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Yutakafurutani (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
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==3.ギャップジャンクション(Gap Junction)==<br>約1000ダルトン以下の低分子を通すことのできる細胞間チャネルを有する接着構造をギャップジャンクションという。ギャップジャンクションを介して、栄養素、代謝産物、セカンドメッセンジャー、陽イオン、陰イオンなどの様々な分子が細胞間で輸送される。この細胞間チャネルはConnexinsとPannexinsにより形成され、ヒトやマウスのゲノムには約20種類のConnexin遺伝子と、3種類のPannexin遺伝子が存在する。ニューロン間のギャップジャンクションは、主に6種類のConnexin-26, -30.2, -31.1, 36, -45, -57と2種類のPannexin-1, -2で構成される。Connexinsは細胞膜でホモまたはヘテロ6量体(Connexon)として存在し、対面する細胞膜のConnexonどうしでさらにホモフィリックあるいはヘテロフィリックに結合することで細胞間接合部チャネル、すなわちギャップジャンクションを形成する(図5)。ギャップジャンクションはニューロン間のみならず、小脳プルキンエ細胞とバーグマングリアの接着部位などにも存在し、ニューロン−グリア細胞間の情報伝達にも機能している(Sohl et al., 2005)。 | ==3.ギャップジャンクション(Gap Junction)==<br>約1000ダルトン以下の低分子を通すことのできる細胞間チャネルを有する接着構造をギャップジャンクションという。ギャップジャンクションを介して、栄養素、代謝産物、セカンドメッセンジャー、陽イオン、陰イオンなどの様々な分子が細胞間で輸送される。この細胞間チャネルはConnexinsとPannexinsにより形成され、ヒトやマウスのゲノムには約20種類のConnexin遺伝子と、3種類のPannexin遺伝子が存在する。ニューロン間のギャップジャンクションは、主に6種類のConnexin-26, -30.2, -31.1, 36, -45, -57と2種類のPannexin-1, -2で構成される。Connexinsは細胞膜でホモまたはヘテロ6量体(Connexon)として存在し、対面する細胞膜のConnexonどうしでさらにホモフィリックあるいはヘテロフィリックに結合することで細胞間接合部チャネル、すなわちギャップジャンクションを形成する(図5)。ギャップジャンクションはニューロン間のみならず、小脳プルキンエ細胞とバーグマングリアの接着部位などにも存在し、ニューロン−グリア細胞間の情報伝達にも機能している(Sohl et al., 2005)。 | ||
==4.タイトジャンクション(Tight Junction)==<br> 神経細胞におけるタイトジャンクションの存在に関しての報告はないが、血液−脳関門(Blood-Brain Barier: BBB)の維持におけるタイトジャンクションの役割は欠かせない。血管内皮細胞同士がタイトジャンクションを介して強固に結合することで、脳実質内への血液の浸潤を妨げるバリア構造が形成される。タイトジャンクションはClaudins、Occludins、JAMsによるホモフィリック結合を基盤として構築され、これら分子の細胞内領域がZonula occludens (ZO)を介してアクチン細胞骨格と結合することで、強固な細胞間接着構造が形成される(図6)(Tsukita et al., 2001; Redzic, 2011)。また、末梢神経系でのシュワン細胞による軸索の髄鞘形成においては、Claudin-19を介したタイトジャンクション構造が重要な役割を果たしている(Miyamoto et al., 2005)。<br> | ==4.タイトジャンクション(Tight Junction)==<br> 神経細胞におけるタイトジャンクションの存在に関しての報告はないが、血液−脳関門(Blood-Brain Barier: BBB)の維持におけるタイトジャンクションの役割は欠かせない。血管内皮細胞同士がタイトジャンクションを介して強固に結合することで、脳実質内への血液の浸潤を妨げるバリア構造が形成される。タイトジャンクションはClaudins、Occludins、JAMsによるホモフィリック結合を基盤として構築され、これら分子の細胞内領域がZonula occludens (ZO)を介してアクチン細胞骨格と結合することで、強固な細胞間接着構造が形成される(図6)(Tsukita et al., 2001; Redzic, 2011)。また、末梢神経系でのシュワン細胞による軸索の髄鞘形成においては、Claudin-19を介したタイトジャンクション構造が重要な役割を果たしている(Miyamoto et al., 2005)。<br> | ||
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図1 細胞接着における3種類の結合様式<br>上から順にホモフィリック結合、ヘテロフィリック結合、リガンド架橋型結合を示す。 | 図1 細胞接着における3種類の結合様式<br>上から順にホモフィリック結合、ヘテロフィリック結合、リガンド架橋型結合を示す。 | ||
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<br>==参考文献==<br><references/><br> | <br>==参考文献==<br><references/><br> | ||
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<br> (執筆者:古谷 裕、吉原良浩、担当編集委員:大隅典子) | <br> (執筆者:古谷 裕、吉原良浩、担当編集委員:大隅典子) |
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