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SNAP-25は脳や内分泌細胞に特異的に発現する206アミノ酸からなるタンパク質で、細胞膜に局在するt-SNAREタンパク質として細胞膜で起こる開口放出に不可欠な役割を果たしている。分子内に二つのSNAREモチーフを持ち、開口放出に不可欠なSNARE複合体を構成する4本のへリックスのうち、QbおよびQcの2本のへリックスを供出する。SNAP-25は開口放出による神経伝達物質や水溶性ホルモンの分泌に関わると共に、細胞膜へのタンパク質の組み込みや細胞膜の伸長などにも関与している。さらにイオンチャネルに結合し、その機能を調節する働きも持っている。SNAP-25の機能はリン酸化やパルミトイル化などの翻訳後修飾や、活性型Gタンパク質やシナプトタグミンなどの調節タンパク質の結合によって制御されている。SNAP-25の非翻訳領域の遺伝子変異と注意欠陥・多動性障害や統合失調症などとの関連が示されており、少なくとも一部はSNAP-25タンパク質の発現量の低下が原因である可能性が考えられる。さらに遺伝子改変マウスを用いた研究やヒト患者の解析から、てんかん発症との関わりも示されている。 | SNAP-25は脳や内分泌細胞に特異的に発現する206アミノ酸からなるタンパク質で、細胞膜に局在するt-SNAREタンパク質として細胞膜で起こる開口放出に不可欠な役割を果たしている。分子内に二つのSNAREモチーフを持ち、開口放出に不可欠なSNARE複合体を構成する4本のへリックスのうち、QbおよびQcの2本のへリックスを供出する。SNAP-25は開口放出による神経伝達物質や水溶性ホルモンの分泌に関わると共に、細胞膜へのタンパク質の組み込みや細胞膜の伸長などにも関与している。さらにイオンチャネルに結合し、その機能を調節する働きも持っている。SNAP-25の機能はリン酸化やパルミトイル化などの翻訳後修飾や、活性型Gタンパク質やシナプトタグミンなどの調節タンパク質の結合によって制御されている。SNAP-25の非翻訳領域の遺伝子変異と注意欠陥・多動性障害や統合失調症などとの関連が示されており、少なくとも一部はSNAP-25タンパク質の発現量の低下が原因である可能性が考えられる。さらに遺伝子改変マウスを用いた研究やヒト患者の解析から、てんかん発症との関わりも示されている。 | ||
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[[image:snap25-1.png|thumb|350px|'''図1.SNARE複合体中のSNAP-25の構造'''<br>SNAP-25のN末側(Qb)およびC末側(Qc)のSNAREモチーフを緑色で、シンタキシン1およびVAMP-2のSNAREモチーフを灰色で示してある。各へリックスのN末端はすべて左側にある。]] | [[image:snap25-1.png|thumb|350px|'''図1.SNARE複合体中のSNAP-25の構造'''<br>SNAP-25のN末側(Qb)およびC末側(Qc)のSNAREモチーフを緑色で、シンタキシン1およびVAMP-2のSNAREモチーフを灰色で示してある。各へリックスのN末端はすべて左側にある。]] |