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<div align="right"> 
<font size="+1">[http://researchmap.jp/read0080377 岩田 修永]</font><br>
''長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科''<br>
<font size="+1">[http://researchmap.jp/read0153860 城谷 圭朗]</font><br>
''福島県立医科大学 医学部 医学科''<br>
<font size="+1">[http://researchmap.jp/read0137703 浅井 将]</font><br>
''長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科''<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2013年3月27日 原稿完成日:2013年8月12日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/2rikenbsi 林 康紀](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br>
</div>
{{PBB|geneid=4311}}
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英語名: Neprilysin、英略語: NEP  
英語名: Neprilysin、英略語: NEP  
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同義語: エンケファリナーゼ、中性エンドペプチダーゼ24.11、CD10、membrane metallo-endopeptidase、common acute lymphoblastic leukemia antigen (CALLA、急性リンパ性白血病共通抗原)  
同義語: エンケファリナーゼ、中性エンドペプチダーゼ24.11、CD10、membrane metallo-endopeptidase、common acute lymphoblastic leukemia antigen (CALLA、急性リンパ性白血病共通抗原)  


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 ネプリライシン(EC 3.4.24.11)は、5-40[[wikipedia:ja:アミノ酸|アミノ酸]]残基ほどの長さを有する[[wikipedia:ja:ペプチド|ペプチド]]を基質として、ペプチド内部の[[wikipedia:ja:疎水性アミノ酸|疎水性アミノ酸]]残基の前で切断を行う膜結合型の[[メタロペプチダーゼ]]である<ref name="ref1"><pubmed> 8475170 </pubmed></ref><ref name="ref2">'''Turner AJ'''<br>Neprilysin, In Handbook of Proteolytic Enzyzmes, Second edition, , vol. 1, chap.108. Barrett AJ, Rawlings ND, Woessner JF, Eds. <br>''Academic Press (London)'':2004 </ref>。[[アルツハイマー病]]脳に蓄積し、発症に中核的役割を果たす[[アミロイドβペプチド]]の脳内主要酵素であることが明らかにされて以来、病態との関連性や創薬標的として注目されている<ref name="ref3"><pubmed> 16112736 </pubmed></ref><ref name="ref4"><pubmed> 16457902 </pubmed></ref>。また、[[wikipedia:ja:前立腺|前立腺]]などの[[wikipedia:ja:がん|がん]]の進行にも関与する<ref name="ref2" />。  
 ネプリライシン(EC 3.4.24.11)は、5-40[[wikipedia:ja:アミノ酸|アミノ酸]]残基ほどの長さを有する[[wikipedia:ja:ペプチド|ペプチド]]を基質として、ペプチド内部の[[wikipedia:ja:疎水性アミノ酸|疎水性アミノ酸]]残基の前で切断を行う膜結合型の[[メタロペプチダーゼ]]である<ref name="ref1"><pubmed> 8475170 </pubmed></ref><ref name="ref2">'''Turner AJ'''<br>Neprilysin, In Handbook of Proteolytic Enzyzmes, Second edition, , vol. 1, chap.108. Barrett AJ, Rawlings ND, Woessner JF, Eds. <br>''Academic Press (London)'':2004 </ref>。[[アルツハイマー病]]脳に蓄積し、発症に中核的役割を果たす[[アミロイドβペプチド]]の脳内主要酵素であることが明らかにされて以来、病態との関連性や創薬標的として注目されている<ref name="ref3"><pubmed> 16112736 </pubmed></ref><ref name="ref4"><pubmed> 16457902 </pubmed></ref>。また、[[wikipedia:ja:前立腺|前立腺]]などの[[wikipedia:ja:がん|がん]]の進行にも関与する<ref name="ref2" />。  
}}


== ネプリライシンとは ==
== ネプリライシンとは ==
20行目: 33行目:
 相同性の高いタンパク質としては、[[ネプリライシン様ペプチダーゼ]](NEPLP, neprilysin-like peptidase, Membrane metallo-endopeptidase-like, Neprilysin-2)がある<ref name="ref9"> www.uniprot.org/uniprot/Q495T </ref><ref name="ref10"><pubmed> 11278416 </pubmed></ref>。NEPLPには[[wikipedia:ja:スプライスバリアント|スプライスバリアント]](α、β、γ)があり、ネプリライシンとのアミノ酸配列の相同性はそれぞれ53.5、54.8、51.3%(ヒトの場合)であるが、ネプリライシンに比較するとAβ分解活性が著しく低い<ref name="ref10" />。
 相同性の高いタンパク質としては、[[ネプリライシン様ペプチダーゼ]](NEPLP, neprilysin-like peptidase, Membrane metallo-endopeptidase-like, Neprilysin-2)がある<ref name="ref9"> www.uniprot.org/uniprot/Q495T </ref><ref name="ref10"><pubmed> 11278416 </pubmed></ref>。NEPLPには[[wikipedia:ja:スプライスバリアント|スプライスバリアント]](α、β、γ)があり、ネプリライシンとのアミノ酸配列の相同性はそれぞれ53.5、54.8、51.3%(ヒトの場合)であるが、ネプリライシンに比較するとAβ分解活性が著しく低い<ref name="ref10" />。


== 発現(組織分布、細胞内分布) ==
== 発現==
 
{|style="float:right; width:270px; border: 1px solid darkgray;"
 ネプリライシンは体内で広く分布しているが、特に[[wikipedia:ja:腎臓|腎臓]]の[[wikipedia:ja:刷子縁|刷子縁]]膜、[[wikipedia:ja:小腸|小腸]]、[[wikipedia:ja:胎盤|胎盤]]、[[wikipedia:ja:免疫|免疫]]系の[[wikipedia:ja:細網細胞|細網細胞]]、[[wikipedia:ja:精巣|精巣]]および[[wikipedia:ja:卵巣|卵巣]]に高発現している<ref name="ref1" /><ref name="ref2" /><ref name="ref3" />。脳では[[尾状核]][[被殻]]、[[脈絡叢]]、[[淡蒼球]]、[[黒質]]、[[嗅結節]]、[[海馬]][[歯状回]][[分子層]]および[[アンモン角]][[網状分子層]]に強い発現が見られる<ref name="ref11"><pubmed> 12074840 </pubmed></ref>。[[新皮質]]ではⅡ・ⅢおよびV層に、[[嗅内野]]のような[[旧皮質]]ではIおよびⅢ層に豊富に存在し、層間で異なる局在性を示す。[[貫通線維束]]、[[Schaffer側枝]]、[[反回側枝]]など[[海馬体]]の主要神経回路を構成する[[神経線維]]の終末部位([[シナプス前部]])に存在している<ref name="ref11" />。ネプリライシンは膜タンパク質であり、タンパク合成後、[[分泌小胞]]に乗り、[[軸索]]を通してシナプス終末に運ばれるので、上述のような神経回路をつなぐシナプス間隙でAβを分解していると考えられている。
{|style="float:right; width:220px; border: 1px solid darkgray;"
|
|
{| class="wikitable"
{| class="wikitable"
|+表 ネプリライシンの発現パタン
|+表 Allen Brain Atlasによるネプリライシンの発現パタン
| align="center"|'''名称''' ||align="center" |'''遺伝子名'''
| align="center"|'''名称''' ||align="center" |'''遺伝子名'''
  |-  
  |-  
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  |ネプリライシン様ペプチダーゼ|| [http://mouse.brain-map.org/experiment/show/71808735 Mmel1]
  |ネプリライシン様ペプチダーゼ|| [http://mouse.brain-map.org/experiment/show/71808735 Mmel1]
  |}
  |}
|-
|遺伝子名はAllen Brain Atlasの[[in situハイブリダイゼーション|''in situ''ハイブリダイゼーション]]データーへリンクしている。
|}
|}
===組織分布===
 ネプリライシンは体内で広く分布しているが、特に[[wikipedia:ja:腎臓|腎臓]]の[[wikipedia:ja:刷子縁|刷子縁]]膜、[[wikipedia:ja:小腸|小腸]]、[[wikipedia:ja:胎盤|胎盤]]、[[wikipedia:ja:免疫|免疫]]系の[[wikipedia:ja:細網細胞|細網細胞]]、[[wikipedia:ja:精巣|精巣]]および[[wikipedia:ja:卵巣|卵巣]]に高発現している<ref name="ref1" /><ref name="ref2" /><ref name="ref3" />。脳では[[尾状核]][[被殻]]、[[脈絡叢]]、[[淡蒼球]]、[[黒質]]、[[嗅結節]]、[[海馬]][[歯状回]][[分子層]]および[[アンモン角]][[網状分子層]]に強い発現が見られる<ref name="ref11"><pubmed> 12074840 </pubmed></ref>。[[新皮質]]ではⅡ・ⅢおよびV層に、[[嗅内野]]のような[[旧皮質]]ではIおよびⅢ層に豊富に存在し、層間で異なる局在性を示す。
===細胞内分布===
 [[貫通線維束]]、[[Schaffer側枝]]、[[反回側枝]]など[[海馬体]]の主要神経回路を構成する[[神経線維]]の終末部位([[シナプス前部]])に存在している<ref name="ref11" />。ネプリライシンは膜タンパク質であり、タンパク合成後、[[分泌小胞]]に乗り、[[軸索]]を通してシナプス終末に運ばれるので、上述のような神経回路をつなぐシナプス間隙でAβを分解していると考えられている。


==機能==
==機能==
=== 基質特異性===
=== 基質特異性===


[[image:NEP%E3%81%AE%E5%9F%BA%E8%B3%AA.png|thumb|300px|'''''']]
[[image:NEP%E3%81%AE%E5%9F%BA%E8%B3%AA.png|thumb|300px|'''図 ネプリライシンの主な基質''']]
   
   
 ネプリライシンは一般に5kDa以下のペプチド(アミノ酸としては40残基ほど)に作用して、ペプチド内部の疎水性アミノ酸残基のアミノ末端側でペプチド結合の切断を行う。酵素反応の至適pHが中性(やや弱酸性のpH 6.0)であることが、中性エンドペプチダーゼの由来となっている。
 ネプリライシンは一般に5kDa以下のペプチド(アミノ酸としては40残基ほど)に作用して、ペプチド内部の疎水性アミノ酸残基のアミノ末端側でペプチド結合の切断を行う。酵素反応の至適pHが中性(やや弱酸性のpH 6.0)であることが、中性エンドペプチダーゼの由来となっている。
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 [[遺伝子欠損マウス]]は生存可能で、繁殖能力も見掛け上正常であるが、末梢組織では幾つかの表現型を呈する。
 [[遺伝子欠損マウス]]は生存可能で、繁殖能力も見掛け上正常であるが、末梢組織では幾つかの表現型を呈する。


 たとえば、[[wikipedia:ja:エンドトキシン|エンドトキシン]](脚注1)ショックによる感受性<ref name="ref16"><pubmed> 7760013 </pubmed></ref>や[[wikipedia:ja:低酸素|低酸素]]負荷による換気応答<ref name="ref17"><pubmed> 10517751 </pubmed></ref>が著しく増大している。[[wikipedia:ja:消化管|消化管]]では血管透過性が2〜3倍亢進しているが、これはリコンビナントのネプリライシンやブラジキニンまたはサブスタンスPの[[wikipedia:ja:受容体|受容体]][[wikipedia:ja:アンタゴニスト|アンタゴニスト]]の投与によって回避される<ref name="ref18"><pubmed> 9256283 </pubmed></ref>。
 たとえば、[[wikipedia:ja:エンドトキシン|エンドトキシン]]<ref group="注">エンドトキシ(内毒素):[[wikipedia:ja:グラム陰性菌|グラム陰性菌]]の外膜に存在する耐熱性の毒素。糖脂質と糖鎖からなるリポ多糖で、免疫系などに作用して[[wikipedia:ja:マクロファージ|マクロファージ]]や[[wikipedia:ja:好中球|好中球]]を活性化してサイトカインなどの炎症性因子の放出を促す。</ref>)ショックによる感受性<ref name="ref16"><pubmed> 7760013 </pubmed></ref>や[[wikipedia:ja:低酸素|低酸素]]負荷による換気応答<ref name="ref17"><pubmed> 10517751 </pubmed></ref>が著しく増大している。[[wikipedia:ja:消化管|消化管]]では血管透過性が2〜3倍亢進しているが、これはリコンビナントのネプリライシンやブラジキニンまたはサブスタンスPの[[wikipedia:ja:受容体|受容体]][[wikipedia:ja:アンタゴニスト|アンタゴニスト]]の投与によって回避される<ref name="ref18"><pubmed> 9256283 </pubmed></ref>。


 また、遺伝子欠損マウスでは心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)の分解が抑制されるため、血圧が20%程度低下している<ref name="ref18" />。しかし、慢性的低酸素負荷を与えると、野生型マウスに比較して、肺動脈の血管平滑筋細胞が異常増殖するため、肺組織内は[[wikipedia:ja:高血圧|高血圧]]状態になることが示されている<ref name="ref19"><pubmed> 19234135 </pubmed></ref>。サブスタンスP誘発[[wikipedia:ja:アレルギー性接触皮膚炎|アレルギー性接触皮膚炎]]<ref name="ref20"><pubmed> 11145711 </pubmed></ref>やブラジキニン誘発[[痛覚]]過敏<ref name="ref21"><pubmed> 11931342 </pubmed></ref>に対する感受性の亢進も観察されることから、ネプリライシンは末梢組織でブラジキニン、サブスタンスPやANPに作用して炎症反応や血圧の調節に携わると考えられている。
 また、遺伝子欠損マウスでは心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)の分解が抑制されるため、血圧が20%程度低下している<ref name="ref18" />。しかし、慢性的低酸素負荷を与えると、野生型マウスに比較して、肺動脈の血管平滑筋細胞が異常増殖するため、肺組織内は[[wikipedia:ja:高血圧|高血圧]]状態になることが示されている<ref name="ref19"><pubmed> 19234135 </pubmed></ref>。サブスタンスP誘発[[wikipedia:ja:アレルギー性接触皮膚炎|アレルギー性接触皮膚炎]]<ref name="ref20"><pubmed> 11145711 </pubmed></ref>やブラジキニン誘発[[痛覚]]過敏<ref name="ref21"><pubmed> 11931342 </pubmed></ref>に対する感受性の亢進も観察されることから、ネプリライシンは末梢組織でブラジキニン、サブスタンスPやANPに作用して炎症反応や血圧の調節に携わると考えられている。
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 しかし、Aβの分解に関しては補償的分解経路が十分でないために、ネプリライシン活性が低下しただけで脳内Aβ濃度が上昇する。前脳特異的に発現するように遺伝子操作したネプリライシン[[トランスジェニックマウス]]では脳内のニューロペプチドYレベルが顕著に低下することが明らかにされている<ref name="ref23"><pubmed> 19176820 </pubmed></ref>。この研究では、ネプリライシンによって限定分解を受けたニューロペプチドYのカルボキシル末端フラグメント(NPY-CTF: NPY21-36またはNPY 31-36)が神経保護作用をもつことが示されている。しかし、ネプリライシン欠損マウス脳ではNPY-CTF 量は減少しているがNPY量はほとんど変化していないので、ニューロペプチドYの場合にも脳内で分解を補償する系が十分に機能していると考えられる。  
 しかし、Aβの分解に関しては補償的分解経路が十分でないために、ネプリライシン活性が低下しただけで脳内Aβ濃度が上昇する。前脳特異的に発現するように遺伝子操作したネプリライシン[[トランスジェニックマウス]]では脳内のニューロペプチドYレベルが顕著に低下することが明らかにされている<ref name="ref23"><pubmed> 19176820 </pubmed></ref>。この研究では、ネプリライシンによって限定分解を受けたニューロペプチドYのカルボキシル末端フラグメント(NPY-CTF: NPY21-36またはNPY 31-36)が神経保護作用をもつことが示されている。しかし、ネプリライシン欠損マウス脳ではNPY-CTF 量は減少しているがNPY量はほとんど変化していないので、ニューロペプチドYの場合にも脳内で分解を補償する系が十分に機能していると考えられる。  
 
 
脚注1: エンドトキシ(内毒素):[[wikipedia:ja:グラム陰性菌|グラム陰性菌]]の外膜に存在する耐熱性の毒素。糖脂質と糖鎖からなるリポ多糖で、免疫系などに作用して[[wikipedia:ja:マクロファージ|マクロファージ]]や[[wikipedia:ja:好中球|好中球]]を活性化してサイトカインなどの炎症性因子の放出を促す。


== アルツハイマー病との関係 ==
== アルツハイマー病との関係 ==
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== がんとの関連 ==
== がんとの関連 ==
 別名、急性リンパ性白血病共通抗原(CALLA)としても知られているように、[[wikipedia:ja:白血病|白血病]]小児の特定の[[wikipedia:ja:リンパ球|リンパ球]]の細胞表面に一過性に過剰発現するため、診断マーカーとしても用いられている<ref name="ref1" /><ref name="ref2" />(編集コメント:参考文献は本文に移しました。これでよいかご確認ください。)。また、血液系以外にも、前立腺、[[wikipedia:ja:子宮内膜|子宮内膜]]、[[wikipedia:ja:腎臓|腎臓]]および[[wikipedia:ja:肺|肺]]などの[[wikipedia:ja:がん|がん]]の進行にも関与している。特に注目されているのは[[wikipedia:ja:前立腺がん|前立腺がん]]で、ネプリライシンの発現レベルの低下により、[[ボンベシン]]などの細胞増殖作用を持つペプチドの分解低下を通して[[アンドロゲン]]非依存的にがんの進行に関わるとされている。実際、''in vitro''で前立腺がん細胞にネプリライシン遺伝子を過剰発現させると腫瘍の増殖が抑制されることが示されている。
 別名、急性リンパ性白血病共通抗原(CALLA)としても知られているように、[[wikipedia:ja:白血病|白血病]]小児の特定の[[wikipedia:ja:リンパ球|リンパ球]]の細胞表面に一過性に過剰発現するため、診断マーカーとしても用いられている<ref name="ref1" /><ref name="ref2" />。また、血液系以外にも、前立腺、[[wikipedia:ja:子宮内膜|子宮内膜]]、[[wikipedia:ja:腎臓|腎臓]]および[[wikipedia:ja:肺|肺]]などの[[wikipedia:ja:がん|がん]]の進行にも関与している。特に注目されているのは[[wikipedia:ja:前立腺がん|前立腺がん]]で、ネプリライシンの発現レベルの低下により、[[ボンベシン]]などの細胞増殖作用を持つペプチドの分解低下を通して[[アンドロゲン]]非依存的にがんの進行に関わるとされている。実際、''in vitro''で前立腺がん細胞にネプリライシン遺伝子を過剰発現させると腫瘍の増殖が抑制されることが示されている。


==脚注==
<references group="注" />
== 関連項目 ==
== 関連項目 ==


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*[[海馬]]  
*[[海馬]]  
*[[アルツハイマー病]]  
*[[アルツハイマー病]]  
*[[アミロイドβペプチド]]
*[[遺伝子欠損マウス]]  
*[[遺伝子欠損マウス]]  
*[[トランスジェニックマウス]]
*[[トランスジェニックマウス]]
103行目: 119行目:
== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
   
   
<references />  
<references />
 
(執筆者:岩田修永、城谷圭朗、浅井将 担当編集委員:尾藤晴彦)

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