「グリシン受容体」の版間の差分

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 [[In situ hybridization法]]により、グリシン受容体の各サブユニットをコードするmRNAの分布が調べられている<ref name=ref12><pubmed>1651228</pubmed></ref> <ref name=ref13><pubmed>1330217</pubmed></ref> <ref name=ref14><pubmed>8602277</pubmed></ref>。
 [[In situ hybridization法]]により、グリシン受容体の各サブユニットをコードするmRNAの分布が調べられている<ref name=ref12><pubmed>1651228</pubmed></ref> <ref name=ref13><pubmed>1330217</pubmed></ref> <ref name=ref14><pubmed>8602277</pubmed></ref>。


 α<sub>1</sub>サブユニットmRNAは成熟動物の脊髄、[[延髄]]に豊富に発現している。[[脊髄前角]]の[[運動ニューロン]]プールは強く標識されるが、[[後角]]の細胞群も中程度のラベルが多数見られることから、脊髄[[灰白質]]のほぼ全域に発現していると思われる。[[三叉神経]][[脊髄路核]]、[[蝸牛神経]]核を含む下部脳幹でも発現している。[[大脳皮質]]など上部脳での発現は観察されない。成長期[[ラット]]脊髄では、胎生19日ごろから発現が始まり、以後、生後発達とともに発現量が増加する。
<sub>1</sub>サブユニット
:成熟動物の脊髄、[[延髄]]に豊富に発現している。[[脊髄前角]]の[[運動ニューロン]]プールは強く標識されるが、[[後角]]の細胞群も中程度のラベルが多数見られることから、脊髄[[灰白質]]のほぼ全域に発現していると思われる。[[三叉神経]][[脊髄路核]]、[[蝸牛神経]]核を含む下部脳幹でも発現している。[[大脳皮質]]など上部脳での発現は観察されない。成長期[[ラット]]脊髄では、胎生19日ごろから発現が始まり、以後、生後発達とともに発現量が増加する。


 α<sub>2</sub>サブユニットmRNAは胎児期、生後の幼若期の脳、脊髄に広く発現している。胎生14日の時期にはすでに[[終脳]]、[[間脳]]、[[中脳]]、脊髄で強いシグナルが観察される。動物の日令とともにα<sub>2</sub>のシグナルは減少し、成熟期には消失するが、[[海馬]]を含む一部の大脳皮質では、成熟期においても発現している<ref name=ref14 />。
<sub>2</sub>サブユニット
:胎児期、生後の幼若期の脳、脊髄に広く発現している。胎生14日の時期にはすでに[[終脳]]、[[間脳]]、[[中脳]]、脊髄で強いシグナルが観察される。動物の日令とともにα<sub>2</sub>のシグナルは減少し、成熟期には消失するが、[[海馬]]を含む一部の大脳皮質では、成熟期においても発現している<ref name=ref14 />。


 α<sub>3</sub>サブユニットは成熟期動物の脊髄、[[大脳辺縁系]]、[[小脳顆粒細胞]]層に発現しているが、量的割合はα<sub>1</sub>と比べて低い。脊髄では後角表層(laminae I, II)に限局して発現している<ref name=ref8 />。
<sub>3</sub>サブユニット
:成熟期動物の脊髄、[[大脳辺縁系]]、[[小脳顆粒細胞]]層に発現しているが、量的割合はα<sub>1</sub>と比べて低い。脊髄では後角表層(laminae I, II)に限局して発現している<ref name=ref8 />。


 α<sub>4</sub>サブユニットは胎児期の脊髄に発現が観られるが、発現量は著しく少ない。
<sub>4</sub>サブユニット
:胎児期の脊髄に発現が観られるが、発現量は著しく少ない。


 βサブユニットはα<sub>1</sub>サブユニットと同様に胎児期・幼若期の脳脊髄には少なく、生後発達とともに発現量が増加するパターンを示す。
;βサブユニット
<sub>1</sub>サブユニットと同様に胎児期・幼若期の脳脊髄には少なく、生後発達とともに発現量が増加するパターンを示す。


== 機能 ==
== 機能 ==

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