「覚醒剤」の版間の差分

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<font size="+1">[http://researchmap.jp/nagisa_sugaya 菅谷 渚]</font><br>
''横浜市立大学 医学部 社会予防医学教室''<br>
<font size="+1">[http://researchmap.jp/kazutakaikeda 池田 和隆]</font><br>
''公益財団法人 東京都医学総合研究所 精神行動医学分野 依存性薬物プロジェクト ''<br>
DOI XXXX/XXXX 原稿受付日:2012年6月6日 原稿完成日:2012年7月24日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/tadafumikato 加藤 忠史](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br>
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英:psychostimulant 独:Psychostimulanzien 仏:psychostimulant  
英:psychostimulant 独:Psychostimulanzien 仏:psychostimulant  


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 覚せい剤は、本邦の覚せい剤取締法(後述)では[[メタンフェタミン]]([[フェニルメチルアミノプロパン]])と[[アンフェタミン]]([[フェニルアミノプロパン]])をはじめとして、これらと同様の作用を持ち制令で指定されたもの、またはそれを含有する物と定義されている。これらは、向精神薬の分類としては、精神刺激薬に含まれるが、精神刺激薬には、治療目的で用いられるメチルフェニデートなどの薬物も含まれる。すなわち、メタンフェタミンとアンフェタミンは、法的・社会的には覚せい剤に含まれ、薬理学的には精神刺激薬と呼ばれる。本稿ではメタンフェタミンおよびアンフェタミンについて概説する。 メタンフェタミンは、我が国で[[エフェドリン]]から合成されたものであり、エフェドリンは咳止め効果のある[[wikipedia:ja:生薬|生薬]]の麻黄([[wikipedia:ja:マオウ|マオウ]]、[[wikipedia:ja:エフェドラ|エフェドラ]])の成分である。ここからエフェドリンが抽出され、他の化学物質と反応させ密造される。性状は白色、無臭の結晶で水に溶けやすい。 1941年に[[wikipedia:ja:ヒロポン|ヒロポン]]などの販売名で発売され、第二次世界大戦時には軍需工場の労働者が徹夜作業を行う際にヒロポンを服用した。戦後、大量の覚せい剤が民間に放出され、乱用された。本邦は第二次世界大戦後の第一次覚せい剤乱用期(1945~1958)ののち、第二次覚せい剤乱用期(1970~1995)、第三次覚せい剤乱用期(1995~現在)を経験している。  
 覚せい剤は、本邦の覚せい剤取締法(後述)では[[メタンフェタミン]]([[フェニルメチルアミノプロパン]])と[[アンフェタミン]]([[フェニルアミノプロパン]])をはじめとして、これらと同様の作用を持ち制令で指定されたもの、またはそれを含有する物と定義されている。これらは、向精神薬の分類としては、精神刺激薬に含まれるが、精神刺激薬には、治療目的で用いられるメチルフェニデートなどの薬物も含まれる。すなわち、メタンフェタミンとアンフェタミンは、法的・社会的には覚せい剤に含まれ、薬理学的には精神刺激薬と呼ばれる。本稿ではメタンフェタミンおよびアンフェタミンについて概説する。 メタンフェタミンは、我が国で[[エフェドリン]]から合成されたものであり、エフェドリンは咳止め効果のある[[wikipedia:ja:生薬|生薬]]の麻黄([[wikipedia:ja:マオウ|マオウ]]、[[wikipedia:ja:エフェドラ|エフェドラ]])の成分である。ここからエフェドリンが抽出され、他の化学物質と反応させ密造される。性状は白色、無臭の結晶で水に溶けやすい。 1941年に[[wikipedia:ja:ヒロポン|ヒロポン]]などの販売名で発売され、第二次世界大戦時には軍需工場の労働者が徹夜作業を行う際にヒロポンを服用した。戦後、大量の覚せい剤が民間に放出され、乱用された。本邦は第二次世界大戦後の第一次覚せい剤乱用期(1945~1958)ののち、第二次覚せい剤乱用期(1970~1995)、第三次覚せい剤乱用期(1995~現在)を経験している。  
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== 化学構造  ==
== 化学構造  ==
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== 参考文献  ==
== 参考文献  ==


<references />  
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<br> (執筆者:菅谷渚、池田和隆 担当編集委員:加藤忠史)

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