「統合失調症関連遺伝子」の版間の差分

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(ページの作成:「統合失調症関連遺伝子 (英:Schizophrenia susceptibility gene) 統合失調症は、思春期・青年期に発症し、幻覚・妄想などの陽性症状、...」)
 
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その後、多くのグループが共同して設立されたPsychiatric GWAS Consortium (PGC)は、メガ解析を行い、7個の領域でgenome-wide significanceを超える統合失調症関連遺伝子を報告している。major histocompatibility complex (MHC)領域は、リスクとして代表的な領域であるが、この領域が高い連鎖不平衡を示すという特性から、リスク遺伝子を絞り込むことは困難である。一方、PGCの結果でトップに位置づけられた新規遺伝子は、MIR137をコードする領域であり、P=1.6x10-11であった。MIR137は、発現を制御するmicro RNAであり、特に、神経発達や成熟に関与する遺伝子の調整因子であることが判明している。
その後、多くのグループが共同して設立されたPsychiatric GWAS Consortium (PGC)は、メガ解析を行い、7個の領域でgenome-wide significanceを超える統合失調症関連遺伝子を報告している。major histocompatibility complex (MHC)領域は、リスクとして代表的な領域であるが、この領域が高い連鎖不平衡を示すという特性から、リスク遺伝子を絞り込むことは困難である。一方、PGCの結果でトップに位置づけられた新規遺伝子は、MIR137をコードする領域であり、P=1.6x10-11であった。MIR137は、発現を制御するmicro RNAであり、特に、神経発達や成熟に関与する遺伝子の調整因子であることが判明している。


また、GWASは、copy number Variation (CNV)が統合失調症と関連することも報告している。特に、1q21.1deletion、NRXN1 deletiion、VIPR2 duplication、15q13.3 deletion、16p11.2 duplication、22q11.21 deletionなどの領域は、統合失調症患者でCNVが統計的有意に多く認められており、この領域に位置する遺伝子もまた、統合失調症候補遺伝子として有望であると言える。
また、GWASは、copy number variation (CNV)が統合失調症と関連することも報告している。特に、1q21.1deletion、NRXN1 deletiion、VIPR2 duplication、15q13.3 deletion、16p11.2 duplication、22q11.21 deletionなどの領域は、統合失調症患者でCNVが統計的有意に多く認められており、この領域に位置する遺伝子もまた、統合失調症候補遺伝子として有望であると言える。


今後は、Whole-genome/exome resequencingなどパーソナルゲノム解析へシフトして行くと考えられる。しかし、現在までのところ、小規模のサンプル数を用いた報告しかなされておらず、真のリスクとなる稀な変異の評価は困難なままである。
今後は、Whole-genome/exome resequencingなどパーソナルゲノム解析へシフトして行くと考えられる。しかし、現在までのところ、小規模のサンプル数を用いた報告しかなされておらず、真のリスクとなる稀な変異の評価は困難なままである。
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