「セルアセンブリ」の版間の差分

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<font size="+1">[http://researchmap.jp/read0175238/?lang=japanese 伊藤浩之]</font><br>
<font size="+1">[http://researchmap.jp/read0175238/?lang=japanese 伊藤浩之]</font><br>
''京都産業大学コンピュータ理工学部インテリジェントシステム学科''<br>
''京都産業大学コンピュータ理工学部インテリジェントシステム学科''<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2013年5月17日 原稿完成日:2015年9月28日<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2013年5月17日 原稿完成日:2015年月日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/ichirofujita 藤田 一郎](大阪大学 大学院生命機能研究科)<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/ichirofujita 藤田 一郎](大阪大学 大学院生命機能研究科)<br>
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 下等な生物における刺激―反応とは異なり、高等生物においては刺激が与えられる前の情況(文脈性)により、同じ刺激に対しても異なる反応が生じる。Hebbはこの媒介過程により、行動の選択性(構えと注意)という心理過程が説明されると主張する。脳内における異なる文脈性の保持のために異なるセルアセンブリの存在を仮定し、刺激により誘発される神経活動とセルアセンブリとの相互作用により、異なる反応が生じると考察している。感覚事象が終了しているにも関わらず脳内において文脈性が保持される神経メカニズムとしては、セルアセンブリの形成する閉回路での神経活動の持続を仮定している。Hebbは[[wikipedia:Rafael Lorente de No|Lorente de Nó]]<ref name=ref9>'''Lorente de Nó R.'''<br>
 下等な生物における刺激―反応とは異なり、高等生物においては刺激が与えられる前の情況(文脈性)により、同じ刺激に対しても異なる反応が生じる。Hebbはこの媒介過程により、行動の選択性(構えと注意)という心理過程が説明されると主張する。脳内における異なる文脈性の保持のために異なるセルアセンブリの存在を仮定し、刺激により誘発される神経活動とセルアセンブリとの相互作用により、異なる反応が生じると考察している。感覚事象が終了しているにも関わらず脳内において文脈性が保持される神経メカニズムとしては、セルアセンブリの形成する閉回路での神経活動の持続を仮定している。Hebbは[[wikipedia:Rafael Lorente de No|Lorente de Nó]]<ref name=ref9><pubmed></pubmed></ref>により提唱された[[反響回路]]([[reverbration]])を想定していると思われるが、「閉回路」にあたる神経活動ダイナミクスの実体は現在の神経科学において解明される必要がある。
Cerebral Cortex: Architecture, Intracortical Connections, Motor Projections.<br>
In Fulton J.F., Physiology of the Nervous System, 2nd Ed.<br>New York: ''Oxford Univ. Press'', pp.274-301, (1943).</ref>
により提唱された[[反響回路]]([[reverbration]])を想定していると思われるが、「閉回路」にあたる神経活動ダイナミクスの実体は現在の神経科学において解明される必要がある。


== 機能的セルアセンブリの定義 ==
== 機能的セルアセンブリの定義 ==
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==  セルアセンブリの実験的検証 ==
==  セルアセンブリの実験的検証 ==


 Hebbがセルアセンブリの概念を提唱した当時は、皮質内の単一細胞の[[細胞外記録]]が技術的限界であったため、セルアセンブリの存在の実験的検証は不可能であった。単一細胞の活動記録技術が確立し、脳の異なる領野において個々の細胞が外界刺激変数に対して高度に特殊化した反応特性を示すことが発見されると、情報処理の機能を単一細胞レベルで議論する研究が中心となった。例えば、[[Lettvin]]らの著名な論文 "What the frog's eye tells the frog's brain"<ref name=ref14> '''Lettvin J.Y., Maturana H.R., McCulloch W.S., Pitts W.H.'''<br>What the Frog's Eye Tells the Frog's Brain.<br>''Proceedings of the IRE'', 47, 1940-1959, (1959).
 Hebbがセルアセンブリの概念を提唱した当時は、皮質内の単一細胞の[[細胞外記録]]が技術的限界であったため、セルアセンブリの存在の実験的検証は不可能であった。単一細胞の活動記録技術が確立し、脳の異なる領野において個々の細胞が外界刺激変数に対して高度に特殊化した反応特性を示すことが発見されると、情報処理の機能を単一細胞レベルで議論する研究が中心となった。例えば、[[Lettvin]]らの著名な論文 "What the frog's eye tells the frog's brain"<ref name=ref14> '''Lettvin J.Y., Maturana H.R., McCulloch W.S., Pitts W.H.'''<br>What the Frog’s Eye Tells the Frog’s Brain.<br>''Proceedings of the IRE'', 47, 1940-1959, (1959).
</ref>やMountcastle<ref name=ref15><pubmed>14434571</pubmed></ref>やHubel & Wiesel<ref name=ref16><pubmed>14449617</pubmed></ref>らの機能的に特化した細胞の構成による[[コラム構造]]などの発見である。
</ref>やMountcastle<ref name=ref15><pubmed>14434571</pubmed></ref>やHubel & Wiesel<ref name=ref16><pubmed>14449617</pubmed></ref>らの機能的に特化した細胞の構成による[[コラム構造]]などの発見である。