「言語」の版間の差分
細 (→イメージング研究の知見) |
細 (→神経心理学の知見) |
||
(2人の利用者による、間の2版が非表示) | |||
28行目: | 28行目: | ||
言語学では、ヒトが使用する言語を客観的に記述し説明することを目的としており、その分野は多岐にわたる。[[音韻論]]は言語の構成要素である音声の機能、[[形態論]]は語を構成する仕組み、そして[[統語論]]は語が文を構成する仕組みをそれぞれ研究対象としている。また、[[意味論]]は語、句、文などの言語表現が表す意味、[[語用論]]は言語表現とその使用者(話し手、聞き手、書き手、読み手)や文脈との関係をそれぞれ研究対象としている。 | 言語学では、ヒトが使用する言語を客観的に記述し説明することを目的としており、その分野は多岐にわたる。[[音韻論]]は言語の構成要素である音声の機能、[[形態論]]は語を構成する仕組み、そして[[統語論]]は語が文を構成する仕組みをそれぞれ研究対象としている。また、[[意味論]]は語、句、文などの言語表現が表す意味、[[語用論]]は言語表現とその使用者(話し手、聞き手、書き手、読み手)や文脈との関係をそれぞれ研究対象としている。 | ||
代表的な理論(言語的モデル)としては、[[生成文法]]、[[認知意味論]] | 代表的な理論(言語的モデル)としては、[[生成文法]]、[[認知意味論]](下では認知言語学とありますが、同じものですか?)、そして[[関連性理論]]を挙げることができる。 | ||
*'''生成文法'''(generative grammar)は<ref name=Chomsky1955>'''Chomsky, Noam.'''<br>The logical structure of linguistic theory<br>''Chicago : University of Chicago Press'': 1985(1955).</ref>、ヒトの発達においてごく短期間に言語獲得が成功することに注目し、生得的に言語の初期状態である[[普遍文法]](universal grammar, UG)を備えていると仮定したモデル化をしている。そのため、新生児が育つ国や文化によってどのような言語でも短期間に獲得できるのは、この生得的な普遍文法によると考えられている。 | *'''生成文法'''(generative grammar)は<ref name=Chomsky1955>'''Chomsky, Noam.'''<br>The logical structure of linguistic theory<br>''Chicago : University of Chicago Press'': 1985(1955).</ref>、ヒトの発達においてごく短期間に言語獲得が成功することに注目し、生得的に言語の初期状態である[[普遍文法]](universal grammar, UG)を備えていると仮定したモデル化をしている。そのため、新生児が育つ国や文化によってどのような言語でも短期間に獲得できるのは、この生得的な普遍文法によると考えられている。 | ||
*'''認知言語学'''(cognitive linguistics)は<ref name=William2004>'''Croft, William, & Cruse, D. Alan.'''<br>Cognitive linguistics<br>''Cambridge : Cambridge University Press'': 2004.</ref>、生得的で自動的な認知能力(autonomous cognitive faculty)として言語を捉える生成文法の立場に異議を唱え、動的に概念構成(conceptualization)していくという文法の役割を強調し、ことばの意味は使用を通してあらわれるという仮説を唱えている。研究は、[[意味論]] | *'''[[認知言語学]]'''(cognitive linguistics)は<ref name=William2004>'''Croft, William, & Cruse, D. Alan.'''<br>Cognitive linguistics<br>''Cambridge : Cambridge University Press'': 2004.</ref>、生得的で自動的な認知能力(autonomous cognitive faculty)として言語を捉える生成文法の立場に異議を唱え、動的に概念構成(conceptualization)していくという文法の役割を強調し、ことばの意味は使用を通してあらわれるという仮説を唱えている。研究は、[[意味論]]に集中しており、認知意味論(cognitive semantics)は<ref name=Lakoff1987>'''Lakoff, George.'''<br>Women, Fire, and Dangerous Things: What Categories Reveal About the Mind.<br>''University of Chicago Press'': 1987.</ref>、[[隠喩]](metaphor)、[[換喩]](metonymy)、[[イメージスキーマ]](image schema)を用いて言語の実態の究明を目指している。 | ||
*'''関連性理論'''(relevance theory)は<ref name=Sperber1986>'''Sperber, D. and Wilson, D'''<br>Relevance: Communication and cognition.<br>''Oxford: Blackwell'':1986 (『関連性理論:伝達と認知』, 内田聖二他訳, 研究社出版; 第二版は1995年)</ref>、[[関連性]]という[[認知効果]]と[[処理労力]]のバランスで定まる情報の属性を手掛かりとして、聞き手は「話し手が伝えたいと思っている意味」を推論しているという論を展開している。 | *'''関連性理論'''(relevance theory)は<ref name=Sperber1986>'''Sperber, D. and Wilson, D'''<br>Relevance: Communication and cognition.<br>''Oxford: Blackwell'':1986 (『関連性理論:伝達と認知』, 内田聖二他訳, 研究社出版; 第二版は1995年)</ref>、[[関連性]]という[[認知効果]]と[[処理労力]]のバランスで定まる情報の属性を手掛かりとして、聞き手は「話し手が伝えたいと思っている意味」を推論しているという論を展開している。 | ||
45行目: | 45行目: | ||
神経心理学では、脳の物理的損傷の患者を対象として、その損傷により引き起こされたと考えられる症状との関係から、脳における言語機能を明らかにしようとしている。言語処理に関与する脳の領域は、大まかには、[[環シルビウス溝言語領域]](言語中枢)、[[環・環シルビウス溝言語領域]]、そして[[右半球言語領域]]の三領域に分けることができる(図3)<ref name=Yamadori1996>'''山鳥重'''<br>言語生成の大脳機構<br>''音声言語医学, 37(2), 262-266'':1996</ref>。 | 神経心理学では、脳の物理的損傷の患者を対象として、その損傷により引き起こされたと考えられる症状との関係から、脳における言語機能を明らかにしようとしている。言語処理に関与する脳の領域は、大まかには、[[環シルビウス溝言語領域]](言語中枢)、[[環・環シルビウス溝言語領域]]、そして[[右半球言語領域]]の三領域に分けることができる(図3)<ref name=Yamadori1996>'''山鳥重'''<br>言語生成の大脳機構<br>''音声言語医学, 37(2), 262-266'':1996</ref>。 | ||
*'''環シルビウス溝言語領域'''(perisylvian speech zone)は<ref name=Benson1979>'''Benson, D.F.'''<br>Aphasia, alexia, and agraphia.<br>''New York: Churchill Livingstone'': 1979.</ref>、[[ブローカ野]]と[[ウェルニッケ野]]という[[言語野]]、および両者をつなぐ[[弓状束]]を含み、[[音声系列]]の処理において重要な役割を果たしていると考えられている<ref name=Geschwind1972><pubmed>5014017</pubmed></ref><ref name=Mesulam1990><pubmed>2260847</pubmed></ref>。19世紀のフランスの医師である[[wj:ピエール・ポール・ブローカ|ポール・ブローカ]]は、語の理解はできるが発語が困難と診断された患者の死後解剖により、左下[[前頭回]]([[44野]]と[[45野]]、[[ブローカ野]])に[[脳梗塞]]を発見し、そこが[[運動性失語]]の病巣で、発話などの中枢と推定した<ref name=Broca1861>'''Broca, P.'''<br>Remarques sur le siège de la faculté du langage articulé; suivies d’une observation d’aphémie (perte de la parole).<br>''Bull Soc Anat Paris''. 1861, 6; 330-357. | *'''環シルビウス溝言語領域'''(perisylvian speech zone)は<ref name=Benson1979>'''Benson, D.F.'''<br>Aphasia, alexia, and agraphia.<br>''New York: Churchill Livingstone'': 1979.</ref>、[[ブローカ野]]と[[ウェルニッケ野]]という[[言語野]]、および両者をつなぐ[[弓状束]]を含み、[[音声系列]]の処理において重要な役割を果たしていると考えられている<ref name=Geschwind1972><pubmed>5014017</pubmed></ref><ref name=Mesulam1990><pubmed>2260847</pubmed></ref>。19世紀のフランスの医師である[[wj:ピエール・ポール・ブローカ|ポール・ブローカ]]は、語の理解はできるが発語が困難と診断された患者の死後解剖により、左下[[前頭回]]([[44野]]と[[45野]]、[[ブローカ野]])に[[脳梗塞]]を発見し、そこが[[運動性失語]]の病巣で、発話などの中枢と推定した<ref name=Broca1861>'''Broca, P.'''<br>Remarques sur le siège de la faculté du langage articulé; suivies d’une observation d’aphémie (perte de la parole).<br>''Bull Soc Anat Paris''. 1861, 6; 330-357.</ref>。一方、19世紀のドイツの医師である[[w:Carl Wernicke|カール・ウェルニッケ]]は、多弁によく発話するが意味ある話にならない患者を扱い、左上[[側頭回]]から[[角回]]のあたり([[22野]]、[[ウェルニッケ野]])に病変を見つけ、そこが[[感覚性失語]]([[受容性失語]])の病巣で、言語理解の中枢と推定した<ref name=Wernicke1874>'''Wernicke, C.'''<br>Der aphasische Symptomenkomplex. Eine psychologische Studie auf anatomischer Basis<br>''Breslau: Max Cohn & Weigert'': 1874. | ||
[http://bsd.neuroinf.jp/w/images/e/ee/Der_aphasische_Symptomencomplex.pdf PDF] | [http://bsd.neuroinf.jp/w/images/e/ee/Der_aphasische_Symptomencomplex.pdf PDF] | ||
</ref>。 | </ref>。 | ||
58行目: | 58行目: | ||
==イメージング研究の知見== | ==イメージング研究の知見== | ||
イメージング研究では、主に健常者を対象として、あるタスクを行ってもらい、その際の脳の賦活部位を、機能的磁気共鳴画像や[[陽電子放射断層撮像法]]( | イメージング研究では、主に健常者を対象として、あるタスクを行ってもらい、その際の脳の賦活部位を、機能的磁気共鳴画像や[[陽電子放射断層撮像法]](PET: Positron Emission Tomography)などの手法を用いて明らかにしようとしている。また、[[メタ分析]] (meta-analysis)、すなわち複数のイメージング研究の結果の俯瞰的な視点からの分析が行われている。Binder他は<ref name=Binder2009><pubmed>19329570</pubmed></ref>、100以上の研究を集めたメタ分析を行ったところ、意味処理に関与する部位は68%が左半球で32%が右半球であった。また、一般的な意味処理(general semantic processing)に関与する部位として、大脳の左半球の3つの領域(後方の多種感覚の統合をおこなう[[連合皮質]]、多種感覚の統合をおこなう[[前頭前皮質]]、[[内側辺縁領域]])とそこに属する7つの部位(下頭頂葉後方、[[中側頭回]]、[[紡錘状回]]と[[海馬傍回]]、[[下前頭回]]、[[背内側前頭前野]]、[[腹内側前頭前野]]、[[後帯状回]])が重要な役割を果たすとしている<ref name=Binder2009><pubmed>19329570</pubmed></ref>。 | ||
* '''後方の多種感覚の統合をおこなう連合皮質'''(posterior heteromodal association cortex) | * '''後方の多種感覚の統合をおこなう連合皮質'''(posterior heteromodal association cortex) | ||
:'''1. 左下頭頂葉後方'''(posterior inferior parietal lobe; temporo-parietal junction, TPJ)は、多様な情報の[[統合]]と内的[[知識]]の検索をおこなっている<ref name=Ni2000><pubmed>10769310</pubmed></ref><ref name=Friederici2003><pubmed>12507948</pubmed></ref><ref name=Newman2003><pubmed>12668239</pubmed></ref><ref name=Humphries2007><pubmed>17500009</pubmed></ref>。具体的には、文や文脈の理解、問題解決、そして計画立案など、概念をうまく組み合わせるという役割を担っていると考えられている<ref name=Binder2009><pubmed>19329570</pubmed></ref>。 | :'''1. 左下頭頂葉後方'''(posterior inferior parietal lobe; temporo-parietal junction, TPJ)は、多様な情報の[[統合]]と内的[[知識]]の検索をおこなっている<ref name=Ni2000><pubmed>10769310</pubmed></ref><ref name=Friederici2003><pubmed>12507948</pubmed></ref><ref name=Newman2003><pubmed>12668239</pubmed></ref><ref name=Humphries2007><pubmed>17500009</pubmed></ref>。具体的には、文や文脈の理解、問題解決、そして計画立案など、概念をうまく組み合わせるという役割を担っていると考えられている<ref name=Binder2009><pubmed>19329570</pubmed></ref>。 | ||
:'''2. 左中側頭回'''(middle temporal gyrus, MTG)は、物やその属性に関する概念情報の蓄積をおこなっている<ref name=Martin1995><pubmed>7569934</pubmed></ref><ref name=Martin1996><pubmed>8628399</pubmed></ref><ref name=Cappa1998><pubmed>9811553</pubmed></ref><ref name=Chao1999><pubmed>10491613</pubmed></ref><ref name=Chao1999><pubmed>9950712</pubmed></ref><ref name=Chao2000><pubmed>10988041</pubmed></ref><ref name=Moore1999><pubmed>10355678</pubmed></ref><ref name=Perani1999><pubmed>10199643</pubmed></ref><ref name=Grossman2002><pubmed>11906234</pubmed></ref><ref name=Kable2002><pubmed>12167263</pubmed></ref><ref name=Phillips2002><pubmed>12183352</pubmed></ref><ref name=Noppeney2003><pubmed>12805112</pubmed></ref><ref name=Tyler2003><pubmed>12595206</pubmed></ref><ref name=Davis2004><pubmed>15120536</pubmed></ref><ref name=Kable2005><pubmed>16356324</pubmed></ref><ref name=Noppeney2005><pubmed>16242924</pubmed></ref><ref name=Wallentin2005><pubmed>15812326</pubmed></ref>。一方、上側頭回はこれまで神経心理学の知見では言語理解の中心的な役割を担っていると考えられてきたが<ref name=Wernicke1874></ref><ref name=Geschwind1971><pubmed>5545606</pubmed></ref><ref name=Bogen1976><pubmed>1070943</pubmed></ref><ref name=Hillis2001><pubmed>11706960</pubmed></ref>、イメージング研究の知見ではことばの意味の検索というよりはむしろことばの知覚や音韻処理との関連が強いと考えられている<ref name=Binder2000><pubmed>10847601</pubmed></ref><ref name=Hickok2003><pubmed>12965041</pubmed></ref><ref name=Scott2003><pubmed>12536133</pubmed></ref><ref name=Indefrey2004><pubmed>15037128</pubmed></ref><ref name=Liebenthal2005><pubmed>15703256</pubmed></ref><ref name=Buchsbaum2008><pubmed>18201133</pubmed></ref><ref name=Graves2008><pubmed>18345989</pubmed></ref>。 | :'''2. 左中側頭回'''(middle temporal gyrus, MTG)は、物やその属性に関する概念情報の蓄積をおこなっている<ref name=Martin1995><pubmed>7569934</pubmed></ref><ref name=Martin1996><pubmed>8628399</pubmed></ref><ref name=Cappa1998><pubmed>9811553</pubmed></ref><ref name=Chao1999><pubmed>10491613</pubmed></ref><ref name=Chao1999><pubmed>9950712</pubmed></ref><ref name=Chao2000><pubmed>10988041</pubmed></ref><ref name=Moore1999><pubmed>10355678</pubmed></ref><ref name=Perani1999><pubmed>10199643</pubmed></ref><ref name=Grossman2002><pubmed>11906234</pubmed></ref><ref name=Kable2002><pubmed>12167263</pubmed></ref><ref name=Phillips2002><pubmed>12183352</pubmed></ref><ref name=Noppeney2003><pubmed>12805112</pubmed></ref><ref name=Tyler2003><pubmed>12595206</pubmed></ref><ref name=Davis2004><pubmed>15120536</pubmed></ref><ref name=Kable2005><pubmed>16356324</pubmed></ref><ref name=Noppeney2005><pubmed>16242924</pubmed></ref><ref name=Wallentin2005><pubmed>15812326</pubmed></ref>。一方、上側頭回はこれまで神経心理学の知見では言語理解の中心的な役割を担っていると考えられてきたが<ref name=Wernicke1874></ref><ref name=Geschwind1971><pubmed>5545606</pubmed></ref><ref name=Bogen1976><pubmed>1070943</pubmed></ref><ref name=Hillis2001><pubmed>11706960</pubmed></ref>、イメージング研究の知見ではことばの意味の検索というよりはむしろことばの知覚や音韻処理との関連が強いと考えられている<ref name=Binder2000><pubmed>10847601</pubmed></ref><ref name=Hickok2003><pubmed>12965041</pubmed></ref><ref name=Scott2003><pubmed>12536133</pubmed></ref><ref name=Indefrey2004><pubmed>15037128</pubmed></ref><ref name=Liebenthal2005><pubmed>15703256</pubmed></ref><ref name=Buchsbaum2008><pubmed>18201133</pubmed></ref><ref name=Graves2008><pubmed>18345989</pubmed></ref>。 | ||
:'''3. 左紡錘状回'''(fusiform gyrus)は物の[[視覚]]的な属性に関する内的知識の検索に<ref name=DEsposito1997><pubmed>9153035</pubmed></ref><ref name=Chao1999><pubmed>9950712</pubmed></ref><ref name=ThompsonSchill1999><pubmed>10390028</pubmed></ref><ref name=Wise2000><pubmed>10775709</pubmed></ref><ref name=Kan2003><pubmed>20957583</pubmed></ref><ref name=Vandenbulcke2006><pubmed>16767090</pubmed></ref><ref name=Simmons2007><pubmed>17575989</pubmed></ref> | :'''3. 左紡錘状回'''(fusiform gyrus)は物の[[視覚]]的な属性に関する内的知識の検索に<ref name=DEsposito1997><pubmed>9153035</pubmed></ref><ref name=Chao1999><pubmed>9950712</pubmed></ref><ref name=ThompsonSchill1999><pubmed>10390028</pubmed></ref><ref name=Wise2000><pubmed>10775709</pubmed></ref><ref name=Kan2003><pubmed>20957583</pubmed></ref><ref name=Vandenbulcke2006><pubmed>16767090</pubmed></ref><ref name=Simmons2007><pubmed>17575989</pubmed></ref>、左[[海馬傍回]](parahippocampal gyrus)は外側の[[意味記憶]]と内側の[[エピソード記憶]]の仲介をしている可能性が示唆されている<ref name=Insausti1987><pubmed>2445796</pubmed></ref><ref name=Suzuki1994><pubmed>7890828</pubmed></ref><ref name=Levy2004><pubmed>15090653</pubmed></ref>。 | ||
*'''多種感覚の統合をおこなう前頭前皮質'''(heteromodal prefrontal cortex) | *'''多種感覚の統合をおこなう前頭前皮質'''(heteromodal prefrontal cortex) | ||
:'''4. 左下前頭回'''(inferior frontal gyrus, IFG)は、意味処理<ref name=Petersen1988><pubmed>3277066</pubmed></ref><ref name=Frith1991><pubmed>1791928</pubmed></ref><ref name=Kapur1994><pubmed>7865775</pubmed></ref><ref name=Fiez1997><pubmed>10096412</pubmed></ref><ref name=ThompsonSchill1997><pubmed>9405692</pubmed></ref><ref name=Gabrieli1998><pubmed>9448258</pubmed></ref><ref name=Poldrack1999><pubmed>10385578</pubmed></ref><ref name=ThompsonSchill1999><pubmed>10433263</pubmed></ref><ref name=Wagner2000><pubmed>11073867</pubmed></ref><ref name=Roskies2001><pubmed>11564326</pubmed></ref><ref name=Wagner2001><pubmed>11502262</pubmed></ref><ref name=Chee2002><pubmed>11969333</pubmed></ref><ref name=Gold2002><pubmed>12194878</pubmed></ref><ref name=Nyberg2003><pubmed>12457761</pubmed></ref><ref name=Simmons2005><pubmed>16009569</pubmed></ref><ref name=Goldberg2007><pubmed>17409243</pubmed></ref><ref name=Fiez1997><pubmed>10096412</pubmed></ref>、音韻処理や[[文法]]処理<ref name=Demonet1992><pubmed>1486459</pubmed></ref><ref name=Zatorre1992><pubmed>1589767</pubmed></ref><ref name=Paulesu1993><pubmed>8455719</pubmed></ref><ref name=Fiez1997><pubmed>10096412</pubmed></ref><ref name=Smith1998><pubmed>9448254</pubmed></ref><ref name=Fiez1999><pubmed>10677038</pubmed></ref><ref name=Poldrack1999><pubmed>10385578</pubmed></ref><ref name=Burton2000><pubmed>10936919</pubmed></ref><ref name=Embick2000><pubmed>10811887</pubmed></ref><ref name=Poldrack2001><pubmed>11506664</pubmed></ref><ref name=Gold2002><pubmed>12194878</pubmed></ref><ref name=Friederici2003><pubmed>12507948</pubmed></ref><ref name=Nyberg2003><pubmed>12457761</pubmed></ref><ref name=Davis2004><pubmed>15120536</pubmed></ref><ref name=Indefrey2004><pubmed>15037128</pubmed></ref><ref name=Fiebach2005><pubmed>15455462</pubmed></ref><ref name=Owen2005><pubmed>15846822</pubmed></ref><ref name=Tan2005><pubmed>15846817</pubmed></ref><ref name=Grodzinsky2006><pubmed>16563739</pubmed></ref>に関与することが多数報告されている。左下前頭回内の詳細として、44野は音韻処理、45野と44野は文法処理、そして[[47野]]と45野は[[意味]]処理に関与することが示唆されている<ref name=Hagoort2005><pubmed>16054419</pubmed></ref>。 | :'''4. 左下前頭回'''(inferior frontal gyrus, IFG)は、意味処理<ref name=Petersen1988><pubmed>3277066</pubmed></ref><ref name=Frith1991><pubmed>1791928</pubmed></ref><ref name=Kapur1994><pubmed>7865775</pubmed></ref><ref name=Fiez1997><pubmed>10096412</pubmed></ref><ref name=ThompsonSchill1997><pubmed>9405692</pubmed></ref><ref name=Gabrieli1998><pubmed>9448258</pubmed></ref><ref name=Poldrack1999><pubmed>10385578</pubmed></ref><ref name=ThompsonSchill1999><pubmed>10433263</pubmed></ref><ref name=Wagner2000><pubmed>11073867</pubmed></ref><ref name=Roskies2001><pubmed>11564326</pubmed></ref><ref name=Wagner2001><pubmed>11502262</pubmed></ref><ref name=Chee2002><pubmed>11969333</pubmed></ref><ref name=Gold2002><pubmed>12194878</pubmed></ref><ref name=Nyberg2003><pubmed>12457761</pubmed></ref><ref name=Simmons2005><pubmed>16009569</pubmed></ref><ref name=Goldberg2007><pubmed>17409243</pubmed></ref><ref name=Fiez1997><pubmed>10096412</pubmed></ref>、音韻処理や[[文法]]処理<ref name=Demonet1992><pubmed>1486459</pubmed></ref><ref name=Zatorre1992><pubmed>1589767</pubmed></ref><ref name=Paulesu1993><pubmed>8455719</pubmed></ref><ref name=Fiez1997><pubmed>10096412</pubmed></ref><ref name=Smith1998><pubmed>9448254</pubmed></ref><ref name=Fiez1999><pubmed>10677038</pubmed></ref><ref name=Poldrack1999><pubmed>10385578</pubmed></ref><ref name=Burton2000><pubmed>10936919</pubmed></ref><ref name=Embick2000><pubmed>10811887</pubmed></ref><ref name=Poldrack2001><pubmed>11506664</pubmed></ref><ref name=Gold2002><pubmed>12194878</pubmed></ref><ref name=Friederici2003><pubmed>12507948</pubmed></ref><ref name=Nyberg2003><pubmed>12457761</pubmed></ref><ref name=Davis2004><pubmed>15120536</pubmed></ref><ref name=Indefrey2004><pubmed>15037128</pubmed></ref><ref name=Fiebach2005><pubmed>15455462</pubmed></ref><ref name=Owen2005><pubmed>15846822</pubmed></ref><ref name=Tan2005><pubmed>15846817</pubmed></ref><ref name=Grodzinsky2006><pubmed>16563739</pubmed></ref>に関与することが多数報告されている。左下前頭回内の詳細として、44野は音韻処理、45野と44野は文法処理、そして[[47野]]と45野は[[意味]]処理に関与することが示唆されている<ref name=Hagoort2005><pubmed>16054419</pubmed></ref>。 |
2015年6月18日 (木) 09:27時点における版
中村 太戯留
慶應義塾大学環境情報学部
松井 智子
東京学芸大学総合教育科学系国際教育センター
DOI:10.14931/bsd.5866 原稿受付日:2015年5月11日 原稿完成日:2015年6月17日
担当編集委員:定藤 規弘(自然科学研究機構生理学研究所 大脳皮質機能研究系)
英語名:language 独:Sprache 仏:langage
言語は、ある特定の国や地域や文化に属する人々のコミュニケーションや相互作用において使用されるもので、音声や書かれた記号からなる体系である。脳科学が対象とする言語は、言語学の知見、神経心理学の知見、そしてイメージング研究の知見を総合して考える必要がある。言語学の主な分野としては、音韻論、形態論、統語論、意味論、語用論があり、代表的な理論には、生成文法、認知意味論、そして関連性理論がある。神経心理学では、失語症の研究から、環シルビウス溝言語領域が、音韻論、形態論、そして統語論の神経基盤、すなわち言語中枢と考えられている。また、環・環シルビウス溝言語領域は意味論的な情報の充填、右半球言語領域は語用論的な情報の充填に関与することを予想している。イメージング研究では、環シルビウス溝言語領域が言語中枢であること、環・環シルビウス溝言語領域が意味論的な情報の充填に関与していることを支持している。さらに、内側前頭前野および後帯状回は、語用論的な情報の充填に関与していることが示唆されている。なお、語用論的な情報の充填に関しては、右半球言語領域や皮質下領域の関与も示唆されているものの、一貫した見解は得られていない。
言語とは
言語は、ヒトが音声や文字を用いて思想・感情・意志などを伝達するために用いる記号体系であり(広辞苑, 大辞泉)、ヒトはそれを表現したり、他者のそれを受け入れて理解したりする(大辞泉)。ある特定の国や地域や文化に属する人々のコミュニケーションや相互作用において使用されるもので、音声や書かれた記号からなる体系である。表情や身振り手振りなども含む場合がある。
脳科学が対象とする言語は、言語学の知見、神経心理学の知見、そしてイメージング研究の知見を総合して考える必要がある(図1)。
言語学では、音声や書かれた記号を対象として、人々によってそれがどのように使用されるのかを明らかにしようとしている。
神経心理学では、脳の物理的損傷の患者を対象として、その損傷により引き起こされたと考えられる症状との関係から、脳における言語機能を明らかにしようとしている。
イメージング研究では、主に健常者を対象として、あるタスクを行ってもらい、その際の脳の賦活部位を、機能的磁気共鳴画像(fMRI: Functional Magnetic Resonance Imaging)などの手法を用いて明らかにしようとしている。
言語学の知見
言語学では、ヒトが使用する言語を客観的に記述し説明することを目的としており、その分野は多岐にわたる。音韻論は言語の構成要素である音声の機能、形態論は語を構成する仕組み、そして統語論は語が文を構成する仕組みをそれぞれ研究対象としている。また、意味論は語、句、文などの言語表現が表す意味、語用論は言語表現とその使用者(話し手、聞き手、書き手、読み手)や文脈との関係をそれぞれ研究対象としている。
代表的な理論(言語的モデル)としては、生成文法、認知意味論(下では認知言語学とありますが、同じものですか?)、そして関連性理論を挙げることができる。
- 生成文法(generative grammar)は[1]、ヒトの発達においてごく短期間に言語獲得が成功することに注目し、生得的に言語の初期状態である普遍文法(universal grammar, UG)を備えていると仮定したモデル化をしている。そのため、新生児が育つ国や文化によってどのような言語でも短期間に獲得できるのは、この生得的な普遍文法によると考えられている。
- 認知言語学(cognitive linguistics)は[2]、生得的で自動的な認知能力(autonomous cognitive faculty)として言語を捉える生成文法の立場に異議を唱え、動的に概念構成(conceptualization)していくという文法の役割を強調し、ことばの意味は使用を通してあらわれるという仮説を唱えている。研究は、意味論に集中しており、認知意味論(cognitive semantics)は[3]、隠喩(metaphor)、換喩(metonymy)、イメージスキーマ(image schema)を用いて言語の実態の究明を目指している。
- 関連性理論(relevance theory)は[4]、関連性という認知効果と処理労力のバランスで定まる情報の属性を手掛かりとして、聞き手は「話し手が伝えたいと思っている意味」を推論しているという論を展開している。
ことばの鎖(speech chain)は[5]、話し手の言語学的な段階(linguistic level)と生理学的な段階(physiological level)から、音響学的な段階(acoustic level)を経て、聞き手の生理学的な段階と言語学的な段階に至るという言語コミュニケーションにおける一連の流れをモデル化している(図2)。話し手は言語産出(speech production)の相、聞き手は言語理解(perception)の相のモデルとなっている。通常の会話では、聞き手は次の話し手となるため、ことばの鎖は循環構造となる。
意味づけ論(sense making theory)は[6][7]、空気の振動としての音声やインクの染みとしての文字をコトバ(カタカナで表記)と定義し、複数の会話の参加者の情況(mental states)はコトバを介して相互作用するという論を展開している。
神経心理学の知見
神経心理学では、脳の物理的損傷の患者を対象として、その損傷により引き起こされたと考えられる症状との関係から、脳における言語機能を明らかにしようとしている。言語処理に関与する脳の領域は、大まかには、環シルビウス溝言語領域(言語中枢)、環・環シルビウス溝言語領域、そして右半球言語領域の三領域に分けることができる(図3)[8]。
- 環シルビウス溝言語領域(perisylvian speech zone)は[9]、ブローカ野とウェルニッケ野という言語野、および両者をつなぐ弓状束を含み、音声系列の処理において重要な役割を果たしていると考えられている[10][11]。19世紀のフランスの医師であるポール・ブローカは、語の理解はできるが発語が困難と診断された患者の死後解剖により、左下前頭回(44野と45野、ブローカ野)に脳梗塞を発見し、そこが運動性失語の病巣で、発話などの中枢と推定した[12]。一方、19世紀のドイツの医師であるカール・ウェルニッケは、多弁によく発話するが意味ある話にならない患者を扱い、左上側頭回から角回のあたり(22野、ウェルニッケ野)に病変を見つけ、そこが感覚性失語(受容性失語)の病巣で、言語理解の中枢と推定した[13]。
- 環・環シルビウス溝言語領域(peri-perisylvian speech zone)は、環シルビウス溝言語領域の周りの側頭葉、頭頂葉、前頭葉を含み、その活動には補足運動野や視床も加わり、音声系列への言語的意味の充填に関与していると考えられている。左中下側頭回の変性病巣で語義理解の障害[14]、左側頭葉前方で固有名詞の回収障害[15]が報告されている。また、補足運動野は会話の開始および維持において重要な役割を果たしている可能性[16]、視床は語彙を長期記憶から呼びだして文に組み込む役割を果たしている可能性[17]が示唆されている。
- 右半球言語領域(right hemisphere language zone)は、状況に応じた言語使用、比喩、談話主題の維持、言語による情動表現など、語用論において重要な役割を果たしている。この領域の傷害により、比喩理解の障害、ユーモア理解の障害、談話の一貫性の消失などが報告されている[18]。また、感情を言語にこめられなくなったり、言葉が含む感情が理解できなくなったりすることも報告されている[19]。
ウェルニッケ=ゲシュビント・モデルでは[20]、言語理解の相と言語産出の相をつなぐことで、ヒトが聞き手ないし読み手として言語理解をしてから、話し手ないし書き手として言語産出をするまでをモデル化している。話し言葉は耳で知覚して、視床の内側膝状体を経由して、大脳皮質の上側頭回にある一次聴覚野へ情報が入る。言語中枢であるウェルニッケ野から弓状束を通りブローカ野に至る領域で理解と産出をおこない、そして一次運動野から口を制御して音声を発するという経路をたどる。書き言葉は目で知覚して、視床の外側膝状体を経由して、大脳皮質の後頭葉にある一次視覚野へ情報が入る。側頭頭頂接合部にある角回を経由して、言語中枢で理解と産出をおこない、そして一次運動野から手を制御して文字を記すという経路をたどる。
いずれも、主に環シルビウス溝言語領域における活動のモデル化となっており、言語学における音韻論、形態論、そして統語論の神経基盤、すなわち言語中枢と考えられている。これに、環・環シルビウス溝言語領域による意味論的な情報の充填、右半球言語領域による語用論的な情報の充填がおこなわれていると予想されている[8]。
イメージング研究の知見
イメージング研究では、主に健常者を対象として、あるタスクを行ってもらい、その際の脳の賦活部位を、機能的磁気共鳴画像や陽電子放射断層撮像法(PET: Positron Emission Tomography)などの手法を用いて明らかにしようとしている。また、メタ分析 (meta-analysis)、すなわち複数のイメージング研究の結果の俯瞰的な視点からの分析が行われている。Binder他は[21]、100以上の研究を集めたメタ分析を行ったところ、意味処理に関与する部位は68%が左半球で32%が右半球であった。また、一般的な意味処理(general semantic processing)に関与する部位として、大脳の左半球の3つの領域(後方の多種感覚の統合をおこなう連合皮質、多種感覚の統合をおこなう前頭前皮質、内側辺縁領域)とそこに属する7つの部位(下頭頂葉後方、中側頭回、紡錘状回と海馬傍回、下前頭回、背内側前頭前野、腹内側前頭前野、後帯状回)が重要な役割を果たすとしている[21]。
- 後方の多種感覚の統合をおこなう連合皮質(posterior heteromodal association cortex)
- 1. 左下頭頂葉後方(posterior inferior parietal lobe; temporo-parietal junction, TPJ)は、多様な情報の統合と内的知識の検索をおこなっている[22][23][24][25]。具体的には、文や文脈の理解、問題解決、そして計画立案など、概念をうまく組み合わせるという役割を担っていると考えられている[21]。
- 2. 左中側頭回(middle temporal gyrus, MTG)は、物やその属性に関する概念情報の蓄積をおこなっている[26][27][28][29][29][30][31][32][33][34][35][36][37][38][39][40][41]。一方、上側頭回はこれまで神経心理学の知見では言語理解の中心的な役割を担っていると考えられてきたが[13][42][43][44]、イメージング研究の知見ではことばの意味の検索というよりはむしろことばの知覚や音韻処理との関連が強いと考えられている[45][46][47][48][49][50][51]。
- 3. 左紡錘状回(fusiform gyrus)は物の視覚的な属性に関する内的知識の検索に[52][29][53][54][55][56][57]、左海馬傍回(parahippocampal gyrus)は外側の意味記憶と内側のエピソード記憶の仲介をしている可能性が示唆されている[58][59][60]。
- 多種感覚の統合をおこなう前頭前皮質(heteromodal prefrontal cortex)
- 4. 左下前頭回(inferior frontal gyrus, IFG)は、意味処理[61][62][63][64][65][66][67][53][68][69][70][71][72][73][74][75][64]、音韻処理や文法処理[76][77][78][64][79][80][67][81][82][83][72][23][73][38][48][84][85][86][87]に関与することが多数報告されている。左下前頭回内の詳細として、44野は音韻処理、45野と44野は文法処理、そして47野と45野は意味処理に関与することが示唆されている[88]。
- 5. 左背内側前頭前野(dorsomedial prefrontal cortex, dmPFC)は、動き、注意、動機づけの制御に関与している[89]。また、前方(anterior rostral medial frontal cortex, arMFC)はメンタライジング(mentalizing)の関与、後方(posterior rostral medial frontal cortex, prMFC)は不整合や間違いの監視に関与することが知られている[90]。
- 6. 左腹内側前頭前野(ventromedial prefrontal cortex, vmPFC)は、動機づけ、感情、報酬の処理に関与しており、概念の情動的側面の処理の重要な役割を担っていると考えられている[91][92][93][94][95][90]。
- 内側辺縁領域(medial limbic regions)
- 7. 左後帯状回(posterior cingulate gyrus)は、エピソード記憶や空間視覚に関する記憶に関与しており[96][97][98][99][100][101][11][102][103][104][105][106]、未来の行動の参考とするために過去の経験の記録をしている可能性が示唆されている[21]。
大脳の右半球に関して、語用論の対象である比喩理解において右下前頭回の関与が報告されている[107][108]。一方、皮肉理解における右半球の関与に関しては報告により多様である[107][109][110][111][112]。また、比喩理解や皮肉理解においては、尾状核や扁桃体といった皮質下領域の関与も報告されている[112]。
このように、イメージング研究の知見は、上記の1. 左下頭頂葉後方と4. 左下前頭回は、環シルビウス溝言語領域に位置しており、前者は情報統合や内的知識の検索に、後者は音韻・文法・意味処理に関与していることから、そこが言語中枢であることを支持している。また、上記の2. 左中側頭回、3. 左紡錘状回と左海馬傍回は、環・環シルビウス溝言語領域に位置しており、意味記憶とエピソード記憶に関与していることから、これらは意味論的な情報の充填に関与していることを支持している。さらに、5. 左背内側前頭前野、6. 左腹内側前頭前野、そして7. 左後帯状回は、順に注意や動機づけの制御、感情や報酬処理、そしてエピソード記憶の記録に関与していることから、語用論的な情報の充填に関与していることが示唆されている。なお、語用論的な情報の充填に関しては、右半球言語領域や皮質下領域の関与も示唆されているものの、一貫した見解は得られていない。
関連項目
参考文献
- ↑ Chomsky, Noam.
The logical structure of linguistic theory
Chicago : University of Chicago Press: 1985(1955). - ↑ Croft, William, & Cruse, D. Alan.
Cognitive linguistics
Cambridge : Cambridge University Press: 2004. - ↑ Lakoff, George.
Women, Fire, and Dangerous Things: What Categories Reveal About the Mind.
University of Chicago Press: 1987. - ↑ Sperber, D. and Wilson, D
Relevance: Communication and cognition.
Oxford: Blackwell:1986 (『関連性理論:伝達と認知』, 内田聖二他訳, 研究社出版; 第二版は1995年) - ↑ Denes, Peter B., & Pinson, Elliot N.
The Speech Chain: The Physics and Biology of Spoken Language
New York: Doubleday: 1973(1963). - ↑ 深谷昌弘・田中茂範
コトバの意味づけ論:日常言語の生の営み
紀伊國屋書店:1996 - ↑ 田中茂範・深谷昌弘
意味づけ論の展開:情況編成・コトバ・会話
紀伊國屋書店:1998 - ↑ 8.0 8.1 山鳥重
言語生成の大脳機構
音声言語医学, 37(2), 262-266:1996 - ↑ Benson, D.F.
Aphasia, alexia, and agraphia.
New York: Churchill Livingstone: 1979. - ↑
Geschwind, N. (1972).
Language and the brain. Scientific American, 226(4), 76-83. [PubMed:5014017] [WorldCat] [DOI] - ↑ 11.0 11.1
Mesulam, M.M. (1990).
Large-scale neurocognitive networks and distributed processing for attention, language, and memory. Annals of neurology, 28(5), 597-613. [PubMed:2260847] [WorldCat] [DOI] - ↑ Broca, P.
Remarques sur le siège de la faculté du langage articulé; suivies d’une observation d’aphémie (perte de la parole).
Bull Soc Anat Paris. 1861, 6; 330-357. - ↑ 13.0 13.1 Wernicke, C.
Der aphasische Symptomenkomplex. Eine psychologische Studie auf anatomischer Basis
Breslau: Max Cohn & Weigert: 1874. PDF - ↑
Snowden, J.S., Neary, D., Mann, D.M., Goulding, P.J., & Testa, H.J. (1992).
Progressive language disorder due to lobar atrophy. Annals of neurology, 31(2), 174-83. [PubMed:1575456] [WorldCat] [DOI] - ↑
Damasio, A.R. (1992).
Aphasia. The New England journal of medicine, 326(8), 531-9. [PubMed:1732792] [WorldCat] [DOI] - ↑
Freedman, M., Alexander, M.P., & Naeser, M.A. (1984).
Anatomic basis of transcortical motor aphasia. Neurology, 34(4), 409-17. [PubMed:6538298] [WorldCat] [DOI] - ↑
Mori, E., Yamadori, A., & Mitani, Y. (1986).
Left thalamic infarction and disturbance of verbal memory: a clinicoanatomical study with a new method of computed tomographic stereotaxic lesion localization. Annals of neurology, 20(6), 671-6. [PubMed:3545050] [WorldCat] [DOI] - ↑
Weylman, S.T., Brownell, H.H., & Gardner, H. (1988).
"It's what you mean, not what you say": pragmatic language use in brain-damaged patients. Research publications - Association for Research in Nervous and Mental Disease, 66, 229-43. [PubMed:2451849] [WorldCat] - ↑
Ross, E.D. (1981).
The aprosodias. Functional-anatomic organization of the affective components of language in the right hemisphere. Archives of neurology, 38(9), 561-9. [PubMed:7271534] [WorldCat] [DOI] - ↑
Geschwind, N. (1979).
Specializations of the human brain. Scientific American, 241(3), 180-99. [PubMed:493918] [WorldCat] [DOI] - ↑ 21.0 21.1 21.2 21.3
Binder, J.R., Desai, R.H., Graves, W.W., & Conant, L.L. (2009).
Where is the semantic system? A critical review and meta-analysis of 120 functional neuroimaging studies. Cerebral cortex (New York, N.Y. : 1991), 19(12), 2767-96. [PubMed:19329570] [PMC] [WorldCat] [DOI] - ↑
Ni, W., Constable, R.T., Mencl, W.E., Pugh, K.R., Fulbright, R.K., Shaywitz, S.E., ..., & Shankweiler, D. (2000).
An event-related neuroimaging study distinguishing form and content in sentence processing. Journal of cognitive neuroscience, 12(1), 120-33. [PubMed:10769310] [WorldCat] - ↑ 23.0 23.1
Friederici, A.D., Rüschemeyer, S.A., Hahne, A., & Fiebach, C.J. (2003).
The role of left inferior frontal and superior temporal cortex in sentence comprehension: localizing syntactic and semantic processes. Cerebral cortex (New York, N.Y. : 1991), 13(2), 170-7. [PubMed:12507948] [WorldCat] [DOI] - ↑
Newman, S.D., Just, M.A., Keller, T.A., Roth, J., & Carpenter, P.A. (2003).
Differential effects of syntactic and semantic processing on the subregions of Broca's area. Brain research. Cognitive brain research, 16(2), 297-307. [PubMed:12668239] [WorldCat] - ↑
Humphries, C., Binder, J.R., Medler, D.A., & Liebenthal, E. (2007).
Time course of semantic processes during sentence comprehension: an fMRI study. NeuroImage, 36(3), 924-32. [PubMed:17500009] [PMC] [WorldCat] [DOI] - ↑
Martin, A., Haxby, J.V., Lalonde, F.M., Wiggs, C.L., & Ungerleider, L.G. (1995).
Discrete cortical regions associated with knowledge of color and knowledge of action. Science (New York, N.Y.), 270(5233), 102-5. [PubMed:7569934] [WorldCat] [DOI] - ↑
Martin, A., Wiggs, C.L., Ungerleider, L.G., & Haxby, J.V. (1996).
Neural correlates of category-specific knowledge. Nature, 379(6566), 649-52. [PubMed:8628399] [WorldCat] [DOI] - ↑
Cappa, S.F., Perani, D., Schnur, T., Tettamanti, M., & Fazio, F. (1998).
The effects of semantic category and knowledge type on lexical-semantic access: a PET study. NeuroImage, 8(4), 350-9. [PubMed:9811553] [WorldCat] [DOI] - ↑ 29.0 29.1 29.2
Chao, L.L., Haxby, J.V., & Martin, A. (1999).
Attribute-based neural substrates in temporal cortex for perceiving and knowing about objects. Nature neuroscience, 2(10), 913-9. [PubMed:10491613] [WorldCat] [DOI] 引用エラー: 無効な<ref>
タグ; name "Chao1999"が異なる内容で複数回定義されています 引用エラー: 無効な<ref>
タグ; name "Chao1999"が異なる内容で複数回定義されています - ↑
Chao, L.L., & Martin, A. (2000).
Representation of manipulable man-made objects in the dorsal stream. NeuroImage, 12(4), 478-84. [PubMed:10988041] [WorldCat] [DOI] - ↑
Moore, C.J., & Price, C.J. (1999).
A functional neuroimaging study of the variables that generate category-specific object processing differences. Brain : a journal of neurology, 122 ( Pt 5), 943-62. [PubMed:10355678] [WorldCat] [DOI] - ↑
Perani, D., Schnur, T., Tettamanti, M., Gorno-Tempini, M., Cappa, S.F., & Fazio, F. (1999).
Word and picture matching: a PET study of semantic category effects. Neuropsychologia, 37(3), 293-306. [PubMed:10199643] [WorldCat] [DOI] - ↑
Grossman, M., Koenig, P., DeVita, C., Glosser, G., Alsop, D., Detre, J., & Gee, J. (2002).
The neural basis for category-specific knowledge: an fMRI study. NeuroImage, 15(4), 936-48. [PubMed:11906234] [WorldCat] [DOI] - ↑
Kable, J.W., Lease-Spellmeyer, J., & Chatterjee, A. (2002).
Neural substrates of action event knowledge. Journal of cognitive neuroscience, 14(5), 795-805. [PubMed:12167263] [WorldCat] [DOI] - ↑
Phillips, J.A., Noppeney, U., Humphreys, G.W., & Price, C.J. (2002).
Can segregation within the semantic system account for category-specific deficits? Brain : a journal of neurology, 125(Pt 9), 2067-80. [PubMed:12183352] [WorldCat] [DOI] - ↑
Noppeney, U., Friston, K.J., & Price, C.J. (2003).
Effects of visual deprivation on the organization of the semantic system. Brain : a journal of neurology, 126(Pt 7), 1620-7. [PubMed:12805112] [WorldCat] [DOI] - ↑
Tyler, L.K., Stamatakis, E.A., Dick, E., Bright, P., Fletcher, P., & Moss, H. (2003).
Objects and their actions: evidence for a neurally distributed semantic system. NeuroImage, 18(2), 542-57. [PubMed:12595206] [WorldCat] - ↑ 38.0 38.1
Davis, M.H., Meunier, F., & Marslen-Wilson, W.D. (2004).
Neural responses to morphological, syntactic, and semantic properties of single words: an fMRI study. Brain and language, 89(3), 439-49. [PubMed:15120536] [WorldCat] [DOI] - ↑
Kable, J.W., Kan, I.P., Wilson, A., Thompson-Schill, S.L., & Chatterjee, A. (2005).
Conceptual representations of action in the lateral temporal cortex. Journal of cognitive neuroscience, 17(12), 1855-70. [PubMed:16356324] [WorldCat] [DOI] - ↑
Noppeney, U., Josephs, O., Kiebel, S., Friston, K.J., & Price, C.J. (2005).
Action selectivity in parietal and temporal cortex. Brain research. Cognitive brain research, 25(3), 641-9. [PubMed:16242924] [WorldCat] [DOI] - ↑
Wallentin, M., Lund, T.E., Ostergaard, S., Ostergaard, L., & Roepstorff, A. (2005).
Motion verb sentences activate left posterior middle temporal cortex despite static context. Neuroreport, 16(6), 649-52. [PubMed:15812326] [WorldCat] [DOI] - ↑
Geschwind, N. (1971).
Current concepts: aphasia. The New England journal of medicine, 284(12), 654-6. [PubMed:5545606] [WorldCat] [DOI] - ↑
Bogen, J.E., & Bogen, G.M. (1976).
Wernicke's region--Where is it? Annals of the New York Academy of Sciences, 280, 834-43. [PubMed:1070943] [WorldCat] [DOI] - ↑
Hillis, A.E., Wityk, R.J., Tuffiash, E., Beauchamp, N.J., Jacobs, M.A., Barker, P.B., & Selnes, O.A. (2001).
Hypoperfusion of Wernicke's area predicts severity of semantic deficit in acute stroke. Annals of neurology, 50(5), 561-6. [PubMed:11706960] [WorldCat] - ↑
Binder, J.R., Frost, J.A., Hammeke, T.A., Bellgowan, P.S., Springer, J.A., Kaufman, J.N., & Possing, E.T. (2000).
Human temporal lobe activation by speech and nonspeech sounds. Cerebral cortex (New York, N.Y. : 1991), 10(5), 512-28. [PubMed:10847601] [WorldCat] [DOI] - ↑
Hickok, G., Buchsbaum, B., Humphries, C., & Muftuler, T. (2003).
Auditory-motor interaction revealed by fMRI: speech, music, and working memory in area Spt. Journal of cognitive neuroscience, 15(5), 673-82. [PubMed:12965041] [WorldCat] [DOI] - ↑
Scott, S.K., & Johnsrude, I.S. (2003).
The neuroanatomical and functional organization of speech perception. Trends in neurosciences, 26(2), 100-7. [PubMed:12536133] [WorldCat] [DOI] - ↑ 48.0 48.1
Indefrey, P., & Levelt, W.J. (2004).
The spatial and temporal signatures of word production components. Cognition, 92(1-2), 101-44. [PubMed:15037128] [WorldCat] [DOI] - ↑
Liebenthal, E., Binder, J.R., Spitzer, S.M., Possing, E.T., & Medler, D.A. (2005).
Neural substrates of phonemic perception. Cerebral cortex (New York, N.Y. : 1991), 15(10), 1621-31. [PubMed:15703256] [WorldCat] [DOI] - ↑
Buchsbaum, B.R., & D'Esposito, M. (2008).
The search for the phonological store: from loop to convolution. Journal of cognitive neuroscience, 20(5), 762-78. [PubMed:18201133] [WorldCat] [DOI] - ↑
Graves, W.W., Grabowski, T.J., Mehta, S., & Gupta, P. (2008).
The left posterior superior temporal gyrus participates specifically in accessing lexical phonology. Journal of cognitive neuroscience, 20(9), 1698-710. [PubMed:18345989] [PMC] [WorldCat] [DOI] - ↑
D'Esposito, M., Detre, J.A., Aguirre, G.K., Stallcup, M., Alsop, D.C., Tippet, L.J., & Farah, M.J. (1997).
A functional MRI study of mental image generation. Neuropsychologia, 35(5), 725-30. [PubMed:9153035] [WorldCat] [DOI] - ↑ 53.0 53.1
Thompson-Schill, S.L., Aguirre, G.K., D'Esposito, M., & Farah, M.J. (1999).
A neural basis for category and modality specificity of semantic knowledge. Neuropsychologia, 37(6), 671-6. [PubMed:10390028] [WorldCat] [DOI] 引用エラー: 無効な<ref>
タグ; name "ThompsonSchill1999"が異なる内容で複数回定義されています - ↑
Wise, R.J., Howard, D., Mummery, C.J., Fletcher, P., Leff, A., Büchel, C., & Scott, S.K. (2000).
Noun imageability and the temporal lobes. Neuropsychologia, 38(7), 985-94. [PubMed:10775709] [WorldCat] [DOI] - ↑
Kan, I.P., Barsalou, L.W., Solomon, K.O., Minor, J.K., & Thompson-Schill, S.L. (2003).
Role of mental imagery in a property verification task: FMRI evidence for perceptual representations of conceptual knowledge. Cognitive neuropsychology, 20(3), 525-40. [PubMed:20957583] [WorldCat] [DOI] - ↑
Vandenbulcke, M., Peeters, R., Fannes, K., & Vandenberghe, R. (2006).
Knowledge of visual attributes in the right hemisphere. Nature neuroscience, 9(7), 964-70. [PubMed:16767090] [WorldCat] [DOI] - ↑
Simmons, W.K., Ramjee, V., Beauchamp, M.S., McRae, K., Martin, A., & Barsalou, L.W. (2007).
A common neural substrate for perceiving and knowing about color. Neuropsychologia, 45(12), 2802-10. [PubMed:17575989] [PMC] [WorldCat] [DOI] - ↑
Insausti, R., Amaral, D.G., & Cowan, W.M. (1987).
The entorhinal cortex of the monkey: II. Cortical afferents. The Journal of comparative neurology, 264(3), 356-95. [PubMed:2445796] [WorldCat] [DOI] - ↑
Suzuki, W.A., & Amaral, D.G. (1994).
Perirhinal and parahippocampal cortices of the macaque monkey: cortical afferents. The Journal of comparative neurology, 350(4), 497-533. [PubMed:7890828] [WorldCat] [DOI] - ↑
Levy, D.A., Bayley, P.J., & Squire, L.R. (2004).
The anatomy of semantic knowledge: medial vs. lateral temporal lobe. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 101(17), 6710-5. [PubMed:15090653] [PMC] [WorldCat] [DOI] - ↑
Petersen, S.E., Fox, P.T., Posner, M.I., Mintun, M., & Raichle, M.E. (1988).
Positron emission tomographic studies of the cortical anatomy of single-word processing. Nature, 331(6157), 585-9. [PubMed:3277066] [WorldCat] [DOI] - ↑
Frith, C.D., Friston, K.J., Liddle, P.F., & Frackowiak, R.S. (1991).
A PET study of word finding. Neuropsychologia, 29(12), 1137-48. [PubMed:1791928] [WorldCat] [DOI] - ↑
Kapur, S., Rose, R., Liddle, P.F., Zipursky, R.B., Brown, G.M., Stuss, D., ..., & Tulving, E. (1994).
The role of the left prefrontal cortex in verbal processing: semantic processing or willed action? Neuroreport, 5(16), 2193-6. [PubMed:7865775] [WorldCat] [DOI] - ↑ 64.0 64.1 64.2
Fiez, J.A. (1997).
Phonology, semantics, and the role of the left inferior prefrontal cortex. Human brain mapping, 5(2), 79-83. [PubMed:10096412] [WorldCat] - ↑
Thompson-Schill, S.L., D'Esposito, M., Aguirre, G.K., & Farah, M.J. (1997).
Role of left inferior prefrontal cortex in retrieval of semantic knowledge: a reevaluation. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 94(26), 14792-7. [PubMed:9405692] [PMC] [WorldCat] [DOI] - ↑
Gabrieli, J.D., Poldrack, R.A., & Desmond, J.E. (1998).
The role of left prefrontal cortex in language and memory. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 95(3), 906-13. [PubMed:9448258] [PMC] [WorldCat] [DOI] - ↑ 67.0 67.1
Poldrack, R.A., Wagner, A.D., Prull, M.W., Desmond, J.E., Glover, G.H., & Gabrieli, J.D. (1999).
Functional specialization for semantic and phonological processing in the left inferior prefrontal cortex. NeuroImage, 10(1), 15-35. [PubMed:10385578] [WorldCat] [DOI] - ↑
Wagner, A.D., Koutstaal, W., Maril, A., Schacter, D.L., & Buckner, R.L. (2000).
Task-specific repetition priming in left inferior prefrontal cortex. Cerebral cortex (New York, N.Y. : 1991), 10(12), 1176-84. [PubMed:11073867] [WorldCat] [DOI] - ↑
Roskies, A.L., Fiez, J.A., Balota, D.A., Raichle, M.E., & Petersen, S.E. (2001).
Task-dependent modulation of regions in the left inferior frontal cortex during semantic processing. Journal of cognitive neuroscience, 13(6), 829-43. [PubMed:11564326] [WorldCat] [DOI] - ↑
Wagner, A.D., Paré-Blagoev, E.J., Clark, J., & Poldrack, R.A. (2001).
Recovering meaning: left prefrontal cortex guides controlled semantic retrieval. Neuron, 31(2), 329-38. [PubMed:11502262] [WorldCat] [DOI] - ↑
Chee, M.W., Hon, N.H., Caplan, D., Lee, H.L., & Goh, J. (2002).
Frequency of concrete words modulates prefrontal activation during semantic judgments. NeuroImage, 16(1), 259-68. [PubMed:11969333] [WorldCat] [DOI] - ↑ 72.0 72.1
Gold, B.T., & Buckner, R.L. (2002).
Common prefrontal regions coactivate with dissociable posterior regions during controlled semantic and phonological tasks. Neuron, 35(4), 803-12. [PubMed:12194878] [WorldCat] [DOI] - ↑ 73.0 73.1
Nyberg, L., Marklund, P., Persson, J., Cabeza, R., Forkstam, C., Petersson, K.M., & Ingvar, M. (2003).
Common prefrontal activations during working memory, episodic memory, and semantic memory. Neuropsychologia, 41(3), 371-7. [PubMed:12457761] [WorldCat] [DOI] - ↑
Simmons, A., Miller, D., Feinstein, J.S., Goldberg, T.E., & Paulus, M.P. (2005).
Left inferior prefrontal cortex activation during a semantic decision-making task predicts the degree of semantic organization. NeuroImage, 28(1), 30-8. [PubMed:16009569] [WorldCat] [DOI] - ↑
Goldberg, R.F., Perfetti, C.A., Fiez, J.A., & Schneider, W. (2007).
Selective retrieval of abstract semantic knowledge in left prefrontal cortex. The Journal of neuroscience : the official journal of the Society for Neuroscience, 27(14), 3790-8. [PubMed:17409243] [PMC] [WorldCat] [DOI] - ↑
Démonet, J.F., Chollet, F., Ramsay, S., Cardebat, D., Nespoulous, J.L., Wise, R., ..., & Frackowiak, R. (1992).
The anatomy of phonological and semantic processing in normal subjects. Brain : a journal of neurology, 115 ( Pt 6), 1753-68. [PubMed:1486459] [WorldCat] [DOI] - ↑
Zatorre, R.J., Evans, A.C., Meyer, E., & Gjedde, A. (1992).
Lateralization of phonetic and pitch discrimination in speech processing. Science (New York, N.Y.), 256(5058), 846-9. [PubMed:1589767] [WorldCat] [DOI] - ↑
Paulesu, E., Frith, C.D., & Frackowiak, R.S. (1993).
The neural correlates of the verbal component of working memory. Nature, 362(6418), 342-5. [PubMed:8455719] [WorldCat] [DOI] - ↑
Smith, E.E., Jonides, J., Marshuetz, C., & Koeppe, R.A. (1998).
Components of verbal working memory: evidence from neuroimaging. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 95(3), 876-82. [PubMed:9448254] [PMC] [WorldCat] [DOI] - ↑
Fiez, J.A., Balota, D.A., Raichle, M.E., & Petersen, S.E. (1999).
Effects of lexicality, frequency, and spelling-to-sound consistency on the functional anatomy of reading. Neuron, 24(1), 205-18. [PubMed:10677038] [WorldCat] [DOI] - ↑
Burton, M.W., Small, S.L., & Blumstein, S.E. (2000).
The role of segmentation in phonological processing: an fMRI investigation. Journal of cognitive neuroscience, 12(4), 679-90. [PubMed:10936919] [WorldCat] - ↑
Embick, D., Marantz, A., Miyashita, Y., O'Neil, W., & Sakai, K.L. (2000).
A syntactic specialization for Broca's area. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 97(11), 6150-4. [PubMed:10811887] [PMC] [WorldCat] [DOI] - ↑
Poldrack, R.A., Temple, E., Protopapas, A., Nagarajan, S., Tallal, P., Merzenich, M., & Gabrieli, J.D. (2001).
Relations between the neural bases of dynamic auditory processing and phonological processing: evidence from fMRI. Journal of cognitive neuroscience, 13(5), 687-97. [PubMed:11506664] [WorldCat] [DOI] - ↑
Fiebach, C.J., Schlesewsky, M., Lohmann, G., von Cramon, D.Y., & Friederici, A.D. (2005).
Revisiting the role of Broca's area in sentence processing: syntactic integration versus syntactic working memory. Human brain mapping, 24(2), 79-91. [PubMed:15455462] [WorldCat] [DOI] - ↑
Owen, A.M., McMillan, K.M., Laird, A.R., & Bullmore, E. (2005).
N-back working memory paradigm: a meta-analysis of normative functional neuroimaging studies. Human brain mapping, 25(1), 46-59. [PubMed:15846822] [WorldCat] [DOI] - ↑
Tan, L.H., Laird, A.R., Li, K., & Fox, P.T. (2005).
Neuroanatomical correlates of phonological processing of Chinese characters and alphabetic words: a meta-analysis. Human brain mapping, 25(1), 83-91. [PubMed:15846817] [WorldCat] [DOI] - ↑
Grodzinsky, Y., & Friederici, A.D. (2006).
Neuroimaging of syntax and syntactic processing. Current opinion in neurobiology, 16(2), 240-6. [PubMed:16563739] [WorldCat] [DOI] - ↑
Hagoort, P. (2005).
On Broca, brain, and binding: a new framework. Trends in cognitive sciences, 9(9), 416-23. [PubMed:16054419] [WorldCat] [DOI] - ↑ Damasio H.
Cerebral localization of the aphasias.
In: Sarno MT, editor. Acquired aphasia. Orlando: Academic Press. 1981, p. 27--50. - ↑ 90.0 90.1
Amodio, D.M., & Frith, C.D. (2006).
Meeting of minds: the medial frontal cortex and social cognition. Nature reviews. Neuroscience, 7(4), 268-77. [PubMed:16552413] [WorldCat] [DOI] - ↑ Damasio AR.
Descarte’s error: emotion, reason, and the human brain.
New York: Putnam. 1994. - ↑
Drevets, W.C., Price, J.L., Simpson, J.R., Todd, R.D., Reich, T., Vannier, M., & Raichle, M.E. (1997).
Subgenual prefrontal cortex abnormalities in mood disorders. Nature, 386(6627), 824-7. [PubMed:9126739] [WorldCat] [DOI] - ↑
Mayberg, H.S., Liotti, M., Brannan, S.K., McGinnis, S., Mahurin, R.K., Jerabek, P.A., ..., & Fox, P.T. (1999).
Reciprocal limbic-cortical function and negative mood: converging PET findings in depression and normal sadness. The American journal of psychiatry, 156(5), 675-82. [PubMed:10327898] [WorldCat] [DOI] - ↑
Bechara, A., Damasio, H., & Damasio, A.R. (2000).
Emotion, decision making and the orbitofrontal cortex. Cerebral cortex (New York, N.Y. : 1991), 10(3), 295-307. [PubMed:10731224] [WorldCat] [DOI] - ↑
Phillips, M.L., Drevets, W.C., Rauch, S.L., & Lane, R. (2003).
Neurobiology of emotion perception II: Implications for major psychiatric disorders. Biological psychiatry, 54(5), 515-28. [PubMed:12946880] [WorldCat] [DOI] - ↑
Valenstein, E., Bowers, D., Verfaellie, M., Heilman, K.M., Day, A., & Watson, R.T. (1987).
Retrosplenial amnesia. Brain : a journal of neurology, 110 ( Pt 6), 1631-46. [PubMed:3427404] [WorldCat] [DOI] - ↑
Rudge, P., & Warrington, E.K. (1991).
Selective impairment of memory and visual perception in splenial tumours. Brain : a journal of neurology, 114 ( Pt 1B), 349-60. [PubMed:2004246] [WorldCat] [DOI] - ↑
Aggleton, J.P., & Pearce, J.M. (2001).
Neural systems underlying episodic memory: insights from animal research. Philosophical transactions of the Royal Society of London. Series B, Biological sciences, 356(1413), 1467-82. [PubMed:11571037] [PMC] [WorldCat] [DOI] - ↑
Vincent, J.L., Snyder, A.Z., Fox, M.D., Shannon, B.J., Andrews, J.R., Raichle, M.E., & Buckner, R.L. (2006).
Coherent spontaneous activity identifies a hippocampal-parietal memory network. Journal of neurophysiology, 96(6), 3517-31. [PubMed:16899645] [WorldCat] [DOI] - ↑
Epstein, R.A., Parker, W.E., & Feiler, A.M. (2007).
Where am I now? Distinct roles for parahippocampal and retrosplenial cortices in place recognition. The Journal of neuroscience : the official journal of the Society for Neuroscience, 27(23), 6141-9. [PubMed:17553986] [PMC] [WorldCat] [DOI] - ↑
Maddock, R.J. (1999).
The retrosplenial cortex and emotion: new insights from functional neuroimaging of the human brain. Trends in neurosciences, 22(7), 310-6. [PubMed:10370255] [WorldCat] [DOI] - ↑
Small, D.M., Gitelman, D.R., Gregory, M.D., Nobre, A.C., Parrish, T.B., & Mesulam, M.M. (2003).
The posterior cingulate and medial prefrontal cortex mediate the anticipatory allocation of spatial attention. NeuroImage, 18(3), 633-41. [PubMed:12667840] [WorldCat] - ↑
Hassabis, D., Kumaran, D., & Maguire, E.A. (2007).
Using imagination to understand the neural basis of episodic memory. The Journal of neuroscience : the official journal of the Society for Neuroscience, 27(52), 14365-74. [PubMed:18160644] [PMC] [WorldCat] [DOI] - ↑
Johnson, M.R., Mitchell, K.J., Raye, C.L., D'Esposito, M., & Johnson, M.K. (2007).
A brief thought can modulate activity in extrastriate visual areas: Top-down effects of refreshing just-seen visual stimuli. NeuroImage, 37(1), 290-9. [PubMed:17574442] [PMC] [WorldCat] [DOI] - ↑
Burgess, N. (2008).
Spatial cognition and the brain. Annals of the New York Academy of Sciences, 1124, 77-97. [PubMed:18400925] [WorldCat] [DOI] - ↑
Vogt, B.A., Vogt, L., & Laureys, S. (2006).
Cytology and functionally correlated circuits of human posterior cingulate areas. NeuroImage, 29(2), 452-66. [PubMed:16140550] [PMC] [WorldCat] [DOI] - ↑ 107.0 107.1
Bohrn, I.C., Altmann, U., & Jacobs, A.M. (2012).
Looking at the brains behind figurative language--a quantitative meta-analysis of neuroimaging studies on metaphor, idiom, and irony processing. Neuropsychologia, 50(11), 2669-83. [PubMed:22824234] [WorldCat] [DOI] - ↑
Rapp, A.M., Mutschler, D.E., & Erb, M. (2012).
Where in the brain is nonliteral language? A coordinate-based meta-analysis of functional magnetic resonance imaging studies. NeuroImage, 63(1), 600-10. [PubMed:22759997] [WorldCat] [DOI] - ↑
Spotorno, N., Koun, E., Prado, J., Van Der Henst, J.B., & Noveck, I.A. (2012).
Neural evidence that utterance-processing entails mentalizing: the case of irony. NeuroImage, 63(1), 25-39. [PubMed:22766167] [WorldCat] [DOI] - ↑
Wang, A.T., Lee, S.S., Sigman, M., & Dapretto, M. (2006).
Developmental changes in the neural basis of interpreting communicative intent. Social cognitive and affective neuroscience, 1(2), 107-21. [PubMed:18985123] [PMC] [WorldCat] [DOI] - ↑
Uchiyama, H., Seki, A., Kageyama, H., Saito, D.N., Koeda, T., Ohno, K., & Sadato, N. (2006).
Neural substrates of sarcasm: a functional magnetic-resonance imaging study. Brain research, 1124(1), 100-10. [PubMed:17092490] [WorldCat] [DOI] - ↑ 112.0 112.1
Uchiyama, H.T., Saito, D.N., Tanabe, H.C., Harada, T., Seki, A., Ohno, K., ..., & Sadato, N. (2012).
Distinction between the literal and intended meanings of sentences: a functional magnetic resonance imaging study of metaphor and sarcasm. Cortex; a journal devoted to the study of the nervous system and behavior, 48(5), 563-83. [PubMed:21333979] [WorldCat] [DOI]