘とで異なった記憶成績が現れることが報告されている.たとえばEstesとPolitoの研究<ref><pubmed>6065833</pubmed></ref>では,意図的に記銘された場合と偶発的に記銘された場合とで記憶成績を比較し,再生で記憶が評価された場合には意図的に記銘された記憶の方が偶発的に記銘された記憶よりも成績が良かったが,再認で評価された場合には意図的な記銘と偶発的な記銘との間に成績の差はなかったことが示された.詳細な記憶をより正確に記憶するためには,意図的な記銘の方が重要なのかもしれない.   
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