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<font size="+1">[http://researchmap.jp/read0124787 國本 正子]、中村 由嘉子、久保田 智香、[http://researchmap.jp/norioozaki 尾崎 紀夫]</font><br> | <font size="+1">[http://researchmap.jp/read0124787 國本 正子]、中村 由嘉子、久保田 智香、[http://researchmap.jp/norioozaki 尾崎 紀夫]</font><br> | ||
''名古屋大学 大学院医学系研究科''<br> | ''名古屋大学 大学院医学系研究科''<br> | ||
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2012年5月25日 原稿完成日:2012年6月12日<br> | |||
担当編集委員:[http://researchmap.jp/tadafumikato 加藤 忠史](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br> | 担当編集委員:[http://researchmap.jp/tadafumikato 加藤 忠史](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br> | ||
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=== 神経活性ステロイド=== | === 神経活性ステロイド=== | ||
近年、[[allopregnanolone]]、[[3α,5α-tetrahydoprogesterone]] (3α,5α-THP)、 [[3α,5α-tetrahydrodeoxycorticosterone]] (3α,5α-THDOC)などの向神経活性代謝物や[[プロゲステロン]]前駆体と気分変動との関連が注目されている<ref><pubmed>2539888</pubmed></ref>。これらのステロイドは神経細胞の活動に応じて産生され、膜内の神経伝達物質受容体の調節や[[ | 近年、[[allopregnanolone]]、[[3α,5α-tetrahydoprogesterone]] (3α,5α-THP)、 [[3α,5α-tetrahydrodeoxycorticosterone]] (3α,5α-THDOC)などの向神経活性代謝物や[[プロゲステロン]]前駆体と気分変動との関連が注目されている<ref><pubmed>2539888</pubmed></ref>。これらのステロイドは神経細胞の活動に応じて産生され、膜内の神経伝達物質受容体の調節や[[微小管結合タンパク質2]] ([[microtubule-associated protein 2]], [[MAP2]])への作用を介して[[微小管]]のダイナミクスを変化させることが示されている。 | ||
神経活性ステロイドのレベルはエストロゲンやプロゲステロンといったprimary hormoneのレベルによって変動し、感情変化に寄与する。また、神経活性ステロイドは[[GABA<sub>A</sub>]] | 神経活性ステロイドのレベルはエストロゲンやプロゲステロンといったprimary hormoneのレベルによって変動し、感情変化に寄与する。また、神経活性ステロイドは[[GABA受容体|GABA<sub>A</sub>受容体]]の[[アロステリックモジュレーター]]として機能し、その抑制作用を増強することで神経細胞の興奮性を弱めるとされる。さらに、大うつ病性障害の患者では、3β,5α-THPレベルが上昇するにつれて、3α,5α-THPや3α,5β-THPレベルが低下すること、これらのレベルは抗うつ薬投与により正常化することも示されている。以上の知見から、神経活性ステロイドの平衡障害は、うつ病の病態生理に関わる因子として提唱されており<ref><pubmed>9659856</pubmed></ref>、そのレベルは性ホルモンの影響をうけることを鑑みると、産褥期うつ病にも関与することが予想される。 | ||
=== オキシトシン === | === オキシトシン === |