「アルコール依存症」の版間の差分

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 古代には、主に[[wj:ビール|ビール]]、[[wj:ワイン|ワイン]]などの[[wj:醸造酒|醸造酒]]のみしか普及しておらず、そのアルコール濃度の上限は約十数%程度であった。しかし、中性〜近代にかけて[[wj:ヨーロッパ|ヨーロッパ]]諸国を中心に、よりアルコール濃度が高く携帯性、保存性の優れる[[wj:ラム酒|ラム酒]]や[[wj:ジン|ジン]]・[[wj:ウイスキー|ウイスキー]]などの[[wj:蒸留酒|蒸留酒]]が普及すると、[[アルコール乱用]]・依存がさらに社会問題化してくるようになった<ref>'''中山秀紀、樋口進'''<br>依存症・衝動制御障害の治療「物質依存の概念」<br>''中山書店''、東京、p2–13</ref>。
 古代には、主に[[wj:ビール|ビール]]、[[wj:ワイン|ワイン]]などの[[wj:醸造酒|醸造酒]]のみしか普及しておらず、そのアルコール濃度の上限は約十数%程度であった。しかし、中性〜近代にかけて[[wj:ヨーロッパ|ヨーロッパ]]諸国を中心に、よりアルコール濃度が高く携帯性、保存性の優れる[[wj:ラム酒|ラム酒]]や[[wj:ジン|ジン]]・[[wj:ウイスキー|ウイスキー]]などの[[wj:蒸留酒|蒸留酒]]が普及すると、[[アルコール乱用]]・依存がさらに社会問題化してくるようになった<ref>'''中山秀紀、樋口進'''<br>依存症・衝動制御障害の治療「物質依存の概念」<br>''中山書店''、東京、p2–13</ref>。


 現在の物質依存に相当する医学用語は、1820年頃から[[アヘン]]に[[poisoning]](中毒)が用いられるようになり、その後[[コカイン]]やアルコールにも用いられるようになった。1880年頃からhabit(習慣)、〜ism(症)が、1920年頃から[[addiction]]([[嗜癖]])へと変遷していった。世界的な診断基準としては、1957年には[[wj:世界保健機関|世界保健機関]](World Health Organization: WHO)は、addiction(嗜癖)と[[habituation]]([[習慣性]])を学術用語として定義した。Addictionは「著明な[[身体依存]]」「薬物摂取の渇望」「大きな社会的弊害」の3条件を満たす薬物の使用とされ、habituationはこれより程度の軽い薬物の習慣的使用とされた。しかし、身体依存がなくとも[[精神依存]]により薬物摂取への欲求、渇望が起こりうることが判明し、1964年にWHOによってそれまでのaddictionやhabituationに代わって、dependence(依存)の用語が提唱され、現在に至る<ref>'''柳田知司'''<br>動物における薬物依存研究のあゆみ<br>''脳と精神の医学'' 7(2).137–142.1996</ref>。
 現在の物質依存に相当する医学用語は、1820年頃から[[アヘン]]に[[poisoning]](中毒)が用いられるようになり、その後[[コカイン]]やアルコールにも用いられるようになった。1880年頃からhabit([[習慣]])、〜ism(症)が、1920年頃から[[addiction]]([[嗜癖]])へと変遷していった。世界的な診断基準としては、1957年には[[wj:世界保健機関|世界保健機関]](World Health Organization: WHO)は、addiction(嗜癖)と[[habituation]]([[習慣性]])を学術用語として定義した。Addictionは「著明な[[身体依存]]」「薬物摂取の渇望」「大きな社会的弊害」の3条件を満たす薬物の使用とされ、habituationはこれより程度の軽い薬物の習慣的使用とされた。しかし、身体依存がなくとも[[精神依存]]により薬物摂取への欲求、渇望が起こりうることが判明し、1964年にWHOによってそれまでのaddictionやhabituationに代わって、dependence(依存)の用語が提唱され、現在に至る<ref>'''柳田知司'''<br>動物における薬物依存研究のあゆみ<br>''脳と精神の医学'' 7(2).137–142.1996</ref>。


==症状==
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