「ニューロピリン」の版間の差分

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ニューロピリン(plexin)分子は、[[アフリカツメガエル]]の視覚系組織に対するモノクローナル抗体A5の抗原として同定された、1回膜貫通型のタイプI型膜分子であり、主に[[軸索]]誘導(ガイド)分子[[セマフォリン]]([[semaphorin]])の受容体としての機能を有する。[[脊椎動物]]では2種類の分子からなる。細胞外領域を介して様々なシグナル分子と相互作用するとともに、[[細胞膜]]表面で他の[[膜タンパク質]]と相互作用することにより、細胞内へとシグナルを伝達するための受容体として機能する(共受容体)。これまでに、培養系や[[ノックアウトマウス]]を用いた生体内での解析により、神経回路形成において、[[神経細胞移動]]、軸索誘導、軸索剪定、樹状突起形成、スパイン形成の制御など様々な現象に関わることが示されている。また、神経系以外の機能解析も進んでおり、特に血管形成、[[免疫]]系、骨形成を中心に、生体内の多様な局面で機能することが明らかになっている。
ニューロピリン(neuropilin)分子は、[[アフリカツメガエル]]の視覚系組織に対するモノクローナル抗体A5の抗原として同定された、1回膜貫通型のタイプI型膜分子であり、主に[[軸索]]誘導(ガイド)分子[[セマフォリン]]([[semaphorin]])の受容体としての機能を有する。[[脊椎動物]]では2種類の分子からなる。細胞外領域を介して様々なシグナル分子と相互作用するとともに、[[細胞膜]]表面で他の[[膜タンパク質]]と相互作用することにより、細胞内へとシグナルを伝達するための受容体として機能する(共受容体)。これまでに、培養系や[[ノックアウトマウス]]を用いた生体内での解析により、神経回路形成において、[[神経細胞移動]]、軸索誘導、軸索剪定、樹状突起形成、スパイン形成の制御など様々な現象に関わることが示されている。また、神経系以外の機能解析も進んでおり、特に血管形成、[[免疫]]系、骨形成を中心に、生体内の多様な局面で機能することが明らかになっている。

2016年2月10日 (水) 10:41時点における版

ニューロピリン(neuropilin)分子は、アフリカツメガエルの視覚系組織に対するモノクローナル抗体A5の抗原として同定された、1回膜貫通型のタイプI型膜分子であり、主に軸索誘導(ガイド)分子セマフォリン(semaphorin)の受容体としての機能を有する。脊椎動物では2種類の分子からなる。細胞外領域を介して様々なシグナル分子と相互作用するとともに、細胞膜表面で他の膜タンパク質と相互作用することにより、細胞内へとシグナルを伝達するための受容体として機能する(共受容体)。これまでに、培養系やノックアウトマウスを用いた生体内での解析により、神経回路形成において、神経細胞移動、軸索誘導、軸索剪定、樹状突起形成、スパイン形成の制御など様々な現象に関わることが示されている。また、神経系以外の機能解析も進んでおり、特に血管形成、免疫系、骨形成を中心に、生体内の多様な局面で機能することが明らかになっている。