16,040
回編集
細 (→予後) |
細 (→治療) |
||
123行目: | 123行目: | ||
== 治療 == | == 治療 == | ||
治療的介入は、客観的な証拠に基づいて作成された個別教育計画(Individualized Education Program, IEP)によって教育的介入がなされる。客観的な証拠として、Wechsler 系の知能検査や各種の神経心理検査が用いられる。 | 治療的介入は、客観的な証拠に基づいて作成された個別教育計画(Individualized Education Program, IEP)によって教育的介入がなされる。客観的な証拠として、Wechsler 系の知能検査や各種の神経心理検査が用いられる。 | ||
教育的介入の手法は、必ずしも薬物療法のように統計学的な裏付けがなされているわけではない。この背景には、学習障害が必ずしも均一の集団ではないため、統計学的な結果が得られにくいことも考え得る。実際、アルファベット圏におけるDyslexiaは、音素の読み取り・再構成が主たる障害と考え得られる比較的均一な集団であり、単語レベルの音韻指導が有用であり、オプトメトリックスに代表される視力訓練が無効であり受講しないように提言している。 | 教育的介入の手法は、必ずしも薬物療法のように統計学的な裏付けがなされているわけではない。この背景には、学習障害が必ずしも均一の集団ではないため、統計学的な結果が得られにくいことも考え得る。実際、アルファベット圏におけるDyslexiaは、音素の読み取り・再構成が主たる障害と考え得られる比較的均一な集団であり、単語レベルの音韻指導が有用であり、オプトメトリックスに代表される視力訓練が無効であり受講しないように提言している。 | ||
教育的介入にあたっては、 | |||
#苦手な部分を補う訓練と | |||
#苦手なところを迂回して学習を進める支援 | |||
とに大別できる。前者の例としては、Dyslexia の治療に用いられる音素の読み取り・再構成の訓練があげられる。日本においても発達性読み書き障害に対して、同様の手法が開発されている。後者の例としては、Dyslexiaにおいては読み取る能力に問題があっても聞きとる能力には問題がないので、読み聞かせがよい支援となり得る。 | |||
文部科学省は平成19年度より特別支援教育を開始した。特別支援教育の開始にあたって学校教育法の改訂がなされ、学習障害の子どもも特別支援教育の対象となった。校長の責務を明確化し、特別支援コーディネータの配置をすすめている。また、特別支援学校に地域支援の役割分担を求めている。また、日本LD学会は特別支援教育士の資格を提唱している。 | 文部科学省は平成19年度より特別支援教育を開始した。特別支援教育の開始にあたって学校教育法の改訂がなされ、学習障害の子どもも特別支援教育の対象となった。校長の責務を明確化し、特別支援コーディネータの配置をすすめている。また、特別支援学校に地域支援の役割分担を求めている。また、日本LD学会は特別支援教育士の資格を提唱している。 | ||
学習障害に対して有用な薬物療法は知られていない。注意欠陥・多動性障害などの合併障害に対して薬物療法が行われている。 | |||
== 参考文献 == | == 参考文献 == |