「グルタミン酸トランスポーター」の版間の差分

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<font size="+1">[http://researchmap.jp/read0191613 田中 光一]</font><br>
<font size="+1">[http://researchmap.jp/read0191613 田中 光一]</font><br>
''東京医科歯科大学''<br>
''東京医科歯科大学''<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2016年1月26日 原稿完成日:2016年月日<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2016年1月26日 原稿完成日:2016年2月12日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/wadancnp 和田 圭司](国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/wadancnp 和田 圭司](国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)<br>
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 5種類のグルタミン酸トランスポーターサブファミリーは、中枢神経系だけでなく末梢組織にも発現していることが知られているが、本稿では中枢神経系における発現に関して記述する(表1)。
 5種類のグルタミン酸トランスポーターサブファミリーは、中枢神経系だけでなく末梢組織にも発現していることが知られているが、本稿では中枢神経系における発現に関して記述する(表1)。


 [[slc1a2]]([[GLT-1]]/[[EAAT2]])は[[大脳皮質]]・[[海馬]]の[[アストロサイト]]に、[[slc1a3]]([[GLAST]]/[[EAAT1]])は[[小脳]]のアストロサイトに優位に発現している<ref name=ref7><pubmed>8733726</pubmed></ref>。[[slc1a1]]([[EAAC1]]/[[EAAT3]])は神経細胞に存在し、中枢神経系に広く分布している<ref name=ref7 />。[[slc1a6]]([[EAAT4]])は小脳の[[プルキンエ細胞]]に<ref name=ref8><pubmed>8905715</pubmed></ref>、また[[slc1a7]]([[EAAT]])は[[網膜]]の[[視細胞]]・[[双極細胞]]に特異的に発現している<ref name=ref9><pubmed>10696802</pubmed></ref>(図3)。神経細胞に発現しているslc1a1とslc1a4は、神経細胞の終末ではなく[[細胞体]]・[[樹状突起]]に主に局在している<ref name=ref10><pubmed>7917301</pubmed></ref> <ref name=ref11><pubmed>9261809</pubmed></ref>。アストロサイトに発現しているslc1a2とslc1a3は、シナプス周囲を覆っている突起に密度高く局在している<ref name=ref12><pubmed>7546749</pubmed></ref>。
 [[slc1a2]]([[GLT-1]]/[[EAAT2]])は[[大脳皮質]]・[[海馬]]の[[アストロサイト]]に、[[slc1a3]]([[GLAST]]/[[EAAT1]])は[[小脳]]のアストロサイトに優位に発現している<ref name=ref7><pubmed>8733726</pubmed></ref>。[[slc1a1]]([[EAAC1]]/[[EAAT3]])は神経細胞に存在し、中枢神経系に広く分布している<ref name=ref7 />。[[slc1a6]]([[EAAT4]])は小脳の[[プルキンエ細胞]]に<ref name=ref8><pubmed>8905715</pubmed></ref>、また[[slc1a7]]([[EAAT5]])は[[網膜]]の[[視細胞]]・[[双極細胞]]に特異的に発現している<ref name=ref9><pubmed>10696802</pubmed></ref>(図3)。神経細胞に発現しているslc1a1とslc1a4は、神経細胞の終末ではなく[[細胞体]]・[[樹状突起]]に主に局在している<ref name=ref10><pubmed>7917301</pubmed></ref> <ref name=ref11><pubmed>9261809</pubmed></ref>。アストロサイトに発現しているslc1a2とslc1a3は、シナプス周囲を覆っている突起に密度高く局在している<ref name=ref12><pubmed>7546749</pubmed></ref>。


 最近、[[CDC42EP4]]/[[septin]]がslc1a3をシナプス周囲を覆う[[バーグマングリア]]の突起に局在させることが明らかになった<ref name=ref13><pubmed>26657011</pubmed></ref>。成人脳ではアストロサイトに局在するslc1a2は、胎児期から生後3日の発生初期には、一過性に神経細胞に発現する<ref name=ref14><pubmed>9671661</pubmed></ref>。
 最近、[[CDC42EP4]]/[[septin]]がslc1a3をシナプス周囲を覆う[[バーグマングリア]]の突起に局在させることが明らかになった<ref name=ref13><pubmed>26657011</pubmed></ref>。成人脳ではアストロサイトに局在するslc1a2は、胎児期から生後3日の発生初期には、一過性に神経細胞に発現する<ref name=ref14><pubmed>9671661</pubmed></ref>。

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