「脳屈」の版間の差分

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''東北大学''<br>
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DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2014年1月9日 原稿完成日:2014年1月18日<br>
DOI [[XXXX]]/XXXX 原稿受付日:2014年1月9日 原稿完成日:2014年月日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/noriko1128 大隅 典子](東北大学 大学院医学系研究科 附属創生応用医学研究センター [[脳神経]]科学コアセンター 発生発達神経科学分野)<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/noriko1128 大隅 典子](東北大学 大学院医学系研究科 附属創生応用医学研究センター [[脳神経]]科学コアセンター 発生発達神経科学分野)<br>
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[[image:脳屈R.jpg|thumb|400px|'''図 ヒト神経管の側面図'''<br>A. 受精後28日 B. 35日]]
[[image:脳屈R.jpg|thumb|300px|'''図1''']]


 脳[[神経管]]は3つの部位で、急角度で折れ曲がる(図)。最初に[[中脳]]中央で折れ曲がり、[[中脳屈]](mesencephalic flexure)あるいは[[頭屈]](cephalic flexure)と呼ばれる。その次にできるのが[[頚屈]](cervical flexure項屈)で、[[髄脳]]と[[脊髄]]の境界あたりにできる。この両者は背側に凸の折れ曲がりである。
 脳[[神経管]]は3つの部位で、急角度で折れ曲がる。最初に中脳中央で折れ曲がり、中脳屈mesencephalic flexureあるいは頭屈(cephalic flexure)と呼ばれる。その次にできるのが頚屈(cervical flexure項屈)で、髄脳と脊髄の境界あたりにできる。この両者は背側に凸の折れ曲がりである。


 最後の屈曲は[[橋屈]](pontine flexure)で、これは後脳と髄脳の境界部で腹側に凸の折れ曲がりである。橋屈により[[小脳]]は髄脳の上に折りたたまれるようになる。橋屈部は[[菱脳]]で横径の一番拡がったところであるが、これは屈曲により神経管の横径が拡がったと考えられ、背側から見ると菱形を呈するようになるので、菱脳と呼ばれる。
 最後の屈曲は橋屈(pontine flexure)で、これは後脳と髄脳の境界部で腹側に凸の折れ曲がりである。橋屈により小脳は髄脳の上に折りたたまれるようになる。橋屈部は菱脳で横径の一番拡がったところであるが、これは屈曲により神経管の横径が拡がったと考えられ、背側から見ると菱形を呈するようになるので、菱脳と呼ばれる。


==関連項目==
*[[神経管]]
*[[脳胞]]
== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
#'''甘利 俊一 (監修), 岡本 仁 (編集)'''<br>脳の発生と発達 (シリーズ脳科学 4)<br>''東京大学出版会'', 2008
#'''宮田 卓樹 (編集), 山本 亘彦 (編集)'''<br>脳の発生学: ニューロンの誕生・分化・回路形成 (DOJIN BIOSCIENCE SERIES)<br>''化学同人'', 2013
#'''大隅 典子'''<br>脳の発生・発達―神経発生学入門 (脳科学ライブラリー)<br>''朝倉書店'', 2010

2014年1月9日 (木) 16:25時点における版

仲村 春和
東北大学
DOI XXXX/XXXX 原稿受付日:2014年1月9日 原稿完成日:2014年月日
担当編集委員:大隅 典子(東北大学 大学院医学系研究科 附属創生応用医学研究センター 脳神経科学コアセンター 発生発達神経科学分野)


図1

 脳神経管は3つの部位で、急角度で折れ曲がる。最初に中脳中央で折れ曲がり、中脳屈mesencephalic flexureあるいは頭屈(cephalic flexure)と呼ばれる。その次にできるのが頚屈(cervical flexure項屈)で、髄脳と脊髄の境界あたりにできる。この両者は背側に凸の折れ曲がりである。

 最後の屈曲は橋屈(pontine flexure)で、これは後脳と髄脳の境界部で腹側に凸の折れ曲がりである。橋屈により小脳は髄脳の上に折りたたまれるようになる。橋屈部は菱脳で横径の一番拡がったところであるが、これは屈曲により神経管の横径が拡がったと考えられ、背側から見ると菱形を呈するようになるので、菱脳と呼ばれる。

参考文献