「ネプリライシン」の版間の差分

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 相同性の高いタンパク質としては、[[ネプリライシン様ペプチダーゼ]](NEPLP, neprilysin-like peptidase, Membrane metallo-endopeptidase-like, Neprilysin-2)がある<ref name="ref9"> www.uniprot.org/uniprot/Q495T </ref><ref name="ref10"><pubmed> 11278416 </pubmed></ref>。NEPLPには[[wikipedia:ja:スプライスバリアント|スプライスバリアント]](α、β、γ)があり、ネプリライシンとのアミノ酸配列の相同性はそれぞれ53.5、54.8、51.3%(ヒトの場合)であるが、ネプリライシンに比較するとAβ分解活性が著しく低い<ref name="ref10" />。
 相同性の高いタンパク質としては、[[ネプリライシン様ペプチダーゼ]](NEPLP, neprilysin-like peptidase, Membrane metallo-endopeptidase-like, Neprilysin-2)がある<ref name="ref9"> www.uniprot.org/uniprot/Q495T </ref><ref name="ref10"><pubmed> 11278416 </pubmed></ref>。NEPLPには[[wikipedia:ja:スプライスバリアント|スプライスバリアント]](α、β、γ)があり、ネプリライシンとのアミノ酸配列の相同性はそれぞれ53.5、54.8、51.3%(ヒトの場合)であるが、ネプリライシンに比較するとAβ分解活性が著しく低い<ref name="ref10" />。


== 発現(組織分布、細胞内分布) ==
== 発現==
{|style="float:right; width:270px; border: 1px solid darkgray;"
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{| class="wikitable"
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|+表 ネプリライシンの発現パタン
|+表 Allen Brain Atlasによるネプリライシンの発現パタン
| align="center"|'''名称''' ||align="center" |'''遺伝子名'''
| align="center"|'''名称''' ||align="center" |'''遺伝子名'''
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  |ネプリライシン様ペプチダーゼ|| [http://mouse.brain-map.org/experiment/show/71808735 Mmel1]
  |ネプリライシン様ペプチダーゼ|| [http://mouse.brain-map.org/experiment/show/71808735 Mmel1]
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|遺伝子名はAllen Brain Atlasの[[in situハイブリダイゼーション|''in situ''ハイブリダイゼーション]]データーへリンクしている。
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===組織分布===
 ネプリライシンは体内で広く分布しているが、特に[[wikipedia:ja:腎臓|腎臓]]の[[wikipedia:ja:刷子縁|刷子縁]]膜、[[wikipedia:ja:小腸|小腸]]、[[wikipedia:ja:胎盤|胎盤]]、[[wikipedia:ja:免疫|免疫]]系の[[wikipedia:ja:細網細胞|細網細胞]]、[[wikipedia:ja:精巣|精巣]]および[[wikipedia:ja:卵巣|卵巣]]に高発現している<ref name="ref1" /><ref name="ref2" /><ref name="ref3" />。脳では[[尾状核]][[被殻]]、[[脈絡叢]]、[[淡蒼球]]、[[黒質]]、[[嗅結節]]、[[海馬]][[歯状回]][[分子層]]および[[アンモン角]][[網状分子層]]に強い発現が見られる<ref name="ref11"><pubmed> 12074840 </pubmed></ref>。[[新皮質]]ではⅡ・ⅢおよびV層に、[[嗅内野]]のような[[旧皮質]]ではIおよびⅢ層に豊富に存在し、層間で異なる局在性を示す。


 ネプリライシンは体内で広く分布しているが、特に[[wikipedia:ja:腎臓|腎臓]]の[[wikipedia:ja:刷子縁|刷子縁]]膜、[[wikipedia:ja:小腸|小腸]]、[[wikipedia:ja:胎盤|胎盤]]、[[wikipedia:ja:免疫|免疫]]系の[[wikipedia:ja:細網細胞|細網細胞]]、[[wikipedia:ja:精巣|精巣]]および[[wikipedia:ja:卵巣|卵巣]]に高発現している<ref name="ref1" /><ref name="ref2" /><ref name="ref3" />。脳では[[尾状核]][[被殻]]、[[脈絡叢]]、[[淡蒼球]]、[[黒質]]、[[嗅結節]]、[[海馬]][[歯状回]][[分子層]]および[[アンモン角]][[網状分子層]]に強い発現が見られる<ref name="ref11"><pubmed> 12074840 </pubmed></ref>。[[新皮質]]ではⅡ・ⅢおよびV層に、[[嗅内野]]のような[[旧皮質]]ではIおよびⅢ層に豊富に存在し、層間で異なる局在性を示す。[[貫通線維束]]、[[Schaffer側枝]]、[[反回側枝]]など[[海馬体]]の主要神経回路を構成する[[神経線維]]の終末部位([[シナプス前部]])に存在している<ref name="ref11" />。ネプリライシンは膜タンパク質であり、タンパク合成後、[[分泌小胞]]に乗り、[[軸索]]を通してシナプス終末に運ばれるので、上述のような神経回路をつなぐシナプス間隙でAβを分解していると考えられている。
===細胞内分布===
 [[貫通線維束]]、[[Schaffer側枝]]、[[反回側枝]]など[[海馬体]]の主要神経回路を構成する[[神経線維]]の終末部位([[シナプス前部]])に存在している<ref name="ref11" />。ネプリライシンは膜タンパク質であり、タンパク合成後、[[分泌小胞]]に乗り、[[軸索]]を通してシナプス終末に運ばれるので、上述のような神経回路をつなぐシナプス間隙でAβを分解していると考えられている。


==機能==
==機能==

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