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Masahitoyamagata (トーク | 投稿記録) 細 (→コネクトームの研究史と階層) |
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1970年ごろになると、放射性[[wj:アミノ酸|アミノ酸]]や、[[wj:酵素|酵素]]([[西洋ワサビペルオキシダーゼ]] ([[horseradish peroxidase]]; [[HRP]]))などの[[軸索輸送]]を利用することで、神経回路の観察が簡便に行われるようになった。更に、1980年代には、脂溶性carbocyanine[[蛍光色素]]などの生体結合特性を持った蛍光色素([[DiI]]など)、[[wj:植物レクチン|植物レクチン]]([[wheat germ agglutinin]] ([[wheat germ agglutinin|WGA]])、[[phytohaemagglutinin]] ([[phytohaemagglutinin|PHA-L]])など)、[[ビオチン]]誘導体 ([[biocytin]], [[Neurobiotin]]など)、軸索を効率的に移動する[[コレラ毒素]]サブユニット等の高感度トレーサーが開発され、多くの研究者に汎用されるようになった。 | 1970年ごろになると、放射性[[wj:アミノ酸|アミノ酸]]や、[[wj:酵素|酵素]]([[西洋ワサビペルオキシダーゼ]] ([[horseradish peroxidase]]; [[HRP]]))などの[[軸索輸送]]を利用することで、神経回路の観察が簡便に行われるようになった。更に、1980年代には、脂溶性carbocyanine[[蛍光色素]]などの生体結合特性を持った蛍光色素([[DiI]]など)、[[wj:植物レクチン|植物レクチン]]([[wheat germ agglutinin]] ([[wheat germ agglutinin|WGA]])、[[phytohaemagglutinin]] ([[phytohaemagglutinin|PHA-L]])など)、[[ビオチン]]誘導体 ([[biocytin]], [[Neurobiotin]]など)、軸索を効率的に移動する[[コレラ毒素]]サブユニット等の高感度トレーサーが開発され、多くの研究者に汎用されるようになった。 | ||
そして、1990年代になると、[[蛍光顕微鏡]]に加えて、[[共焦点レーザー顕微鏡]] | そして、1990年代になると、[[蛍光顕微鏡]]に加えて、[[共焦点レーザー顕微鏡]]が普及し始め、デジタル画像として大規模なデータの保存と解析が行われるようになった。コネクトーム研究の観点から、このような組織学的解剖と染色によって得られた知見をまとめた重要な研究が、1991年、FellemanとDavid van Essenらによる[[マカクサル]]の[[視覚系]]の結合性マッピングの概念の提出であった<ref><pubmed>1822724</pubmed></ref><ref><pubmed>1734518</pubmed></ref>。 | ||
このような研究手法は、[[w:Allen_Institute_for_Brain_Science#Allen_Mouse_Brain_Connectivity_Atlas|Allen Mouse Brain Connectivity Atlas]]([[wj:アレン脳科学研究所|Allen Brain Institute]])、[http://www.mouseconnectome.org/ Mouse Connectome Project] ([[wj:南カリフォルニア大学|南カリフォルニア大学]])、マカクサルの[http://cocomac.g-node.org/ CoCoMac](ドイツ)などで、まとめられているようなコネクトーム収集プロジェクトにつながっている。これらは、神経系の解剖学的知見と組織学的研究を組み合わせたものであり、解像度的にはµmからサブµmレベルの'''「メソスケール Mesoscale」'''のコネクトームの情報となっている。このレベルのコネクトーム構築のもう一つのアプローチとしては、このような形態学的なアプローチとともに、電気生理学的アプローチ、更に[[光遺伝学]]、神経活動を間接的あるいは直接的に観察する細胞、組織レベルのアプローチ([[カルシウム]]、[[活動電位]]、血流変化など)もある。しかし、現時点では、これらの方法論の多くは、大規模アプローチとしては適さず、局所的な回路に焦点を当てているか、あくまで予備的な解釈に用いられているのが現状である。 | このような研究手法は、[[w:Allen_Institute_for_Brain_Science#Allen_Mouse_Brain_Connectivity_Atlas|Allen Mouse Brain Connectivity Atlas]]([[wj:アレン脳科学研究所|Allen Brain Institute]])、[http://www.mouseconnectome.org/ Mouse Connectome Project] ([[wj:南カリフォルニア大学|南カリフォルニア大学]])、マカクサルの[http://cocomac.g-node.org/ CoCoMac](ドイツ)などで、まとめられているようなコネクトーム収集プロジェクトにつながっている。これらは、神経系の解剖学的知見と組織学的研究を組み合わせたものであり、解像度的にはµmからサブµmレベルの'''「メソスケール Mesoscale」'''のコネクトームの情報となっている。このレベルのコネクトーム構築のもう一つのアプローチとしては、このような形態学的なアプローチとともに、電気生理学的アプローチ、更に[[光遺伝学]]、神経活動を間接的あるいは直接的に観察する細胞、組織レベルのアプローチ([[カルシウム]]、[[活動電位]]、血流変化など)もある。しかし、現時点では、これらの方法論の多くは、大規模アプローチとしては適さず、局所的な回路に焦点を当てているか、あくまで予備的な解釈に用いられているのが現状である。 |