「むずむず脚症候群」の版間の差分

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 うつ病や[[身体表現性障害]]では、下肢の不快感や[[しびれ感]]などのむずむず脚症候群に類似した症状を呈することがあるし、治療に用いられる[[抗うつ薬]]がむずむず脚症候群を誘発する可能性があること20)<ref name=Kolla2018><pubmed>28822709</pubmed></ref> にも留意したい。他方、むずむず脚症候群患者は不眠と、これに伴う日中の疲労感・機能低下から[[抑うつ症状]]を呈することが少なくない。むずむず脚症候群様症状を有するうつ病患者では、これらの可能性を考慮しながら鑑別を進めるべきである。
 うつ病や[[身体表現性障害]]では、下肢の不快感や[[しびれ感]]などのむずむず脚症候群に類似した症状を呈することがあるし、治療に用いられる[[抗うつ薬]]がむずむず脚症候群を誘発する可能性があること20)<ref name=Kolla2018><pubmed>28822709</pubmed></ref> にも留意したい。他方、むずむず脚症候群患者は不眠と、これに伴う日中の疲労感・機能低下から[[抑うつ症状]]を呈することが少なくない。むずむず脚症候群様症状を有するうつ病患者では、これらの可能性を考慮しながら鑑別を進めるべきである。


 診断、治療状況を知る上で重要な研究として、欧米6カ国の一般人口を対象(n=15,391名)とした調査がある5) <ref name=Allen2005><pubmed>15956009</pubmed></ref> 。本調査においては、症状を週に2回以上認めた者は2.7%(416名)であった。この確定診断群の81%(337名)はプライマリケア医を受診していたが、むずむず脚症候群の診断を受けていたのはその中のわずか6.2%(21名)で、多くはむずむず脚症候群類似の下肢不快感を訴える下肢血行障害(18.3%)、[[関節炎]](14.3%)、[[脊椎]]疾患(12.7%)、[[静脈瘤]](7.5%)、[[抑うつ不安障害]](6.3%)と診断(誤診)されていた。この結果は、医療従事者のむずむず脚症候群に対する認知度がまだまだ低いことを示していると言えよう。
 診断、治療状況を知る上で重要な研究として、欧米6カ国の一般人口を対象(n=15,391名)とした調査がある5) <ref name=Allen2005><pubmed>15956009</pubmed></ref> 。本調査においては、症状を週に2回以上認めた者は2.7%であった。この確定診断群の81%はプライマリケア医を受診していたが、むずむず脚症候群の診断を受けていたのはその中のわずか6.2%で、多くはむずむず脚症候群類似の下肢不快感を訴える下肢血行障害(18.3%)、[[関節炎]](14.3%)、[[脊椎]]疾患(12.7%)、[[静脈瘤]](7.5%)、[[抑うつ不安障害]](6.3%)と診断(誤診)されていた。この結果は、医療従事者のむずむず脚症候群に対する認知度がまだまだ低いことを示していると言えよう。
[[ファイル:Inoue むずむず脚症候群 Figure1.png|サムネイル|'''図1. 低酸素に関連したむずむず脚症候群の細胞内での病態生理'''<br>細胞内での鉄欠乏、[[一酸化窒素]]、アデノシン、MEIS1の多型は, 単独(実線)にあるいは共同して(点線)、むずむず脚症候群病態に影響を及ぼす。<br>
[[ファイル:Inoue むずむず脚症候群 Figure1.png|サムネイル|'''図1. 低酸素に関連したむずむず脚症候群の細胞内での病態生理'''<br>細胞内での鉄欠乏、[[一酸化窒素]]、アデノシン、MEIS1の多型は, 単独(実線)にあるいは共同して(点線)、むずむず脚症候群病態に影響を及ぼす。<br>
RLS; むずむず脚症候群<br>
RLS; むずむず脚症候群<br>

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