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英:alcoholism 独:Alkoholkrankheit 仏:alcoolisme | 英:alcoholism 独:Alkoholkrankheit 仏:alcoolisme | ||
{{box|text= | {{box|text= アルコール依存症は、飲酒の制御困難を本質的部分とする。身体面への影響、うつや自殺リスクを上げるなどの精神面への影響、家族関係など周囲の人々への影響、飲酒運転等の社会への影響など、多岐に渡る問題に繋がる。診断はICD10またはDSM5にてなされる。DSM5では「アルコール依存症」という分類はなくなり、基準となる症状の項目数により「アルコール使用障害」の診断の中で重症度を判定する仕組みとなっている。アルコール依存症の成因については、遺伝要因と環境要因の相互作用が考えられ、アルコール依存症の中間表現型を規定する遺伝子が検索されている。また、脳内報酬系等のアロステリックな変化が、物質使用障害における使用制御の困難を生み出す基盤と考えられている。治療は断酒を目標とした集団療法や様々な個人療法が認められているが、一方であくまで断酒を最終目標としながらも治療への参加を促すため、減酒を当初の目標とすることもある。}} | ||
(<u>編集部コメント:抄録を少し短くしました。</u>) | |||
==物質依存、概念の歴史== | ==物質依存、概念の歴史== | ||
[[依存]]を生じる[[精神作用物質]]のうち、最も古くから多くの人に親しまれているのは[[アルコール]]飲料であろう。アルコールなどの発酵性飲料の効果の発見はおそらく数千年前にまでさかのぼる。古代[[wj:エジプト|エジプト]]や[[wj:メソポタミア|メソポタミア]]などの[[wj:古代文明|古代文明]]の時代から酩酊や暴飲について述べられた文章が残されており、アルコール[[依存症]]者も古代から相当数存在していたと推測される。古代[[wj:ローマ|ローマ]]時代にも「自治市の要職就任の日も酔ったままであった」や「どんな場所でも飲むことをやめない人がいる」など<ref>'''ジャン=シャルル・スールニア(著)本田文彦(監訳)'''<br>アルコール中毒の歴史<br>'''法政大学出版社''' 1996. 東京</ref>、現在でいうアルコール依存症を推察させるような記録がある。 | [[依存]]を生じる[[精神作用物質]]のうち、最も古くから多くの人に親しまれているのは[[アルコール]]飲料であろう。アルコールなどの発酵性飲料の効果の発見はおそらく数千年前にまでさかのぼる。古代[[wj:エジプト|エジプト]]や[[wj:メソポタミア|メソポタミア]]などの[[wj:古代文明|古代文明]]の時代から酩酊や暴飲について述べられた文章が残されており、アルコール[[依存症]]者も古代から相当数存在していたと推測される。古代[[wj:ローマ|ローマ]]時代にも「自治市の要職就任の日も酔ったままであった」や「どんな場所でも飲むことをやめない人がいる」など<ref>'''ジャン=シャルル・スールニア(著)本田文彦(監訳)'''<br>アルコール中毒の歴史<br>'''法政大学出版社''' 1996. 東京</ref>、現在でいうアルコール依存症を推察させるような記録がある。 | ||
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|以下の6項目のうち、通常過去1年間のある期間に以下の3項目を満たす事が必要である。<br> | |以下の6項目のうち、通常過去1年間のある期間に以下の3項目を満たす事が必要である。<br> | ||
1. 飲酒に対する渇望<br> 2. | 1. 飲酒に対する渇望<br> 2. 飲酒行動の抑制喪失<br> 3. 離脱症状<br> 4. 耐性の増大<br> 5. 飲酒中心の生活<br> 6. 有害な飲酒に対する抑制の喪失 | ||
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|} | |} | ||
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|中止や減量による離脱症状の出現。 | |中止や減量による離脱症状の出現。 | ||
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| | |自己制御困難 | ||
|当初の思惑よりも、摂取量が増えたり、長期間使用する。 | |当初の思惑よりも、摂取量が増えたり、長期間使用する。 | ||
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