「場所細胞」の版間の差分

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 McNaughtonらは、ラットが何度も走路を行き来すると、場所受容野が移動方向と逆方向に非対称に拡張されることを発見した(asymmetric expansion of place field) <ref><pubmed>9238078</pubmed></ref>。Wilsonらは、CA3からCA1へのフィードフォワードのシナプスが、[[スパイクタイミング依存可塑性]](spike timing dependent plasticity)に従いこの場所受容野の非対称拡張現象を起こしていると予測している<ref><pubmed>10774737</pubmed></ref>。  
 McNaughtonらは、ラットが何度も走路を行き来すると、場所受容野が移動方向と逆方向に非対称に拡張されることを発見した(asymmetric expansion of place field) <ref><pubmed>9238078</pubmed></ref>。Wilsonらは、CA3からCA1へのフィードフォワードのシナプスが、[[スパイクタイミング依存可塑性]](spike timing dependent plasticity)に従いこの場所受容野の非対称拡張現象を起こしていると予測している<ref><pubmed>10774737</pubmed></ref>。  


== 場所細胞群の発火パターンの再生(リプレイ)  ==
==発火パターンの再生==


 場所細胞の発火は、動物が走っているときに観察されるが、静止している睡眠時にも活動する。しかし、その発火パターンは場所に依存しない。1994年、WilsonとMcNaughtonは、覚醒時から睡眠時に渡って数十の場所細胞の活動を調べることにより、覚醒時に発火活動に相関のある場所細胞ペアは、睡眠時にも相関が強いことを発見した<ref><pubmed>8036517</pubmed></ref>。Wilsonらは、この研究を更に進展させて、数十の場所細胞の発火パターンが、ノンレム睡眠中、特に脳波に[[鋭波]](sharp wave/ripple)が観察されているときに、場所細胞が同じような発火パターンで再生(replay)されていることを発見した。発火パターンは時間軸上で数倍に圧縮されている。睡眠時だけではなく、覚醒時の不動状態の鋭波発生時にも覚醒運動時と同様な発火パターンが圧縮されて再生されることが報告されていたが、Wilsonらは逆向きに再生される発火パターン(reverse replay)も発見している。Dragoiと[[wikipedia:JA:利根川進|Tonegawa]]は、睡眠中に発生する場所細胞の発火パターンが、その後の未知の条件下で再生されるプリプレイ(preplay)という現象も報告している。  
 場所細胞の発火は、動物が走っているときに観察されるが、静止している睡眠時にも活動する。しかし、その発火パターンは場所に依存しない。1994年、WilsonとMcNaughtonは、覚醒時から睡眠時に渡って数十の場所細胞の活動を調べることにより、覚醒時に発火活動に相関のある場所細胞ペアは、睡眠時にも相関が強いことを発見した<ref><pubmed>8036517</pubmed></ref>。Wilsonらは、この研究を更に進展させて、数十の場所細胞の発火パターンが、ノンレム睡眠中、特に脳波に[[鋭波]](sharp wave/ripple)が観察されているときに、場所細胞が同じような発火パターンで再生(replay)されていることを発見した。発火パターンは時間軸上で数倍に圧縮されている。睡眠時だけではなく、覚醒時の不動状態の鋭波発生時にも覚醒運動時と同様な発火パターンが圧縮されて再生されることが報告されていたが、Wilsonらは逆向きに再生される発火パターン(reverse replay)も発見している。Dragoiと[[wikipedia:JA:利根川進|Tonegawa]]は、睡眠中に発生する場所細胞の発火パターンが、その後の未知の条件下で再生されるプリプレイ(preplay)という現象も報告している。


== エピソード記憶  ==
== エピソード記憶  ==

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