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<font size="+1">今水 寛</font><br> | |||
''脳情報通信融合研究所 認知機構研究所''<br> | |||
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2012年5月16日 原稿完成日:2015年11月3日<br> | |||
担当編集委員:[http://researchmap.jp/read0048432 定藤 規弘](自然科学研究機構生理学研究所 大脳皮質機能研究系)<br> | |||
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英:tool use 独:Werkzeuggebrauch 仏:l'utilisation d'outils | 英:tool use 独:Werkzeuggebrauch 仏:l'utilisation d'outils | ||
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自分の体以外の物を使って作業を行うこと。[[wikipedia:ja:ヒト|ヒト]]以外の多くの動物も道具を使うことが知られているが、使える道具の多様性・複雑さ、使いこなす器用さは、ヒトで特に発達している。 | 自分の体以外の物を使って作業を行うこと。[[wikipedia:ja:ヒト|ヒト]]以外の多くの動物も道具を使うことが知られているが、使える道具の多様性・複雑さ、使いこなす器用さは、ヒトで特に発達している。 | ||
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==神経機構== | ==神経機構== | ||
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===小脳=== | ===小脳=== | ||
道具を速く正確に操作するためには、「道具に対してどのような操作をすれば、道具がどのような動きをするか」「道具にある動きをさせたいと思ったとき、それを実現するためには、どのような操作をする必要があるか」を予測する必要がある。ヒトがこのような道具の操作特性を学習しているときの小脳活動を[[fMRI]]で計測すると、ほとんどの部位で学習が進むにつれて、活動は減少するが、外側部の限局された場所([[後上溝]]付近)では活動が上昇することが知られている<ref><pubmed>10646603</pubmed></ref>。学習する道具の操作特性が異なれば、活動が上昇する位置や活動パターンも異なり<ref><pubmed>12704240</pubmed></ref> | 道具を速く正確に操作するためには、「道具に対してどのような操作をすれば、道具がどのような動きをするか」「道具にある動きをさせたいと思ったとき、それを実現するためには、どのような操作をする必要があるか」を予測する必要がある。ヒトがこのような道具の操作特性を学習しているときの小脳活動を[[fMRI]]で計測すると、ほとんどの部位で学習が進むにつれて、活動は減少するが、外側部の限局された場所([[後上溝]]付近)では活動が上昇することが知られている<ref><pubmed>10646603</pubmed></ref>。学習する道具の操作特性が異なれば、活動が上昇する位置や活動パターンも異なり<ref><pubmed>12704240</pubmed></ref>、この活動は道具の操作特性(道具に対する操作と結果の関係)を[[模倣]]・シミュレーションする神経機構([[内部モデル]])に対応すると考えられる。上述のサルに道具使用を学習させる実験でも、学習後に後上溝付近の皮質構造が変化することが知られている。 | ||
==重要性== | ==重要性== | ||
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==参考文献== | ==参考文献== | ||
<references/> | <references/> | ||