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<font size="+1">犬伏 知生、[http://researchmap.jp/kuniyoshisakai 酒井 邦嘉]</font><br> | <font size="+1">犬伏 知生、[http://researchmap.jp/kuniyoshisakai 酒井 邦嘉]</font><br> | ||
''東京大学 大学院総合文化研究科''<br> | ''東京大学 大学院総合文化研究科''<br> | ||
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2014年4月19日 原稿完成日:2014年4月21日<br> | |||
担当編集委員:[http://researchmap.jp/atsushiiriki 入來 篤史](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br> | 担当編集委員:[http://researchmap.jp/atsushiiriki 入來 篤史](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br> | ||
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== 言語機能の左右差 == | == 言語機能の左右差 == | ||
前述のポール・ブローカなどによる脳損傷と言語障害に関する研究以来、言語機能の左半球優位性が提唱されてきた。言語機能の優位半球を調べる代表的な[[テスト]]として、[[wj:頸動脈|頸動脈]]に[[wj:アモバルビタール|アモバルビタール]]を注射し、一方の大脳半球を麻酔する和田試験がある。和田試験や分離脳患者に関する研究、そして失語症研究や脳機能イメージングなどの結果から、右利きの人では主要な言語機能の多くが[[大脳皮質]]の左半球で処理されることが分かっている。右半球 (劣位半球) については、ブローカ野の相同部位を含む右半球の領域が損傷を受けると、韻律 (prosody) が障害され発話が平板になることが1970年代から示されている<ref><pubmed> 435134 </pubmed></ref>。この他にも、談話 (discourse) | 前述のポール・ブローカなどによる脳損傷と言語障害に関する研究以来、言語機能の左半球優位性が提唱されてきた。言語機能の優位半球を調べる代表的な[[テスト]]として、[[wj:頸動脈|頸動脈]]に[[wj:アモバルビタール|アモバルビタール]]を注射し、一方の大脳半球を麻酔する和田試験がある。和田試験や分離脳患者に関する研究、そして失語症研究や脳機能イメージングなどの結果から、右利きの人では主要な言語機能の多くが[[大脳皮質]]の左半球で処理されることが分かっている。右半球 (劣位半球) については、ブローカ野の相同部位を含む右半球の領域が損傷を受けると、韻律 (prosody) が障害され発話が平板になることが1970年代から示されている<ref><pubmed> 435134 </pubmed></ref>。この他にも、談話 (discourse) の処理、ユーモアや皮肉、[[比喩]]の理解などに関しては右半球の複数の領域が関わる可能性がある<ref><pubmed> 15743870 </pubmed></ref>。 | ||
==関連項目== | ==関連項目== |