「ノーダル」の版間の差分

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== オルソログ ==
== オルソログ ==
 ''Nodal''は後生動物に高度に保存されており、[[刺胞動物]]、[[螺旋卵割動物]] ([[軟体動物]]、[[環形動物]]など) および[[後口動物]] ([[脊索動物]]、[[半索動物]]や[[棘皮動物]]など) の多くの系統で存在が確認されている<ref name=Grande2014><pubmed>25690967</pubmed></ref><ref name=Namigai2014><pubmed>24510729</pubmed></ref><ref name=Watanabe2014><pubmed>25156256</pubmed></ref>。一方、脱皮動物 ([[節足動物]]や[[線形動物]]など) では、共通先祖で''Nodal''が失われたと推察されている<ref name=Grande2014><pubmed>25690967</pubmed></ref>。[[脊椎動物]]の[[モデル生物]]では、ゼブラフィッシュやアフリカツメガエルにおいて、種固有の全ゲノム重複を経て''Nodal''関連遺伝子が多重化している。
 ''Nodal''は後生動物に高度に保存されており、[[刺胞動物]]、[[螺旋卵割動物]] ([[軟体動物]]、[[環形動物]]など) および[[後口動物]] ([[脊索動物]]、[[半索動物]]や[[棘皮動物]]など) の多くの系統で存在が確認されている<ref name=Grande2014><pubmed>25690967</pubmed></ref><ref name=Namigai2014><pubmed>24510729</pubmed></ref><ref name=Watanabe2014><pubmed>25156256</pubmed></ref>。一方、脱皮動物 ([[節足動物]]や[[線形動物]]など) では、共通先祖で''Nodal''が失われたと推察されている<ref name=Grande2014><pubmed>25690967</pubmed></ref>。[[脊椎動物]]の[[モデル生物]]では、ゼブラフィッシュやアフリカツメガエルにおいて、種固有の全ゲノム重複を経て''Nodal''関連遺伝子が多重化している。
[[ファイル:Meno Nodal Fig2.png|サムネイル|'''図2. ノーダルシグナル'''<br> ノーダルシグナルの主要な構成因子を示す模式図。ノーダルはCrypticなどのEGF-CFCファミリーに依存してアクチビン受容体に結合する。リン酸化Smad2/3は核に移行し、FoxH1などと協調して標的遺伝子 (ノーダル, Lefty2, Pitx2など) の発現を誘導する。これらの遺伝子に描かれた青色楕円は、FoxH1が結合するエンハンサーASEを表している。ノーダルはポジティブフィードバックループとLeftyを介したネガティブフィードバックループを構成する。]]
[[ファイル:Meno Nodal Fig2.png|200px|サムネイル|'''図2. ノーダルシグナル'''<br> ノーダルシグナルの主要な構成因子を示す模式図。ノーダルはCrypticなどのEGF-CFCファミリーに依存してアクチビン受容体に結合する。リン酸化Smad2/3は核に移行し、FoxH1などと協調して標的遺伝子 (''Nodal'', ''Lefty2'', ''Pitx2''など) の発現を誘導する。これらの遺伝子に描かれた青色楕円は、FoxH1が結合するエンハンサーASEを表している。ノーダルはポジティブフィードバックループとLeftyを介したネガティブフィードバックループを構成する。]]
 
== ノーダルシグナルとその制御 ==
== ノーダルシグナルとその制御 ==
 ノーダルは[[アクチビン]]受容体 (タイプIIとして[[ActRIIA]]/[[ActRIIB|B]]、タイプIとして[[ALK4]]/[[ALK7|7]]) と複合体を形成するが、この複合体形成には[[GPIアンカー]]型膜タンパク質である[[EGF]]-[[CFCファミリー]] (Cripto, Cryptic, [[FRL1]], [[Oep]]など) を必要とする<ref name=Shen2007><pubmed>17287255</pubmed></ref>。ノーダルの結合によって活性化されたタイプI受容体は[[Smad2]]/[[Smad3|3]]をリン酸化し、これらは[[Smad4]]と複合体を形成して核内に移行する。この複合体は[[FoxH1]]や[[Eomes]]などの[[転写因子]]と協調して標的遺伝子の発現を制御する。また、ノーダルはFoxH1を介した[[ポジティブフィードバックループ]]を形成しており、自らの発現を誘導する ('''図2''')<ref name=Norris2002><pubmed>12091315</pubmed></ref><ref name=Saijoh2000><pubmed>10678167</pubmed></ref><ref name=Yamamoto2003><pubmed>12642485</pubmed></ref>。
 ノーダルは[[アクチビン]]受容体 (タイプIIとして[[ActRIIA]]/[[ActRIIB|B]]、タイプIとして[[ALK4]]/[[ALK7|7]]) と複合体を形成するが、この複合体形成には[[GPIアンカー]]型膜タンパク質である[[EGF]]-[[CFCファミリー]] (Cripto, Cryptic, [[FRL1]], [[Oep]]など) を必要とする<ref name=Shen2007><pubmed>17287255</pubmed></ref>。ノーダルの結合によって活性化されたタイプI受容体は[[Smad2]]/[[Smad3|3]]をリン酸化し、これらは[[Smad4]]と複合体を形成して核内に移行する。この複合体は[[FoxH1]]や[[Eomes]]などの[[転写因子]]と協調して標的遺伝子の発現を制御する。また、ノーダルはFoxH1を介した[[ポジティブフィードバックループ]]を形成しており、自らの発現を誘導する ('''図2''')<ref name=Norris2002><pubmed>12091315</pubmed></ref><ref name=Saijoh2000><pubmed>10678167</pubmed></ref><ref name=Yamamoto2003><pubmed>12642485</pubmed></ref>。