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ホールセル法の状態から電極をゆっくりと細胞から引き離し、細胞膜の小胞を形成させ、細胞から切り取る。これにより細胞膜の外側が電極の外側を向くようになる。細胞外液組成を調節して記録することができるため、神経伝達物質のような細胞膜の外側に作用するような物質の研究に用いられる。 | ホールセル法の状態から電極をゆっくりと細胞から引き離し、細胞膜の小胞を形成させ、細胞から切り取る。これにより細胞膜の外側が電極の外側を向くようになる。細胞外液組成を調節して記録することができるため、神経伝達物質のような細胞膜の外側に作用するような物質の研究に用いられる。 | ||
=== | === パーフォレイテッド法=== | ||
穿孔パッチ法ともいう。ホールセル法の代替法であり、HornとMartyによって開発された<ref name=ref2><pubmed>2459299</pubmed></ref>。ギガシールを形成後、陰圧によって膜を破るのではなく、パッチ電極内液に含まれた[[wikipedia:ja:ナイスタチン|ナイスタチン]]、[[wikipedia:ja:アンホテリシンB|アンホテリシンB]]や[[wikipedia:ja:グラミシジン|グラミシジン]]のような[[wikipedia:ja:抗生物質|抗生物質]]によって細胞膜に小さな穴をあける方法である。これらの抗生物質が、ほとんどの細胞膜に一価イオン(編集コメント:イオンの選択性はどうでしょうか。陽イオン電流、陰イオン電流同程度測れるのでしょうか)や10Å以下の径を持つ分子を通過させる孔をあけることを利用している。そのため、膜を破らずに全細胞膜での電流を記録することができる。また、細胞の内容成分の漏出を軽減し、細胞内環境を保持することが可能となる。しかし、いくつかの欠点がある。まず、ホールセル法と比較して、シリーズ抵抗が高くなり、電気的解像能が低下する。また、抗生物質による細胞膜の穿孔には時間がかかる(10-30分間)。さらに、抗生物質により形成された孔によって電極先端の膜は弱くなっているため、その膜が破れて、ホールセル法に移行する危険性がある。 | |||
=== ルーズパッチ法 === | === ルーズパッチ法 === |