9,444
回編集
細編集の要約なし |
細編集の要約なし |
||
11行目: | 11行目: | ||
==前脳とは== | ==前脳とは== | ||
[[ファイル:終脳の発達図.jpg|thumb|220px|'''図.三脳胞期と五脳胞期'''<br>終脳(黒田一樹、佐藤真)から引用。]] | [[ファイル:終脳の発達図.jpg|thumb|220px|'''図.三脳胞期と五脳胞期'''<br>終脳(黒田一樹、佐藤真)から引用。]] | ||
脳になる[[神経管]]の三領域のうち、最も吻側の領域、ならびにそこから発生した脳領域を指す。その尾側に[[中脳]] (midbrain, mesencephalon)、[[後脳]] (hindbrainもしくはrhombencephalon)が続く。神経管発生初期にはそれぞれの領域が膨らんで胞状である事から形態的に[[前脳胞]]、[[中脳胞]]、[[後脳胞]]と呼び、この時期を[[三脳胞期]]と呼ぶ。その後、前脳域は[[終脳]] (telencephalon)と[[間脳]] (diencephalon)に分かれ、[[五脳胞期]] | 脳になる[[神経管]]の三領域のうち、最も吻側の領域、ならびにそこから発生した脳領域を指す。その尾側に[[中脳]] (midbrain, mesencephalon)、[[後脳]] (hindbrainもしくはrhombencephalon)が続く。神経管発生初期にはそれぞれの領域が膨らんで胞状である事から形態的に[[前脳胞]]、[[中脳胞]]、[[後脳胞]]と呼び、この時期を[[三脳胞期]]と呼ぶ。その後、前脳域は[[終脳]] (telencephalon)と[[間脳]] (diencephalon)に分かれ、[[五脳胞期]]と呼ばれる<ref name=ref1>'''von Baer KE'''<br>Über Entwicklungsgeschichte der Thiere, Beobachtung und Reflexion. <br>Königsberg, Bornträger. 1828</ref>。 | ||
==区分== | ==区分== | ||
27行目: | 27行目: | ||
=== 間脳 === | === 間脳 === | ||
[[視床]]、[[視床上部]]、[[視床下部]] | [[視床]]、[[視床上部]]、[[視床下部]]に分けられ、これらは発生過程で背腹軸にそった3領域([[蓋板]]→視床上部、[[翼板]]→視床、[[基板]]→視床下部)から[[分化]]する<ref name=ref2><pubmed>22593732</pubmed></ref>。 | ||
視床上部は[[松果体]]と[[手綱核]]を含む。 | 視床上部は[[松果体]]と[[手綱核]]を含む。 | ||
36行目: | 36行目: | ||
== 疾患との関わり == | == 疾患との関わり == | ||
正常な前脳の発生では分離した左右の半球が生じるが、全前脳胞症の場合、この分離が起きないか不十分になる。障害が軽度の場合、脳は比較的正常な形態をもって産まれてくるが、眼、鼻、上唇に形成異常や知的障害、運動障害がみられる。障害が重度な場合には顔面と脳の構造と機能が大きく失われ死産となる。特に激しい障害では眼が顔面の中心に1つのみ形成される単眼症(cyclopia)となる。この疾患の原因としてSonic hedgehog遺伝子などが知られている<ref name=ref3><pubmed>8896571</pubmed></ref> <ref name=ref4><pubmed>8896572</pubmed></ref>。 | |||
==関連項目== | ==関連項目== | ||
46行目: | 45行目: | ||
==参考文献== | ==参考文献== | ||
<references /> | <references /> | ||