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プライミング効果とは、先行する刺激(プライマー)の処理によって、後続刺激(ターゲット)の処理が促進または抑制される効果と定義される。抑制される場合には、特に[[ネガティブプライミング効果]]と呼ばれることもある。日常的には、混雑している街の中で、不意に知らない人物の顔が目に飛び込んで来た場合、実はその人物は毎日の通勤電車の中で知らず知らずのうちに見かけていた、などの場面で経験される。 | プライミング効果とは、先行する刺激(プライマー)の処理によって、後続刺激(ターゲット)の処理が促進または抑制される効果と定義される。抑制される場合には、特に[[ネガティブプライミング効果]]と呼ばれることもある。日常的には、混雑している街の中で、不意に知らない人物の顔が目に飛び込んで来た場合、実はその人物は毎日の通勤電車の中で知らず知らずのうちに見かけていた、などの場面で経験される。 | ||
プライミング効果は、プライマーとターゲットの関係性から、大きく分けて[[直接プライミング効果]]と[[間接プライミング効果]]とに分類される。 | |||
=== 直接プライミング効果 === | |||
直接プライミング効果とは、プライマーとターゲットとで同じ刺激が繰り返されることで起こるプライミング効果のことを指し、通常は知覚レベル(知覚的プライミング効果)で観察される現象である。反復プライミング効果とも呼ばれる.[[実験心理学]]では、[[単語完成課題]]などの課題で評価される。単語完成課題では、たとえばプライマーとして「しんりがく」のような単語を提示し、その後「し□□がく」のような単語完成課題を行わせると、プライマーとして最初に「しんりがく」を処理していた場合には、それを処理していない場合と比較して有意にターゲット単語の正答率が向上したり、反応時間が速くなったりということでプライミング効果が同定される.ここで重要なのは、単語完成課題を遂行している際には、プライマーとして提示されている単語を意識的には想起していない、ということである。すなわち、直接プライミング効果は、潜在的な想起過程において起こっている現象であることは留意すべきである。 | 直接プライミング効果とは、プライマーとターゲットとで同じ刺激が繰り返されることで起こるプライミング効果のことを指し、通常は知覚レベル(知覚的プライミング効果)で観察される現象である。反復プライミング効果とも呼ばれる.[[実験心理学]]では、[[単語完成課題]]などの課題で評価される。単語完成課題では、たとえばプライマーとして「しんりがく」のような単語を提示し、その後「し□□がく」のような単語完成課題を行わせると、プライマーとして最初に「しんりがく」を処理していた場合には、それを処理していない場合と比較して有意にターゲット単語の正答率が向上したり、反応時間が速くなったりということでプライミング効果が同定される.ここで重要なのは、単語完成課題を遂行している際には、プライマーとして提示されている単語を意識的には想起していない、ということである。すなわち、直接プライミング効果は、潜在的な想起過程において起こっている現象であることは留意すべきである。 | ||
== 間接プライミング効果 == | == 間接プライミング効果 == |