「ケージド試薬」の版間の差分

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 ケージド神経伝達物質のような細胞外に投与するものに関しては、細胞外液に直接溶かすか、ガラスピペットなどを用いて局所的に投与する方法が用いられる。  
 ケージド神経伝達物質のような細胞外に投与するものに関しては、細胞外液に直接溶かすか、ガラスピペットなどを用いて局所的に投与する方法が用いられる。  


=== 光照射 ===
=== 光照射 ===


 一過的に強い光照射を行なうことに利点があるため、光源としては主にフラッシュランプや[[wikipedia:ja:レーザー|レーザー]]が用いられる。フラッシュランプ([[wikipedia:ja:パルスキセノン|パルスキセノン]]・[[wikipedia:ja:水銀アークランプ|水銀アークランプ]])は安価で効率的に活性化可能である。2光子励起の場合には700-800 nmの波長の近赤外超短[[wikipedia:ja:パルスレーザー|パルスレーザー]]が用いられ、高い[[wikipedia:ja:開口数|開口数]]の[[wikipedia:ja:対物レンズ|対物レンズ]]を通して集光する。照射時間の制御には機械式シャッター、より高速な制御を必要とする場合は、[[wikipedia:AOTF|AOTF]]、[[wikipedia:EOM|EOM]]などの光学素子が用いられる。  
 一過的に強い光照射を行なうことに利点があるため、光源としては主にフラッシュランプや[[wikipedia:ja:レーザー|レーザー]]が用いられる。フラッシュランプ([[wikipedia:ja:キセノンランプ#キセノンフラッシュランプ|パルスキセノン]]・[[wikipedia:ja:水銀アークランプ|水銀アークランプ]])は安価で効率的に活性化可能である。2光子励起の場合には700-800 nmの波長の近赤外超短[[wikipedia:ja:パルスレーザー|パルスレーザー]]が用いられ、高い[[wikipedia:ja:開口数|開口数]]の[[wikipedia:ja:対物レンズ|対物レンズ]]を通して集光する。照射時間の制御には機械式シャッター、より高速な制御を必要とする場合は、[[wikipedia:AOTF|AOTF]]、[[wikipedia:EOM|EOM]]などの光学素子が用いられる。  


 最近ではUV波長領域よりも長波長側の400 nm付近でも分解できるケージド試薬(RuBi-Glutamateなど)が開発されており<ref name="ref4" />、可視光を用いても、より細胞障害が低く、より深部での光分解が可能になりつつある。また光可逆的に活性をオンオフできるケージド試薬の開発が期待されている。
 最近ではUV波長領域よりも長波長側の400 nm付近でも分解できるケージド試薬(RuBi-Glutamateなど)が開発されており<ref name="ref4" />、可視光を用いても、より細胞障害が低く、より深部での光分解が可能になりつつある。また光可逆的に活性をオンオフできるケージド試薬の開発が期待されている。