「ニューロン新生」の版間の差分

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===加齢変化===
===加齢変化===
 海馬新生ニューロンの数は加齢に伴い、減少することが知られている<ref name="ref3"><pubmed>15788705</pubmed></ref>。加齢により、神経幹細胞の数は比較的保持されるが、新生ニューロンへの分化とその生存が極めて低下することが分かってきた<ref name="ref16"><pubmed>19201065</pubmed></ref>。ごく最近、加齢に伴う新生ニューロン数の低下に脳内の炎症反応が寄与していることが明らかになってきた<ref name="ref17"><pubmed>21886162</pubmed></ref>。
 海馬新生ニューロンの数は加齢に伴い、減少することが知られている<ref name="ref3"><pubmed>15788705</pubmed></ref>。加齢により、神経幹細胞の数は比較的保持されるが、新生ニューロンへの分化とその生存が極めて低下することが分かってきた<ref name="ref16"><pubmed>19201065</pubmed></ref>。ごく最近、加齢に伴う新生ニューロン数の低下に脳内の炎症反応が寄与していることが明らかになってきた<ref name="ref17"><pubmed>21886162</pubmed></ref>。
===疾病下での変化==
===疾病下での変化===
 認知症や精神疾患においても、新生ニューロンの数やはたらきが低下している<ref name="ref3"><pubmed>15788705</pubmed></ref> <ref name="ref18"><pubmed>21395858</pubmed></ref>。アルツハイマー病モデルマウスを用いてこれまでに多くの研究が実施されている<ref name="ref20"><pubmed>22192775</pubmed></ref>。老人斑の蓄積に応じて新生ニューロンの数が減少し、そのはたらきも低下している。アルツハイマー病のリスク遺伝子としてApoE4があるが、ApoE4を遺伝子導入したマウスでは、海馬のGABA回路のはたらきが低下し、新生ニューロン数も減少することがわかった(文献を御願い致します。)。このマウスにGABA回路のはたらきを高めるフェノバルビタールを投与すると新生ニューロン数の減少が抑えられることもわかった<ref name="ref21"><pubmed>19951691</pubmed></ref>。また、家族性アルツハイマー病の原因遺伝子であるアミロイド前駆体タンパク質を導入したマウスでは、海馬GABA回路のアンバランスがおこり、新生ニューロンのはたらきが低下することが認められている<ref name="ref22"><pubmed>19951690</pubmed></ref>。このように、アルツハイマー病モデルマウスにおいて、海馬新生ニューロンのはたらきが低下する仕組みもわかってきた。
 認知症や精神疾患においても、新生ニューロンの数やはたらきが低下している<ref name="ref3"><pubmed>15788705</pubmed></ref> <ref name="ref18"><pubmed>21395858</pubmed></ref>。アルツハイマー病モデルマウスを用いてこれまでに多くの研究が実施されている<ref name="ref20"><pubmed>22192775</pubmed></ref>。老人斑の蓄積に応じて新生ニューロンの数が減少し、そのはたらきも低下している。アルツハイマー病のリスク遺伝子としてApoE4があるが、ApoE4を遺伝子導入したマウスでは、海馬のGABA回路のはたらきが低下し、新生ニューロン数も減少することがわかった(文献を御願い致します。)。このマウスにGABA回路のはたらきを高めるフェノバルビタールを投与すると新生ニューロン数の減少が抑えられることもわかった<ref name="ref21"><pubmed>19951691</pubmed></ref>。また、家族性アルツハイマー病の原因遺伝子であるアミロイド前駆体タンパク質を導入したマウスでは、海馬GABA回路のアンバランスがおこり、新生ニューロンのはたらきが低下することが認められている<ref name="ref22"><pubmed>19951690</pubmed></ref>。このように、アルツハイマー病モデルマウスにおいて、海馬新生ニューロンのはたらきが低下する仕組みもわかってきた。


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