「ニューロピル」の版間の差分

[[image:ニューロピル.jpg|thumb|350px|'''図．ニューロピル'''<br>ニッスル染色で濃染するニューロン細胞体の間の領域は淡明で、ニューロピルとよばれる]]

　ニューロピルを電子顕微鏡で観察すると、そこには[[樹状突起]]や[[軸索]]、[[軸索終末|終末部]]が密に存在し、莫大な数の[[シナプス]]が形成されている。さらに、シナプスなどのニューロン要素と関連しこれを取囲む[[星状膠細胞]]や、[[髄鞘]]を形成する[[希突起膠細胞]]などのグリア突起も錯綜する。このため、シナプスやグリア突起に選択的な分子を[[免疫組織化学]]で検出すると、一般染色では淡明にしか捉えられなかったニューロピルに、これらの構成要素が密に存在している様子が一目瞭然となる。さらに、[[中枢神経系]]組織は[[神経管]]という[[神経外胚葉]]に由来するため、[[中胚葉]]由来の結合組織を備えた組織間隙は血管周囲に限られている。このため、ニューロンやグリアの[[細胞膜]]は相互に直接接し、ニューロピルは緻密な組織構築として観察される。