「ハンチントン病」の版間の差分

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===臨床症状===
===臨床症状===
 多くは30~40歳代に発症する.手足次いで頭頸部に舞踏運動を中心とした不随意運動が出現し,協調運動障害も認めるようになる.また,並行して易怒性や落ち着きのなさなどの性格変化,幻覚・妄想などの精神症状が見られるようになる.さらに認知機能が緩徐に低下していく.症状は進行性である.このような経過を「古典型」と表現する.しかしながら,臨床経過は症例ごとに大きくばらつきがあり,ごく稀に不随意運動を伴わない症例もある.
 多くは30~40歳代に発症する.手足次いで頭頸部に舞踏運動を中心とした不随意運動が出現し,協調運動障害も認めるようになる.また,並行して易怒性や落ち着きのなさなどの性格変化,幻覚・妄想などの精神症状が見られるようになる.さらに認知機能が緩徐に低下していく.症状は進行性である.このような経過を「古典型」と表現する.しかしながら,臨床経過は症例ごとに大きくばらつきがあり,ごく稀に不随意運動を伴わない症例もある.
 20歳以下で発症する若年型ハンチントン病では精神症状や認知機能障害で始まることが多く,初発時に運動症状を呈する例は少ない.若年型の場合,運動症状としては,舞踏運動ではなくパーキンソニズムやジストニアが見られることもある.発症年齢が若いほどてんかん発作の頻度が多く,発症年齢が10歳以下では1/2~1/3に見られる.若年発症型の方が広汎かつ重度な神経変性があり,それを反映して多彩な症状が出現し,進行が早く発症から5,6年で寝たきりとなる症例もある.一方,60歳以降の高齢発症者は,精神障害や知的障害を伴わないなど症状は軽度である.
 20歳以下で発症する若年型ハンチントン病では精神症状や認知機能障害で始まることが多く,初発時に運動症状を呈する例は少ない.若年型の場合,運動症状としては,舞踏運動ではなくパーキンソニズムやジストニアが見られることもある.発症年齢が若いほどてんかん発作の頻度が多く,発症年齢が10歳以下では1/2~1/3に見られる.若年発症型の方が広汎かつ重度な神経変性があり,それを反映して多彩な症状が出現し,進行が早く発症から5,6年で寝たきりとなる症例もある.一方,60歳以降の高齢発症者は,精神障害や知的障害を伴わないなど症状は軽度である.


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