「ナノボディ」の版間の差分

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一方、1993年、ヒトコブラクダは、 例外的に軽鎖がない重鎖のみでできた特殊な抗体(重鎖抗体Heavy chain antibodies )も持っていることが、Hamers-Castermanらによって報告された<ref><pubmed>8502296</pubmed></ref>。 これは、現存するラクダ科(ヒトコブラクダ、フタコブラクダ、リャマ/グアナコ、アルパカ/ビクーニャ)の動物に共通して見られる抗体である。その後、 軟骨魚(サメ、ギンザメなど)でも類似した重鎖抗体の存在が確認された。
一方、1993年、ヒトコブラクダは、 例外的に軽鎖がない重鎖のみでできた特殊な抗体(重鎖抗体Heavy chain antibodies )も持っていることが、Hamers-Castermanらによって報告された<ref><[[PubMed|pubmed]]>8502296</pubmed></ref>。 これは、現存するラクダ科(ヒトコブラクダ、フタコブラクダ、リャマ/グアナコ、アルパカ/ビクーニャ)の動物に共通して見られる抗体である。その後、 軟骨魚(サメ、ギンザメなど)でも類似した重鎖抗体の存在が確認された。


サメで見られる重鎖抗体は、IgNAR (new antigen receptor)と呼ばれ、1つの可変領域のドメイン(vNARと呼ばれる)が抗原と結合することができる。一方、ラクダ科の重鎖抗体では、その1つの可変領域ドメインはVHHと呼ばれる。他のポリペプチドの存在なしで抗原と結合する単鎖抗体であるVHHは、その分子量が通常のIgGの10分の1ほどの12-15kDaであり、nm単位の大きさであることから「ナノボディNanobody」と一般的に呼ばれている。  
サメで見られる重鎖抗体は、IgNAR (new antigen receptor)と呼ばれ、1つの可変領域のドメイン(vNARと呼ばれる)が抗原と結合することができる。一方、ラクダ科の重鎖抗体では、その1つの可変領域ドメインはVHHと呼ばれる。他のポリペプチドの存在なしで抗原と結合する単鎖抗体であるVHHは、その分子量が通常のIgGの10分の1ほどの12-15kDaであり、nm単位の大きさであることから「ナノボディNanobody」と一般的に呼ばれている。  
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免疫沈降法では、ナノボディをアガロースや磁気ビーズなどの担体にカップリングすることで得られた担体(例、Nano-trap)が市販されている。多くのナノボディは大量に精製できるので、通常の抗体などのアフィニティクロマトグラフィ担体を作製するのと同じように利用できる。例えば、GSTなどとの融合タンパク質は、GSTを結合するグルタチン結合ゲルに容易に結合するので、免疫沈降法に有用である。
免疫沈降法では、ナノボディをアガロースや磁気ビーズなどの担体にカップリングすることで得られた担体(例、Nano-trap)が市販されている。多くのナノボディは大量に精製できるので、通常の抗体などのアフィニティクロマトグラフィ担体を作製するのと同じように利用できる。例えば、GSTなどとの融合タンパク質は、GSTを結合するグルタチン結合ゲルに容易に結合するので、免疫沈降法に有用である。


====introbody, Chromobody====
====intrabody, Chromobody====
ナノボディの特徴は、組み換えタンパク質として、細胞内で機能的に発現することができることである。この方法は、一般にイントラボディIntrabody(細胞内ボディ、細胞内抗体)と呼ばれる。
ナノボディの特徴は、組み換えタンパク質として、細胞内で機能的に発現することができることである。この方法は、一般にイントラボディIntrabody(細胞内ボディ、細胞内抗体)と呼ばれる。