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<font size="+1">[http://researchmap.jp/read0127854 田積 徹]</font><br> | |||
''文教大学 人間科学部 心理学科''<br> | |||
<font size="+1">[http://researchmap.jp/hisaonishijo 西条 寿夫]</font><br> | |||
''富山大学 医学部大学院システム情動科学''<br> | |||
DOI [[XXXX]]/XXXX 原稿受付日:2012年12月11日 原稿完成日:2013年月日<br> | |||
担当編集委員:[http://researchmap.jp/ichirofujita 藤田 一郎](大阪大学 大学院生命機能研究科)<br> | |||
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英:pleasure and unpleasure (英語名はこれで良いでしょうか?) | 英:pleasure and unpleasure (英語名はこれで良いでしょうか?) | ||
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接近行動に重要な役割を果たしている快刺激について、快感情と動機づけの側面を概説する。まず初めに、[[内側前脳束]]を中心とした脳部位への電気刺激は強い[[報酬]]であることが示され、“欲すること”と“好きなこと”は報酬という考えの中で、長い間区別されてこなかった。しかし、“欲すること”と“好きなこと”を司る機構が別々に脳内に存在するという恒常性説が提唱されており、それらの脳部位への[[自己刺激実験]](intracranial self-stimulation: ICSS)の現象をうまく説明できることを述べる。また、[[ドーパミン]]系の神経細胞を選択的に破壊した研究により、 “欲すること”が障害されるが“好きなこと”かどうかを弁別できることを示唆した実験を概説する。後半では、行動変容と快・不快刺激の出現・消失の関係性に関する[[オペラント条件づけ]]の手続きを概説する。この関係性は、行動した結果、強化子が出現するのか消失(あるいは省略)するのかによってその行動が増加もしくは減少するという4つの手続きから構成される。 | 接近行動に重要な役割を果たしている快刺激について、快感情と動機づけの側面を概説する。まず初めに、[[内側前脳束]]を中心とした脳部位への電気刺激は強い[[報酬]]であることが示され、“欲すること”と“好きなこと”は報酬という考えの中で、長い間区別されてこなかった。しかし、“欲すること”と“好きなこと”を司る機構が別々に脳内に存在するという恒常性説が提唱されており、それらの脳部位への[[自己刺激実験]](intracranial self-stimulation: ICSS)の現象をうまく説明できることを述べる。また、[[ドーパミン]]系の神経細胞を選択的に破壊した研究により、 “欲すること”が障害されるが“好きなこと”かどうかを弁別できることを示唆した実験を概説する。後半では、行動変容と快・不快刺激の出現・消失の関係性に関する[[オペラント条件づけ]]の手続きを概説する。この関係性は、行動した結果、強化子が出現するのか消失(あるいは省略)するのかによってその行動が増加もしくは減少するという4つの手続きから構成される。 | ||
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== 快・不快とは == | == 快・不快とは == | ||
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3.'''Buck, R.''' <br> Human motivation and emotion. 2nd ed. New York.: Wiley.(1988). <br> (バックR. 畑山俊輝・畑山みさ子・松岡和生・中村弘子・中村真・山口浩(訳)(2002)感情の社会生理心理学 金子書房) | 3.'''Buck, R.''' <br> Human motivation and emotion. 2nd ed. New York.: Wiley.(1988). <br> (バックR. 畑山俊輝・畑山みさ子・松岡和生・中村弘子・中村真・山口浩(訳)(2002)感情の社会生理心理学 金子書房) | ||