「気づき」の版間の差分

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類語・同義語:意識、consciousness
類語・同義語:意識、consciousness


 「気づき」は英語のawarenssの訳として用いられ、外界の[[感覚]]刺激の存在や変化などに気づくこと、あるいは気づいている状態のことを指す。心の[[wikipedia:ja:|哲学]]では「気づき」とは「言葉による報告を含む、行動の意図的なコントロールのために、ある情報に直接的にアクセスできる状態」のことであると議論されている。気づきの脳内メカニズムを解明するために、さまざまな現象([[閾下知覚]]や[[変化]]盲や[[両眼視野闘争]]など)が用いられており、ある対象への気づきの有無に対応した神経活動がさまざまな脳領域から見つかっている。
 「気づき」は英語のawarenssの訳として用いられ、外界の[[感覚]]刺激の存在や変化などに気づくこと、あるいは気づいている状態のことを指す。心の[[wikipedia:ja:哲学|哲学]]では「気づき」とは「言葉による報告を含む、行動の意図的なコントロールのために、ある情報に直接的にアクセスできる状態」のことであると議論されている。気づきの脳内メカニズムを解明するために、さまざまな現象([[閾下知覚]]や[[変化]]盲や[[両眼視野闘争]]など)が用いられており、ある対象への気づきの有無に対応した神経活動がさまざまな脳領域から見つかっている。


== 気づきとは ==
== 気づきとは ==
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 認知神経科学の文脈での「気づき」は英語のawarenssの訳として用いられ、外界の感覚刺激の存在や変化などに気づくこと、あるいは気づいている状態のことを指す。「気づき」awarenessという語は「[[意識]]」consciousnessという語としばしば同義に用いられることがあるが、「気づき」という語は意識のうち、現象的な側面ではなくて心理学的側面、つまり行動を説明づける基盤としての心的概念としての意識を強調するために用いられる。
 認知神経科学の文脈での「気づき」は英語のawarenssの訳として用いられ、外界の感覚刺激の存在や変化などに気づくこと、あるいは気づいている状態のことを指す。「気づき」awarenessという語は「[[意識]]」consciousnessという語としばしば同義に用いられることがあるが、「気づき」という語は意識のうち、現象的な側面ではなくて心理学的側面、つまり行動を説明づける基盤としての心的概念としての意識を強調するために用いられる。


 心の哲学の研究者である[[wikipedia:ja:|デイヴィッド・J・チャーマーズ]]<ref name=ref1>'''D.J. Chalmers'''<br>The Conscious Mind: In Search of a Fundamental Theory<br>''Oxford University Press.'': 1996 (2001, 林 一訳 『意識する心』 白揚社)</ref>によれば「気づき」とは、「言葉による報告を含む、行動の意図的なコントロールのために、ある情報に直接的にアクセスできる状態」(訳書p.281より改変)のことを指す。気づきの対象は外界だけではなく、自分の体の状態や、自分の心的状態であることもある。この定義に基づけば、気づきには言語報告は必須ではないため、人間以外の動物にも気づきはあり得る。
 心の哲学の研究者である[[wikipedia:ja:デイヴィッド・チャーマーズ|デイヴィッド・J・チャーマーズ]]<ref name=ref1>'''D.J. Chalmers'''<br>The Conscious Mind: In Search of a Fundamental Theory<br>''Oxford University Press.'': 1996 (2001, 林 一訳 『意識する心』 白揚社)</ref>によれば「気づき」とは、「言葉による報告を含む、行動の意図的なコントロールのために、ある情報に直接的にアクセスできる状態」(訳書p.281より改変)のことを指す。気づきの対象は外界だけではなく、自分の体の状態や、自分の心的状態であることもある。この定義に基づけば、気づきには言語報告は必須ではないため、人間以外の動物にも気づきはあり得る。


 以上のような「何らかの対象に気づいている」(be aware of)という意味での気づきとはべつに、[[覚醒状態]]としての気づき(be aware)とがある。状態としての「気づき」は、[[意識障害]]の診断における、[[昏睡]]、[[植物状態]]、[[最小意識状態]]、覚醒状態の区別をするための指標<ref><pubmed> 15605342 </pubmed></ref>で定義される。こちらの用法の場合には「気づき」と「意識」とは区別せずに用いられている。
 以上のような「何らかの対象に気づいている」(be aware of)という意味での気づきとはべつに、[[覚醒状態]]としての気づき(be aware)とがある。状態としての「気づき」は、[[意識障害]]の診断における、[[昏睡]]、[[植物状態]]、[[最小意識状態]]、覚醒状態の区別をするための指標<ref><pubmed> 15605342 </pubmed></ref>で定義される。こちらの用法の場合には「気づき」と「意識」とは区別せずに用いられている。

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